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chaputar18 ジャスティンの宝物
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しおりを挟むジャスティンは窓枠にもたれて
同じベッドで隣に眠っている竜馬を見つめていた
部屋は心地よく静まり返り
部屋の中で聞こえるものと言えば
ラジオから流れてくるラブソングと
隣で寝ている竜馬の呼吸の心安らぐ音だけ・・・・
青白い月明かりに照らされて眠っている竜馬は
微動だにせず・・・・
ジャスティンは月の女神がまるで
自分にご褒美でもくれたかのように
ただ・・・息を凝らし
でも目だけは遠慮なく隅から隅まで
じっとこの麗人を見つめ・・・愛でていた
とても贅沢な時間だ
月明かりは無情にも
竜馬の美しく彫り込まれた身体や東洋人特有の
シミ一つない白い肌を輝かせている
ラジオからは流行っている映画
「ロミオ+ジュリエット」の
サントラミュージックで一躍人気になった
「Kissing you」が流れて来た
きっと自分は一人きりになった時に
このひと時を宝物のように何度も思い返すだろう
自分の横に安心しきって
無防備に横たわっている
野生の黒豹のような少年を
ジャスティンは息を潜めて気配を消し
隣で眠っている竜馬をまるで脳に焼き付けるように
パーツ一つ一つを見つめた
彼を遠慮なく観察できるのは
彼が眠っている時だけだった
とても幸せな気持ちだった
切なく流れてくるミュージックに・・・
歌詞に耳を傾ける
:*゚..:。:. .:*゚:.。
千の試練を受けても強い人は決して倒れない
でもあなた無しでは星を見る事さえもできない♪
:*゚..:。:. .:*゚:.。
竜馬の髪は真っ白のシーツに無造作に広がり
その艶やかな黒髪が月明かりに波を打って
黒いサテンのリボンのようだ
散髪に連れて行かないと・・・
でも今のままでもいいな
ふさふさの黒い髪の割には
腕も・・・足も・・・
体毛はほとんどない・・・・
ジャスティンは思った
東洋人の男はみんなこんな感じなのだろうかと・・・
:*゚..:。:. .:*゚:.。
私はあなたにキスをする
なぜなら私の魂は泣いているから♪
:*゚..:。:. .:*゚:.。
スッキリと尖った鼻は細く
顎もすっきりと尖っていた
眉毛は一本調子でジャスティンのように
細く弓状には整えられていない
閉じたまつ毛は男とは思えぬほど長く
今は扇状に広がっていた
:*゚..:。:. .:*゚:.。
私はあなたにキスをする
なぜなら私の魂は泣いているから♪
:*゚..:。:. .:*゚:.。
歌の歌詞が切なく胸にささる
初めて見た時は女かと思った
しかしすぐにこの東洋人の少年の中にある
傷ついて・・孤独でいながらも
男としての気骨さに気がついて魅了された
なぜか竜馬は人に好かれた
それは本人が醸し出している善良性が人の警戒心を解き
コイツは自分に害を及ぼさないと瞬時で感じるからだ
アメリカでは珍しい人種だ
実際カジノでは他の従業員にとても可愛がられていた
タトゥー彫師のロック・ハウンドも
竜馬がお気に入りだった
人懐つこく笑顔で話しかけられたら
誰でも仲良くしたいと思う
男女例に問わずだ
ジャスティンは自分の肩肘張った態度が
時に人々を遠ざける原因になっていることを
竜馬を通じて学んでいた
竜馬にはジャスティンがどうしてもマネ
出来ないモノを持っている
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