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十三、僕がはじめて

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「っはあっ……ああっ」

 下穿きを脱がされて、指がぬちゃりと入り込んでくる。尊の愛撫に慣れたこの体は簡単に蜜を零す。

 抱きすくめられれば、腰に熱いものが触れる。そのまま強く擦り上げられた。胎の中で、それがどんなふうに動くのかをいやでも連想できてしまう。

 布団の上にうつ伏せに寝かされた。太ももの間に腕が差し入れられて、尻だけが高く浮かされる。

「ああ、すごい。濡れてる」

 濡れた秘所に吐息がかかる。不浄の場所が全て翔に晒されている。とてつもない羞恥に体が強張るのに、ぎゅんと奥が締まる。

 生温かい何かが、そこに触れた。

「ひっ、あっ、何を」

 指とは違う感覚。ああ、これは翔の舌だ。

「そんなところ……っだめ……きたない……ぁあああ」

 ざらりとした肉厚の舌が、ぺろりと充血した花芯を舐める。未知の刺激にびくんと体が跳ねるが、腰をしっかりと掴まれているので逃れられない。

「そんなに嫌がるってことは、兄さん、これはしなかったのか」

 尊は、こんなところに舌を這わせたことなどない。そんなこと、とてもじゃないが考えられない。
 翔は溢れた蜜をじゅるりと啜り上げる。耳を塞いでも聞こえてくる、己が欲情していると示す音。

「じゃあ、これは僕がはじめて・・・・ですね。はははっ」

 乾いた笑い声の後に、愛おし気に翔は尻たぶに頬ずりをする。

 ぴちゃぴちゃと舌が抜き差しされる。高い鼻梁が敏感な蕾を掠めてたまらない快感を生むが、深いところまでは無論届かない。決定的なものを求めて腰が揺れてしまう。

「はあん……っああん……やっ」

 舌先が蜜口をぐるりと撫ぜたかと思うと、膨れ上がった花芯に歯を立てられた。

「イっていいですよ」

 かりっと、甘噛みされたらもう、だめだった。

「はっ、はっ……ああああっ!」

 押し寄せる波に飲み込まれる。ただ嬌声を上げて、彩恵は達した。翔の手が離れて、這いつくばることしかできない。

「僕ね、昔からあなたのことが好きだったんです」

 肩甲骨に額を乗せて、うっとりと翔が言う。乱れた呼吸に合わせて上下するそれに、ねっとりと指を添わせる。

「そ、そんな……っ」

 翔が自分のことを好いているだなんて、考えたこともなかった。彩恵の気持ちを見透かしたような笑い声が、背中に落ちる。

「まあ、あなたは兄さんしか見ていなかったから、気付かなかったでしょうけど」

 蔓のように長い腕が絡みついてくる。ぴたりと隙間ないほどに合わされば、楔は硬さを保ち続けている。引き締まった腹筋がひくつくのを感じる。
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