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chapter13 一人は嫌だ
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しおりを挟む炎と煙の向こうにチャックや他の兵士たちが
銃を船に詰め込むのが見えた
「ジ・・・・ジャスティンは・・・
ジャスティンは何処?? 」
竜馬は必死でフェンスにしがみ付いて目を凝らす
まるでまったく違う世界からこの光景を覗いているようだ
ジャスティンは最前線にいた
ルビーもクーパーもチャックも銃を乱射していた
銃を撃って疾走するジャスティン達の周りに
何発もの弾丸が超高速で飛んでくる
ゼレンスキーはずんぶんと念入りに
このために準備をしていたに違いない
SWAT達の連隊に押されどうみても多勢に無勢
ジャスティン達に勝ち目はない
SWAT部隊の後方でゼレンスキーは
高みの見物ときていた
「マフィアのクソ集団野郎どもが
国際的なテロリストと武器取引を
行おうとしているんだ
これを機にイリノイのマフィアを一掃する!
殺しても構わん!一人残らず捉えろ!」
ゼレンスキーはそう叫びSWAT部隊に激を飛ばした
激しい銃の攻防戦でなかなかチャックの兵士達は
ウクライナの貨物船に乗り込めない
波止場は戦場と化していた
SWAT達はこれでもかと非情に銃弾をばらまいた
チャックも所かまわずに撃ちまくっているが
この手詰まり状態に腹を立てている
ルビーの投げた最後の手榴弾が当たった
パトカーが大爆発を起こして
巨大な火の玉になった
宙に飛んだパトカーはねじ曲がった
焦げた鉄の塊と化した
現場は火の海となって
何がどうなっているのか
誰が無事なのかわからなくなっていた
チャックも顔は青ざめていた
大儲けができる秘密兵器の取引どころか
自分達が生き残れるかどうかの問題になってきている
「みつけた!!ジャスティン!! 」
竜馬はジャスティンの金髪を見つけた
兵士を三人従えて最前線で銃を発砲しまくっている
ジャスティンの撃つ銃で
SWATの連隊は次々に総崩れになっていた
竜馬はこんな時なのにジャスティンに見惚れてしまった
なんて彼は勇敢で猛々しいのだろう
お願いっ!逃げて!ジャスティン!
ズガ―ンッ!!
「ジャスティーーーーーン!!!」
ジャスティンが肩から血を噴き出した
それはまるでスローモーションのように
暗闇でも綺麗な金髪がのけぞった
そしてゆっくりと弧の字をかいて地面に落ちた
ジャスティンは仰向けに倒れた
撃ったのはゼレンスキーだった
すかさずジャスティンはSWATに囲まれた
竜馬は声の限り叫びながら
気が狂ったようにフェンスをガチャガチャやった
よじ登ろうとしたが上には
高圧電線が流れていて登れない
こんな所に自分を閉じ込めた
ジャスティンが憎らしかった
ジャスティンの傍に行きたかった
体当たりでフェンスが破れないかと
何回かやったが無駄だった
「ジャスティン!
ジャスティン!! 」
竜馬は指が真っ白になるぐらい
フェンスを握りしめた
そしてルビーもクーパーも捕まり
チャックとアンドリューは逃げようと
船に乗り込んだ時にSWATに
撃たれ海に落ちた
他のコンチネンタルの兵士も
次々と拘束された
ジャスティンはまだ息があるのか
わからないが血を流している腕を縛られて
そのまま現行犯逮捕でSWATに抱えられ護送車に乗せられた
ジャステインを乗せた護送車のライトが
青く回転している
サイレンがけたたましく鳴り響き
去って行く姿を茫然と見送った
ジャスティンは捕まった
涙と嗚咽が溢れる
何も出来なかった
現場は壮絶となっていた
誰も竜馬がそこにいることを気にしなかったし
気にもかけなかった
「・・・ジャスティン・・・ 」
そして事件は終わった
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