麗しき女性監督「如月麗奈」

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第一章 監督一年目

第七話 「セカンドは決まりました」

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 六月一日。


 「練習試合ですか?」

 「ああ。相手から申し込みがあった。台府東だいふひがし高校さんから。十六日、午前十時から。場所はうちのグラウンド。麗奈の初陣。批判的な声はあって当然。気にせず、監督の役割を果たしてくれればいい」


 仙谷高校は六月十六日に麗奈の初陣となる練習試合を実施することになった。麗奈は「まだ早いのでは」と恵一に伝えた。

 しかし、恵一は。


 「確かにまだ早いかもしれない。だが、八月下旬に地区大会が始まる。今から準備しておかないと間に合わない。そのための準備にはもってこいだと思うんだ」


 そう話し、腕を組んだ。

 麗奈は恵一の言葉に納得するように小さく頷く。


 二人はしばらく言葉を交わし、練習を見守る。

 麗奈は部員の動きを見つめながら、練習試合のことについて考える。

 誰を起用しようか、どのポジションに配置しようか、打順はどうするか…。あれこれ考えていると、ボールが麗奈の足元へ転がる。

 麗奈はボールを拾うと、駆け寄る昌義へ送球。ボールがグラブに収まると同時に、昌義は帽子を取り、頭を下げる。そして、マウンド方向へボールを転がすと、守備に就いた。


 「いくぞ!」


 学生コーチの二年生部員が昌義へ打球を飛ばす。難しいバウンドになったが、昌義は軽快な動きでさばき、ファーストへ送球。


 「いいぞ!もういっちょ!」

 「お願いします!」


 再び、昌義は難しいバウンドを軽快な動きでさばき、ファーストへ送球。ファーストミットへボールが収まると、麗奈は小さく頷く。


 「とりあえず、セカンドは決まりました。ここから他のポジションも固めていきます」


 笑顔でそう話し、引き続き練習を見守る麗奈。視線の先にはショーツの守備に就く宏之。

 学生コーチがショートへ打球を飛ばす。セカンドベース寄りの打球を正面でさばき、ファーストへ送球。ボールがファーストミットを叩いたと同時に、麗奈は学生コーチの元へ。


 「ありがとう。代わるよ」


 学生コーチの二年生、石原敏明いしはらとしあきからバットを受け取り、ボールを一つ掴んだ麗奈。

 
 「センターいくよ!」


 麗奈の大きな声にセンターを守る大河が大きな声で「お願いします!」と応える。麗奈は小さく頷くと、センターへ大きなフライを飛ばす。

 敏明は麗奈が飛ばす打球に思わず驚く。


 「あ!ごめん!」


 麗奈が打ち上げたボールは右中間のフェンスを越え、スコアボードを直撃した。
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