【R18】堅物敏腕ボスと初恋の君の運命的な再会～父の会社を買収した憎いアイツは幼い頃に一緒に暮らした大好きなお兄ちゃんだった～

chapter１１ I NEED YOU

２０

実は彼はお堅いスーツの下には
優しい心を隠しているらしい

真紀ちゃんが惚れて結婚するだけのことはある
魅力的だとジェニは思った



財務部まで赴き
しばらく彼と今後の収益シュミレーションについて
話し合って目標設定の数字を出し
ジェニは社長オフィスを後にした




初めは宗一郎の事を氷の塊のような男だと思っていたが
人間付き合ってみると意外な面が現れる


それは竜馬も同じだった
ジェニは竜馬の人間らしい部分や
ユーモアさえも垣間見た今
ジェニは竜馬の強さと複雑さにとても魅力を感じていた



エレベータ―に乗り込み１階のボタンを押した




さっきの階で少しだけ期待していた
竜馬と偶然ばったり出会わなかった事を残念に思って
肩を落とした


もうしばらく彼のいるあの階には用事は無い





遠くからでも一目見たかったのに残念・・・・
チェッ・・・と
ジェニが唇を尖らせた時





突然エレベーターが閉まる寸前で
なんと竜馬が肩でドアを開き
颯爽と乗り込んできた




ジェニの心臓が跳ね上った
エレベーターのドアが開いてるうちは
二人は視線を合わさずに
出口に向かって同じ方向を向いていた



しかしエレベーターが閉まる瞬間同時に向き合った




閉じられたエレベーターの中
二人っきりの狭い空間で重力が降下する感覚を
彼を見つめて感じる


ジェニは彼を見てワクワクして目を煌めかせた
彼が厳しめの顔でジェニを見つめ


ハァーッ・・・と彼はため息をついた





「頼むからそんな目で僕を見るな・・・・」




「そんな目ってどんな目？」



「・・・僕にこんな事をして欲しそうな目だ　」




竜馬が呻いて壁にジェニを押し付け
次は荒々しく唇を重ねて来た


待ってましたと期待に胸を躍らせ口を開けた



彼は片手でジェニの髪を優しく後ろにひっぱって
上を向かせ片方の手はジェニのお尻をつかんでいる


束の間ジェニは仕事を忘れた
納期間際の仕事が三件もあるのに
今まで自分が仕事以外の事に夢中になるなんて


今彼とエレベーターの中で二人っきりで
彼にされている事しか考えられなくなった




それは突風のようで
あまりにも激しく
あまりにも甘美だった