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またまた王宮へ
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「……ほぇ?」
目の前には地面に横たわる巨大な赤い竜。
これ、ワイバーンとか地竜じゃないよ!? ちゃんとした竜だよ!?
大森林の岩壁の奥にいるようなやつじゃない!?
「え、これって、流石にノアとネージュでも狩れないやつじゃないの!? 岩壁の奥にいるようなやつ!」
「まぁ運が良かったな!」
「あぁ。運が良かった!」
え、運で竜って狩れるの!!?
「こいつは火竜だから本来なら岩壁の向こうにいるんだけどな。なぜかこっちに出てきてた」
「あれだろ! 若そうだし、力試しにでも出てきたんだ! きっと自分がやられるなんて思ってもなかったぜ!」
ノアとネージュ曰く、これでも火竜の中では小さめらしい。だからまだ若くて岩壁の向こうでは下っ端で、自分の力を奮って憂さ晴らしでもするために出てきたんだろうとのことだった。
「確かにこいつ力は強かったし口から出す火は危なかったけど。でも技術がなかった。」
「あぁ。ちょっと攻撃貰ったくらいで大騒ぎしてさ! 倒しやすかったぜ!」
まぁ、なんか運が良かったらしい。
「そうなの。まあいいや、帝都に行くよ」
「「おーーー!!!」」
そしてまたぴゅんっと帝都に飛び王宮へ到着。
案内されたのはあの豪華な客室ではなく、私に合わせ女性らしく上品に整えられた部屋だった。
「ウィルフレッドの婚約者になるのだから、これから王宮へ来た時はこの部屋を自由に使ってくれ」
どうやらこの部屋は息子の婚約者になる私へ用意してくれた部屋らしい。
「皇帝陛下、素敵なお部屋をいただきありがとうございます」
「なかなかの寝床だったぞ!」
「あぁ。いい具合だった!」
「ノア、ネージュ、しっ!」
ノアとネージュが私と一緒の部屋にいるのも考え、2匹の寝床までキチンと用意してあった。
婚約が決まってまだ3週間。よくこれだけ私に合わせた部屋を用意できたものだ。
部屋には美しくも立派な執務机もある。これからパーティーまでの1週間はここでお勉強ね。
幼い頃から散々妃教育は受けてきたし、教育の一環として隣国であるこの国についても学んできているけれど、流石に細かい貴族事情まではわからない。
この1週間でできる限り詰め込まなくては。
私はさっそく執務机に座り、用意された資料を手に取った。
「ふぁ~、疲れた」
肩の凝りをほぐすように両腕を上げて思い切り伸びをする。
ここで資料を読み込むこと4日。お父様の仕事の関係で聞いたことのある方がたくさんでてきたたおかげか、なんとか覚えきれた。
あとは当日に覚えた内容と実際に会った人物をつなぎ合わせるだけだ。
「……狩りがしたい」
「身体が鈍っておかしくなりそうだ」
ノアとネージュは私と部屋に籠もりっぱなしだからか、狩りがしたいと不貞腐れている。
「4日前にあれだけ狩りをして来たでしょう」
あれ? 狩りといえば……。
「そうだ。皇帝陛下のところへ行かなくちゃ」
近くにいるメイドさんに皇帝陛下に会いたいと声をかけると、自室で執務をしているらしく案内をしてくれる。
こんなにすぐに会えるの? 皇帝陛下だよ? と思ったが、人と会っている時や急務の時でなければ案内して良いといわれているらしい。
「失礼致します。オレリア・アールグレーン様をご案内して参りました」
部屋の中には執務を手伝っている様子のウィルフレッド様もいる。
そして皇帝陛下は重厚感のある美しい執務机に座り、紙にこれまた美しい羽ペンを走らせていた。
「おぉ、アールグレーン嬢。どうしたのだ?」
「特に急用というわけではないのですが、皇帝陛下にお渡ししたいものがあったのです」
「渡すもの?」
それを聞いたノアとネージュは思い当たる物があったのか、アワアワと慌て始める。
「リア、待て! それはアレなのか?」
「アレって、まさかアレか!? リア、待ってくれ!!」
皇帝陛下に渡す土産にすると言っていたのはノアとネージュなのに。
また狩りをするために適当言っていたのだろう。
「ノアとネージュが皇帝陛下へのお土産にするって言っていたんだからね」
「そ、そうだが……。でもあれは肉が美味いのだ!! 肉はダメだ!!」
「そうだ! 肉は俺たちが食べるんだ!」
いやいや。皇帝陛下に献上するのに肉だけ抜くわけにもいかないでしょう……。
「なんだ? 肉?? 魔物か?」
「ええ。 とびっきりの!」
それを聞いた皇帝陛下は「ほぅ……」と面白そうに笑う。
「それでは演習場へ行こうか」
サッと立ち上がり部屋を出る皇帝陛下に、皇太子殿下、宰相様、私、ノア、ネージュと続く。
「オレリアがとびっきりと言うなんて、楽しみでワクワクするよ」
「きっとウィルフレッド様もビックリすると思いますよ!」
それを聞いたウィルフレッド様は「楽しみだ」と優しく笑う。
「リア、待ってくれー!」
「考え直してくれー!!」
2匹はまだ諦めきれず騒いでいるけれどね。
目の前には地面に横たわる巨大な赤い竜。
これ、ワイバーンとか地竜じゃないよ!? ちゃんとした竜だよ!?
