狼を全部追放したと思ったら妖狐が忍び込んでいたようで

1章

いち

「選択」
それは人生において一番大切な行為であると言っても過言ではない。
人はなにか行動を起こすとき、必ず頭の中で選択をしている。次は自分はどうするのか、何をするのか。それはどんな小さなことであっても、必要不可欠な行為である。
現に僕は今この瞬間でも選択をし続けている。
しかし、今しているこの選択は特にこれといった価値もない選択である。いわゆる、「どうでもいい選択」である。「どうでもいい選択」をするだけでは、人生にあまり関わってこない。「どうでもいい選択」では無い「選択」をどうするかによって、人生の軌道は変わってくる。人によっては、「どうでもいい選択」ばかりをしながら生きている人もいるが、僕は常に「どうでもよくない選択」をし続けている。


なぜかって？それは僕が予言者だからだ。
この村に人狼が忍び込んでいるということ、そして自分は予言者であり特別な能力を持っていることを知った時は驚きのあまり冷静さを失ってしまった。
しかし、村の命がかかっているとなれば、先頭に立って村を救わなければいけない。
そうして順調に人狼を炙り出していき、無事ハッピーエンド。




そう思っていたのだが、







僕は過ちを犯してしまったようだ＿＿＿