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chapter12 愛が止まらない
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しおりを挟むそれでも彼女達はアリスと
ほんの少し年上なだけなのに
実の母親でさえめったに見せてくれない
優しい態度で接してくれる
こんな彼女達を好きにならずに
いられる人なんているだろうか
幼い頃から世界的宝石商(ITOMOTO)の令嬢として
常に完璧に学問や芸術などへの
豊かな教養を求められ
今やアリスは20のマナー系の国家資格を取得し
有名女子大を卒業した今でも
5つの教室に通い日々教室と家の往復だった
そして今日は7時から
【和文化・おもてなし・マナー専門家師範認定講座】があり
明日は檀家のお寺で家族で
【真理について深く瞑想する講座】がある
今までは伊藤家の人間として
教養を身に着けることは
伊藤家長女の勤めであり当然と思っていた
資格を取る事こそが自分に課せられている義務であり
一人前になれる道だと思っていた
そして祖父が連れてきた
騎士のような男性
松下竜馬の妻になることが当然だと思っていた
だってそれを幼い頃から教育されてきたのだから
彼に対して恋愛感情があるのかと言われれば
分からない
しかし自分の旦那様になる人がこれほど
戦士のような男性だったらいったいどうやって
意思の疎通を測ればいいのだろう
密かにアリスは竜馬の事を
心の中で「将軍」と呼んでいた
そしてもっと将軍を知りたくて
勇気を出して彼と一泊したいと告白しても
あっさり却下された
母は言う・・・
結婚してしまえばお互いの生活を脅かさなければ
好きに生きれば良いと
母は世界中の欲しいものはなんでも
手に入る立場でありながら息子だけは
手に入れることが出来なかった
そしてアリスという不出来な
娘を育てなければならなかった
そう自分は母やお爺様が望んでいた
男ではなく女なのだから
お爺様が見初めた男性と結婚して
ITOMOTO一族の事業をさらに
拡大する事こそが自分の使命
しかしつい先日見てしまった
将軍だと思っていた自分の夫になる人が
女性と楽しそうにしている所を
アリスは車の中から偶然二人を見かけた
だけだから話している内容までは分からなかったが
あのジェニさんが驚いたことに
将軍の背中を小突いた
すると将軍は嬉しそうに
ジェニさんの腕を掴んで
何やら言ってジェニさんは頬を赤らめた
アリスは驚いた将軍のような彼でも
あんな人間らしい表情が出来るのだと
アリスは俄然ジェニに興味が湧いた
そしてとうとう彼女の正体を突き止め
時間が経つにつれ彼女と一緒に働いてみたくなった
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