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chapter5 教祖藤子

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このまま彼女と何時間でも
見つめ合える気分だった



文也は彼女を見つめ続けた
そして気づいた彼女は何かを待っている



そして文也も待ち続けた
何を待っているのだろうか?





「終わった?」





彼女の声に文也はわれに返った
文也は目をしばたき
再びそのブラウンの深い眼差しに捕らえられた




「何の話?」






文也は妖精を見つけたら
そうするであろう
優しく囁くように彼女に言った






「その・・・
あなたが充電しているテーブルコンセント・・・
私のテーブルのモノだと
思うんだけど・・・・
終わったら私に充電させほしいって・・・
さっきから言ってるんだけど」




「え? 」





そう言われてよく見てみると
確かに自分のノートパソコンの充電器を
隣の彼女のテーブルのコンセントに刺していた





「あっ!ああっすいません!」





彼女の言う通りだった
しかし自分のテーブルはコンセントが
ついていない所だった


文也はこのテーブルに着くときに
コンセントがあるかどうかは確認
しなかったがノートパソコンが
思ったより充電出来ていなかったので



文也が来た時には誰もいなかった
隣のテーブルのコンセントをお構いなしに
使っていたのだった


彼女が自分のスマホを見て文也に言った




「これから会議なんだけど
充電が10パーセントしかないの」



「ああ!すいません!ちょっと待ってね」





慌てて充電器のコードをかたずけようとする
しかしパソコンの画面を見て
文也はうなだれた





「・・・僕のノートパソコンの充電は2%なんだ・・・ 」






バッテリーが故障しているのは
前から気づいていたが
取り換えるのがめんどくさかった文也は

充電コードとコンセントがあれば良いと思っていた
でもやっぱり充電を新しいものに
変えておくべきだった





彼女がため息をついた





「・・・どうやらあなたの方が
危機感があるみたいね
充電したいからこの席を選んだのに
あなたのパソコンが10%になるまで待つわ 」



「え?いいの? 」



「その変わりあなたが充電できるまで
私のおしゃべりに付き合ってくれたらね
あなた世間話し好き? 」




「得意だよ!」






本当はそんなことなかったけど
文也はこの美人と世間話しが出来るチャンスは
二度と来ないだろうと
大きく頷いた




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