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chapter8 チェリボーイの卒業式
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藤子は文也達を置いて店を出た
少し足早に二人を追いかけると
ズンズン歩く竜馬にジェニが追いついていた
「社長!クリーニング代をお支払います!
請求書を回してください 」
ズンズンと足を速めていた竜馬が
ピタリと止まってジェニをビシッと指さした
「いいか!社長命令だ!
半径1メートル以内!僕に近づくな!
君がいるとろくなことに巻き込まれない!」
「じ・・・純粋な正当防衛よ
あなたは警告もなしに突然私の背後にいたんだから」
くるりと踵を返し竜馬がまた歩いて行こうとする
その後をまたジェニが追いかける
「必ずクリーニング代をお支払いするわ!
ですから私を疫病神呼ばわりしたこと
撤回してくださいっ!」
「ついてくるなと言ってるだろう!
次はなんだ?
階段の上から降ってくるのか?」
「そして魂が入れ替わるの?
それもいいわね!
私があなたになったらこの会社の
規則を全部塗り替えてやる!」
「そんなことは僕が絶対許さない!」
「ちょ・・・ちょっと!
ジェニ・・・ 」
藤子が追いかけているにもかかわらず
二人はギャーギャー言い争いをしながら
風の様に去って行った
「え~っと・・・・・」
藤子はどうしようかと思ったけど
とりあえず自分のオフィスへ戻ることにした
「おーい!藤子!」
声のしたほうに振り返ると
営業部の三浦が近づいてくるのが見えた
彼が親指を立てて身振りで背後を示す
「ちょうどそこでコーヒーまみれの社長と
言い争いしてるジェニを見たよ
ジャガーがどうのとかクリーニングが
どうのとか怒鳴り合っていたんだが
なんのことだかさっぱりわからなかった」
不思議そうに三浦が肩をすくめてる
「いったい何があったんだ?」
「う~~~ん・・・・
そうね・・・・まだわからないけど・・・・ 」
社長に喧々囂々と噛みつくジェニの頬は
うっすらと赤くなっていた
藤子は笑みを浮かべた
ひょっとしたらジェニの
(バッタリ運命の出会い大作戦)は
必要ないのかもしれない
その時キンコン♪と
藤子のスマホのラインが鳴った
きっと文也だろうと藤子は今見た光景を
文也に教えようと画面を見た
「え?」
藤子はその場に固まった
未読メッセージ
信二 「元気?」
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「社長!クリーニング代をお支払います!
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ズンズンと足を速めていた竜馬が
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「いいか!社長命令だ!
半径1メートル以内!僕に近づくな!
君がいるとろくなことに巻き込まれない!」
「じ・・・純粋な正当防衛よ
あなたは警告もなしに突然私の背後にいたんだから」
くるりと踵を返し竜馬がまた歩いて行こうとする
その後をまたジェニが追いかける
「必ずクリーニング代をお支払いするわ!
ですから私を疫病神呼ばわりしたこと
撤回してくださいっ!」
「ついてくるなと言ってるだろう!
次はなんだ?
階段の上から降ってくるのか?」
「そして魂が入れ替わるの?
それもいいわね!
私があなたになったらこの会社の
規則を全部塗り替えてやる!」
「そんなことは僕が絶対許さない!」
「ちょ・・・ちょっと!
ジェニ・・・ 」
藤子が追いかけているにもかかわらず
二人はギャーギャー言い争いをしながら
風の様に去って行った
「え~っと・・・・・」
藤子はどうしようかと思ったけど
とりあえず自分のオフィスへ戻ることにした
「おーい!藤子!」
声のしたほうに振り返ると
営業部の三浦が近づいてくるのが見えた
彼が親指を立てて身振りで背後を示す
「ちょうどそこでコーヒーまみれの社長と
言い争いしてるジェニを見たよ
ジャガーがどうのとかクリーニングが
どうのとか怒鳴り合っていたんだが
なんのことだかさっぱりわからなかった」
不思議そうに三浦が肩をすくめてる
「いったい何があったんだ?」
「う~~~ん・・・・
そうね・・・・まだわからないけど・・・・ 」
社長に喧々囂々と噛みつくジェニの頬は
うっすらと赤くなっていた
藤子は笑みを浮かべた
ひょっとしたらジェニの
(バッタリ運命の出会い大作戦)は
必要ないのかもしれない
その時キンコン♪と
藤子のスマホのラインが鳴った
きっと文也だろうと藤子は今見た光景を
文也に教えようと画面を見た
「え?」
藤子はその場に固まった
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