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chapter4 シングルマザーの初恋

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「ここならレイたんの保育園も
会社も近いかなと思って 
鍵を預かって来た 」




そう言うとひんやりとした大理石の玄関ロビーを
宗一郎は歩いて行く




まさか・・・・・



真紀の脚が震えていた





ファミリー向けのマンションだけあって
エレベーターも廊下も広く設定してある
真紀がずっと憧れていた
角部屋の門付きの部屋の前に止まった






「ここが俺たちの家だ」






言葉が見つからず
真紀は驚いた顔でマンションの門を見渡すばかりだ




スペアキーで玄関を開け
先に真紀を入れる宗一郎が
ブレーカーのスイッチを入れると
全部の部屋に灯りが灯った



広いリビングを見渡す




次に宗一郎に手を引かれキッチンに向かう
信じられない事にキッチンはIH式の三口コンロだ
ピカピカの食洗器もついている




真紀が夢にも見ていた光景だ
両手で口を押えてキッチンを見渡すばかりだ





「ここが気に入らないなら他を探してもいい
まだ候補はいくつかあるんだからね」




「いえ・・・そういうんじゃなくて・・・」





真紀は息を弾ませた





「もちろん・・・とても素敵だわ・・・
それに職場に歩いて行けるなんて・・・
ただ・・・本当にびっくりしてしまって・・・」




宗一郎は驚いたような
面白がっているような顔をした






「ちょっと順序が逆になってしまったけど
俺はこれからプロポーズするから
出来ればことわらないでいてほしい 」






そう言うと小さな黒い箱をポケットから取り出した






ああ・・・・・
どうしよう・・・・・・






宗一郎は身をかがめ泣いている真紀を抱き寄せた







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