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第二章 勝負の三年間 一年生編
第三十四話 「いけ!綾乃ちゃん!」
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後半三十一分。
北東学園高校はゴールキックから猛攻を仕掛ける。山取東高校はゾーンを敷き、攻撃を凌ぐ。
シュートを放つ北東学園高校の選手。しかし、山取東高校は体を張ってクリア。流れたボールを拾い、攻撃を組み立てる北東学園高校。細かくパスを繋ぎ、ゴールへ迫る。そして、シュートを放つ。
ボールはゴールポストを直撃し、転がる。
舞子がボールに追いつき、北東学園高校陣地へ大きくクリア。ボールはタッチラインを割り、北東学園高校のスローイン。素早くボールを入れ、攻撃を組み立てる。
細かくパスで繋ぎ、山取東高校陣地内へ。すると、センターサークル付近からロングボールを前線へ送る。
その瞬間、山取東高校のフィールドプレーヤーが一斉にゴール前へ走る。
ボールの落下地点に両校の選手が集まる。その中にボールは吸い込まれる。
それからすぐに、ボールは宙を舞う。そして、ピッチの人工芝を叩く。
ボールに走る両校の選手。綾乃も追うが、追いつけない。
先にボールに触れたのは北東学園高校の選手。ボールを右足で収めると、ボールを受けに走る選手へパスを出す。ボールを受けた選手は素早く前線の選手へパスを出す。
次の瞬間、北東学園高校の応援スタンドのボルテージが上がる。
パスを受けた選手は次々と山取東高校の選手を抜き去る。
舞子をも抜き、目前に綾乃。
その瞬間、ボールを持った選手はショートパスを選択。綾乃は一瞬の出来事でボールの行方を目で追うことしかできなかった。
前線へ上がっていたCBの選手にボールが渡る。そして、ワンタッチで右足から強烈なシュートを放つ。
それから間もなくして、会場からどよめきが。
ボールはサイドへと転がり、綾乃が追いつく。
それからすぐ、ピッチに舞子の声がこだまする。
「いけ!綾乃ちゃん!」
綾乃の目には左こめかみの辺りを手で押さえる舞子の姿。
綾乃は舞子の姿を見つめ、小さく頷き、ドリブルで左サイドを駆け上がった。
今度は山取東高校の応援スタンドのボルテージが上がる。
次々とボールを奪おうと綾乃元へ走る北東学園高校の選手。しかし、綾乃は決してボールを奪わせない。
スタンドの観衆が次々と立ち上がる。歓声が沸き起こるが、綾乃の耳には届いていない。
前へ前へ。
チームのために、勝利のために。綾乃はひたすらドリブルで進む。
後半三十三分。
綾乃は左サイド深い位置からゴール前へクロスを上げる。しかし、北東学園高校のCBの選手にクリアされる。
流れるボールを瑞穂が拾う。そして、綾乃へパスが渡る。
綾乃は右足でボールを収める。
残り一分と追加時間。
すると、北東学園高校の二人の選手が一斉に走り出す。
綾乃からボールを奪うために。
二人は綾乃のすぐ目の前へ。
そして、一人の選手がボールへ右足を伸ばした。
その瞬間、綾乃は…。
北東学園高校はゴールキックから猛攻を仕掛ける。山取東高校はゾーンを敷き、攻撃を凌ぐ。
シュートを放つ北東学園高校の選手。しかし、山取東高校は体を張ってクリア。流れたボールを拾い、攻撃を組み立てる北東学園高校。細かくパスを繋ぎ、ゴールへ迫る。そして、シュートを放つ。
ボールはゴールポストを直撃し、転がる。
舞子がボールに追いつき、北東学園高校陣地へ大きくクリア。ボールはタッチラインを割り、北東学園高校のスローイン。素早くボールを入れ、攻撃を組み立てる。
細かくパスで繋ぎ、山取東高校陣地内へ。すると、センターサークル付近からロングボールを前線へ送る。
その瞬間、山取東高校のフィールドプレーヤーが一斉にゴール前へ走る。
ボールの落下地点に両校の選手が集まる。その中にボールは吸い込まれる。
それからすぐに、ボールは宙を舞う。そして、ピッチの人工芝を叩く。
ボールに走る両校の選手。綾乃も追うが、追いつけない。
先にボールに触れたのは北東学園高校の選手。ボールを右足で収めると、ボールを受けに走る選手へパスを出す。ボールを受けた選手は素早く前線の選手へパスを出す。
次の瞬間、北東学園高校の応援スタンドのボルテージが上がる。
パスを受けた選手は次々と山取東高校の選手を抜き去る。
舞子をも抜き、目前に綾乃。
その瞬間、ボールを持った選手はショートパスを選択。綾乃は一瞬の出来事でボールの行方を目で追うことしかできなかった。
前線へ上がっていたCBの選手にボールが渡る。そして、ワンタッチで右足から強烈なシュートを放つ。
それから間もなくして、会場からどよめきが。
ボールはサイドへと転がり、綾乃が追いつく。
それからすぐ、ピッチに舞子の声がこだまする。
「いけ!綾乃ちゃん!」
綾乃の目には左こめかみの辺りを手で押さえる舞子の姿。
綾乃は舞子の姿を見つめ、小さく頷き、ドリブルで左サイドを駆け上がった。
今度は山取東高校の応援スタンドのボルテージが上がる。
次々とボールを奪おうと綾乃元へ走る北東学園高校の選手。しかし、綾乃は決してボールを奪わせない。
スタンドの観衆が次々と立ち上がる。歓声が沸き起こるが、綾乃の耳には届いていない。
前へ前へ。
チームのために、勝利のために。綾乃はひたすらドリブルで進む。
後半三十三分。
綾乃は左サイド深い位置からゴール前へクロスを上げる。しかし、北東学園高校のCBの選手にクリアされる。
流れるボールを瑞穂が拾う。そして、綾乃へパスが渡る。
綾乃は右足でボールを収める。
残り一分と追加時間。
すると、北東学園高校の二人の選手が一斉に走り出す。
綾乃からボールを奪うために。
二人は綾乃のすぐ目の前へ。
そして、一人の選手がボールへ右足を伸ばした。
その瞬間、綾乃は…。
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