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chapter10 寂しいジュリエット

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しばらくするとまた榊原からlineが来て
次のデートはいつに変更すればいいかと
聞いて来たので思わずジェニは

「ええかげんにせぇ」と
ボソッと一人つっこみを入れた
 


もう彼との次はない



返事をしなかったことで
榊原から着信が来るかもしれないので
ジェニは他の客の迷惑にならないよう
スマホの音量を切って家に帰るまで見ないように
バッグの中にしまった




シャンパンをもう一口啜り
目の前に広がる贅沢な夜景を眺めた
遠くで大阪城がライトアップされている
良く目を凝らして見るとビルのオフィス内などに
スーツを着た人が働いている




色とりどりのビルの明かりに目を奪われつつ
30歳手前の独身女性が一人でポツンと
カップルに最適なレストランに座っている時に
考えそうなことを考えた




藤子も真紀も明らかに自分に気を使っている
そして自分達が幸せなのだから
ジェニにも幸せになってもらいたいと
お節介をやきまくる
 


もちろんそれは嫌ではなかった
なぜなら反対の立場なら自分もそうするからだ




なんだか自分が女として落ちこぼれのような
気がしてならない・・・・




私の青春はどこにいったのだろう




職場の親友の真紀も藤子も結婚するのに
自分はデートしてくれる相手もいない・・・・




たった一人の肉親の兄は蒸発していて
喜びの瞬間を分かち合う人もいない・・・




それは大した問題ではないのかもしれない
とりわけ最近直面した会社買収の
深刻な問題に比べたら



M&Aで買収された会社は苦しい立場に
置かれる印象を抱いていたジェニは
この大惨事を一人で解決しようと躍起になっていた





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