大森林の岩壁の奥にいるようなやつじゃない!?
「え、これって、流石にノアとネージュでも狩れないやつじゃないの!? 岩壁の奥にいるようなやつ!」
「まぁ運が良かったな!」
「あぁ。運が良かった!」
え、運で竜って狩れるの!!?
「こいつは火竜だから本来なら岩壁の向こうにいるんだけどな。なぜかこっちに出てきてた」
「あれだろ! 若そうだし、力試しにでも出てきたんだ! きっと自分がやられるなんて思ってもなかったぜ!」
ノアとネージュ曰く、これでも火竜の中では小さめらしい。だからまだ若くて岩壁の向こうでは下っ端で、自分の力を奮って憂さ晴らしでもするために出てきたんだろうとのことだった。
「確かにこいつ力は強かったし口から出す火は危なかったけど。でも技術がなかった。」
「あぁ。ちょっと攻撃貰ったくらいで大騒ぎしてさ! 倒しやすかったぜ!」
まぁ、なんか運が良かったらしい。
「そうなの。まあいいや、帝都に行くよ」
「「おーーー!!!」」
そしてまたぴゅんっと帝都に飛び王宮へ到着。
案内されたのはあの豪華な客室ではなく、私に合わせ女性らしく上品に整えられた部屋だった。
「ウィルフレッドの婚約者になるのだから、これから王宮へ来た時はこの部屋を自由に使ってくれ」
どうやらこの部屋は息子の婚約者になる私へ用意してくれた部屋らしい。
「皇帝陛下、素敵なお部屋をいただきありがとうございます」
「なかなかの寝床だったぞ!」
「あぁ。いい具合だった!」
「ノア、ネージュ、しっ!」
ノアとネージュが私と一緒の部屋にいるのも考え、2匹の寝床までキチンと用意してあった。
婚約が決まってまだ3週間。よくこれだけ私に合わせた部屋を用意できたものだ。
部屋には美しくも立派な執務机もある。これからパーティーまでの1週間はここでお勉強ね。
幼い頃から散々妃教育は受けてきたし、教育の一環として隣国であるこの国についても学んできているけれど、流石に細かい貴族事情まではわからない。
この1週間でできる限り詰め込まなくては。
私はさっそく執務机に座り、用意された資料を手に取った。
「ふぁ~、疲れた」
肩の凝りをほぐすように両腕を上げて思い切り伸びをする。
ここで資料を読み込むこと4日。お父様の仕事の関係で聞いたことのある方がたくさんでてきたたおかげか、なんとか覚えきれた。
あとは当日に覚えた内容と実際に会った人物をつなぎ合わせるだけだ。
「……狩りがしたい」
「身体が鈍っておかしくなりそうだ」
ノアとネージュは私と部屋に籠もりっぱなしだからか、狩りがしたいと不貞腐れている。
「4日前にあれだけ狩りをして来たでしょう」
あれ? 狩りといえば……。
「そうだ。皇帝陛下のところへ行かなくちゃ」
近くにいるメイドさんに皇帝陛下に会いたいと声をかけると、自室で執務をしているらしく案内をしてくれる。
こんなにすぐに会えるの? 皇帝陛下だよ? と思ったが、人と会っている時や急務の時でなければ案内して良いといわれているらしい。
「失礼致します。オレリア・アールグレーン様をご案内して参りました」
部屋の中には執務を手伝っている様子のウィルフレッド様もいる。
そして皇帝陛下は重厚感のある美しい執務机に座り、紙にこれまた美しい羽ペンを走らせていた。
「おぉ、アールグレーン嬢。どうしたのだ?」
「特に急用というわけではないのですが、皇帝陛下にお渡ししたいものがあったのです」
「渡すもの?」
それを聞いたノアとネージュは思い当たる物があったのか、アワアワと慌て始める。
「リア、待て! それはアレなのか?」
「アレって、まさかアレか!? リア、待ってくれ!!」
皇帝陛下に渡す土産にすると言っていたのはノアとネージュなのに。
また狩りをするために適当言っていたのだろう。
「ノアとネージュが皇帝陛下へのお土産にするって言っていたんだからね」
「そ、そうだが……。でもあれは肉が美味いのだ!! 肉はダメだ!!」
「そうだ! 肉は俺たちが食べるんだ!」
いやいや。皇帝陛下に献上するのに肉だけ抜くわけにもいかないでしょう……。
「なんだ? 肉?? 魔物か?」
「ええ。 とびっきりの!」
それを聞いた皇帝陛下は「ほぅ……」と面白そうに笑う。
「それでは演習場へ行こうか」
サッと立ち上がり部屋を出る皇帝陛下に、皇太子殿下、宰相様、私、ノア、ネージュと続く。
「オレリアがとびっきりと言うなんて、楽しみでワクワクするよ」
「きっとウィルフレッド様もビックリすると思いますよ!」
それを聞いたウィルフレッド様は「楽しみだ」と優しく笑う。
「リア、待ってくれー!」
「考え直してくれー!!」
2匹はまだ諦めきれず騒いでいるけれどね。
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