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chapter7 渚のバルコニーで待ってて
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藤子は驚いた
男性がこんなに素直になって
自分の非を認めて謝罪するなんて
信二だったらたとえ彼が9割悪くても
あれやこれや
言い訳して素直に謝らないだろう
それにこの素敵なひまわり―
いつ買ったんだろう
藤子は以前から韓国に来ていつか
素敵な男性に花束をプレゼントして
貰えるのが夢だった
でもこんな形で夢が叶うとは思っていなかった
藤子は差し出された花束を受け取った
鼻の近くに持っていき
すっと匂いをかぐ
新鮮な甘い植物の匂いがした
横目でチラリと文也を見ると明らかに
申し訳なさそうな
情けない顔をしている
彼を見たらあれやこれや言ってやろうと
思っていたのに
もう・・・本当に可愛いんだから・・
彼を相手にいつまでも怒っていられない
それにあの時の彼を思い出した
殺される勢いでレーザーマシンを蹴り飛ばしていた
駄目だ
思い出したら笑いそうになったけど
わざと怒った顔を続けた
「敏感肌でもなんでもないのに・・・
本気であの施術を受けようと思っていたの?」
「それで君と一緒にいられるなら 」
彼が身を乗り出した
その体は藤子と数センチしか離れていなかった
「本当にバカね
どうしてそこまでするの?」
すっと藤子がベンチの横にずれた
座れと言っている
すかさず文也が彼女の横に座る
「最初から話した方がいいかな・・・・
あの時・・・・
スタバで君のテーブルの
コンセントを間違えて使った時・・・ 」
「本当に最初じゃない 」
藤子は思わず噴き出した
「君が僕に喉スプレーを渡して
ヒーローのように去って行ったあと・・・
僕はスタバの店員に訊いたんだ
「彼女は誰だ?」ってね・・・
それと受付の女の子達にも聞いた
酷い声だありゃ 」
藤子はおかしそうに笑った
たしかに彼女達と世間話をするのは
勇気のいる事だ
「そして教えてくれたよ
君が神崎広告代理店のやり手の
コピーライターだって・・・
そこで僕は一晩中なんとかして君に近づけないか
ずっと考えていたんだ
そしてせっかく近づけたと思ったら
君は何かに傷ついていてまた離れようとした
あの時は何も考えていなかったんだ
君と一緒にいたくて咄嗟についた嘘なんだ」
彼は髪をかきあげた
「そのためには韓国で施術を受けるなんて
簡単だと思ったんだ
体を張ることは慣れていた
しかし・・・あれはさすがに怯んだ・・・
ごめんよ・・・嘘をついて
でも本当に色々考えたんだ
君を仕留めるにはどうすればいいか 」
藤子は眉をしかめた
「仕留めるなんて・・・・
なんだか猫がくわえて来た得体の知れない
獲物みたいな言い方ね」
「獲物だなんて! 」
文也がショックを受けた顔をした
男性がこんなに素直になって
自分の非を認めて謝罪するなんて
信二だったらたとえ彼が9割悪くても
あれやこれや
言い訳して素直に謝らないだろう
それにこの素敵なひまわり―
いつ買ったんだろう
藤子は以前から韓国に来ていつか
素敵な男性に花束をプレゼントして
貰えるのが夢だった
でもこんな形で夢が叶うとは思っていなかった
藤子は差し出された花束を受け取った
鼻の近くに持っていき
すっと匂いをかぐ
新鮮な甘い植物の匂いがした
横目でチラリと文也を見ると明らかに
申し訳なさそうな
情けない顔をしている
彼を見たらあれやこれや言ってやろうと
思っていたのに
もう・・・本当に可愛いんだから・・
彼を相手にいつまでも怒っていられない
それにあの時の彼を思い出した
殺される勢いでレーザーマシンを蹴り飛ばしていた
駄目だ
思い出したら笑いそうになったけど
わざと怒った顔を続けた
「敏感肌でもなんでもないのに・・・
本気であの施術を受けようと思っていたの?」
「それで君と一緒にいられるなら 」
彼が身を乗り出した
その体は藤子と数センチしか離れていなかった
「本当にバカね
どうしてそこまでするの?」
すっと藤子がベンチの横にずれた
座れと言っている
すかさず文也が彼女の横に座る
「最初から話した方がいいかな・・・・
あの時・・・・
スタバで君のテーブルの
コンセントを間違えて使った時・・・ 」
「本当に最初じゃない 」
藤子は思わず噴き出した
「君が僕に喉スプレーを渡して
ヒーローのように去って行ったあと・・・
僕はスタバの店員に訊いたんだ
「彼女は誰だ?」ってね・・・
それと受付の女の子達にも聞いた
酷い声だありゃ 」
藤子はおかしそうに笑った
たしかに彼女達と世間話をするのは
勇気のいる事だ
「そして教えてくれたよ
君が神崎広告代理店のやり手の
コピーライターだって・・・
そこで僕は一晩中なんとかして君に近づけないか
ずっと考えていたんだ
そしてせっかく近づけたと思ったら
君は何かに傷ついていてまた離れようとした
あの時は何も考えていなかったんだ
君と一緒にいたくて咄嗟についた嘘なんだ」
彼は髪をかきあげた
「そのためには韓国で施術を受けるなんて
簡単だと思ったんだ
体を張ることは慣れていた
しかし・・・あれはさすがに怯んだ・・・
ごめんよ・・・嘘をついて
でも本当に色々考えたんだ
君を仕留めるにはどうすればいいか 」
藤子は眉をしかめた
「仕留めるなんて・・・・
なんだか猫がくわえて来た得体の知れない
獲物みたいな言い方ね」
「獲物だなんて! 」
文也がショックを受けた顔をした
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