42 / 52
第2章
41話
しおりを挟む
話はとんとん拍子に進んだ。
アームストロング侯爵家はギリギリまで追い込まれていた。
それでも、ロイと言う若君が産まれていなければ、決断出来なかっただろう。
家臣領民の心を掴んだ若君がいて、初めて重大な決断が出来たのだ。
ロイは大公国に人質に入る心算だった。
だが大公国の同盟条件は違っていた。
大公国には第二公子が連絡要員として入る事になった。
ロイはアームストロング軍を率いて参陣することになった。
全てはアローンの献策を受けたレーナ姫の決断だった。
「それで、私はどうすればいいのかな?」
「ロイ殿には、このまま私達の陣に留まってもらいます」
「アームストロング軍の指揮は誰が取るのかな?」
「伝令を使って指揮して頂きます。
元々本陣から伝令を使って前線の指揮を執るのです。
そう違いはないでしょう」
「私の身分はどうなるのかな?
人質と言うのでは外聞が悪いのだが」
「そんな些細な事を気にするロイ殿ではないでしょう。
ですがどうしても気になると言うのなら、私の婚約者と言う事にしましょう」
ロイは重臣団と話し合い、大公家との同盟を結んだ。
だが大公家もレーナ姫も簡単に同盟を結ぶ気がなかった。
特にレーナ姫は、無理に同盟を組まなくても勝てる気でいた。
だから厳しい条件を付けた。
それがロイの陣中人質と、第二公子の大公領人質だった。
最初アームストロング家の家臣は激怒した。
このような恥をかくくらいなら、帝国に残った方がマシだと諫言した。
代わる代わるロイに諫言した。
だがロイは、諫言してくれる家臣に丁寧に説明した。
アームストロング家の現状と将来を説いた。
アームストロング家の家臣、特に重臣は現状をよく理解していた。
家を護るためなら、命を賭けて帝国に立ち向かう覚悟もあった。
だからレーナ姫に、アームストロング家の面目を立ててくれるように、直談判しようとした。
だがそれは不可能だった。
暁の騎士団や暁の徒士団が、そんな事を許すはずがなかった。
だからロイがやんわりと願い出た。
大公軍の陣中にいる体裁を整えてくれと。
早い話が、レーナ姫の婚約者にしてくれと。
婚約者となれば、姫を護るためと言う表向きの理由で、人質になっている恥を隠すことが出来る。
だからレーナ姫は簡単に認めたのだ。
自分の結婚と言う重大事だと言うのに、昼食を共に食べるように簡単に。
だがそれだけではなかった。
両家の重臣が驚愕するような内容を、レーナ姫は口にした。
アームストロング侯爵家はギリギリまで追い込まれていた。
それでも、ロイと言う若君が産まれていなければ、決断出来なかっただろう。
家臣領民の心を掴んだ若君がいて、初めて重大な決断が出来たのだ。
ロイは大公国に人質に入る心算だった。
だが大公国の同盟条件は違っていた。
大公国には第二公子が連絡要員として入る事になった。
ロイはアームストロング軍を率いて参陣することになった。
全てはアローンの献策を受けたレーナ姫の決断だった。
「それで、私はどうすればいいのかな?」
「ロイ殿には、このまま私達の陣に留まってもらいます」
「アームストロング軍の指揮は誰が取るのかな?」
「伝令を使って指揮して頂きます。
元々本陣から伝令を使って前線の指揮を執るのです。
そう違いはないでしょう」
「私の身分はどうなるのかな?
人質と言うのでは外聞が悪いのだが」
「そんな些細な事を気にするロイ殿ではないでしょう。
ですがどうしても気になると言うのなら、私の婚約者と言う事にしましょう」
ロイは重臣団と話し合い、大公家との同盟を結んだ。
だが大公家もレーナ姫も簡単に同盟を結ぶ気がなかった。
特にレーナ姫は、無理に同盟を組まなくても勝てる気でいた。
だから厳しい条件を付けた。
それがロイの陣中人質と、第二公子の大公領人質だった。
最初アームストロング家の家臣は激怒した。
このような恥をかくくらいなら、帝国に残った方がマシだと諫言した。
代わる代わるロイに諫言した。
だがロイは、諫言してくれる家臣に丁寧に説明した。
アームストロング家の現状と将来を説いた。
アームストロング家の家臣、特に重臣は現状をよく理解していた。
家を護るためなら、命を賭けて帝国に立ち向かう覚悟もあった。
だからレーナ姫に、アームストロング家の面目を立ててくれるように、直談判しようとした。
だがそれは不可能だった。
暁の騎士団や暁の徒士団が、そんな事を許すはずがなかった。
だからロイがやんわりと願い出た。
大公軍の陣中にいる体裁を整えてくれと。
早い話が、レーナ姫の婚約者にしてくれと。
婚約者となれば、姫を護るためと言う表向きの理由で、人質になっている恥を隠すことが出来る。
だからレーナ姫は簡単に認めたのだ。
自分の結婚と言う重大事だと言うのに、昼食を共に食べるように簡単に。
だがそれだけではなかった。
両家の重臣が驚愕するような内容を、レーナ姫は口にした。
1
お気に入りに追加
1,441
あなたにおすすめの小説
王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した
葉柚
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生してしまった乙女ゲームのヒロイン、アリーチェ。
メインヒーローの王太子を攻略しようとするんだけど………。
なんかこの王太子おかしい。
婚約者である悪役令嬢ののろけ話しかしないんだけど。
婚約破棄の上に家を追放された直後に聖女としての力に目覚めました。
三葉 空
恋愛
ユリナはバラノン伯爵家の長女であり、公爵子息のブリックス・オメルダと婚約していた。しかし、ブリックスは身勝手な理由で彼女に婚約破棄を言い渡す。さらに、元から妹ばかり可愛がっていた両親にも愛想を尽かされ、家から追放されてしまう。ユリナは全てを失いショックを受けるが、直後に聖女としての力に目覚める。そして、神殿の神職たちだけでなく、王家からも丁重に扱われる。さらに、お祈りをするだけでたんまりと給料をもらえるチート職業、それが聖女。さらに、イケメン王子のレオルドに見初められて求愛を受ける。どん底から一転、一気に幸せを掴み取った。その事実を知った元婚約者と元家族は……
冷遇されている令嬢に転生したけど図太く生きていたら聖女に成り上がりました
富士山のぼり
恋愛
何処にでもいる普通のOLである私は事故にあって異世界に転生した。
転生先は入り婿の駄目な父親と後妻である母とその娘にいびられている令嬢だった。
でも現代日本育ちの図太い神経で平然と生きていたらいつの間にか聖女と呼ばれるようになっていた。
別にそんな事望んでなかったんだけど……。
「そんな口の利き方を私にしていいと思っている訳? 後悔するわよ。」
「下らない事はいい加減にしなさい。後悔する事になるのはあなたよ。」
強気で物事にあまり動じない系女子の異世界転生話。
※小説家になろうの方にも掲載しています。あちらが修正版です。
【完結】ドケチ少女が断罪後の悪役令嬢に転生したら、嫌われ令息に溺愛されました。
やまぐちこはる
恋愛
仁科李依紗は所謂守銭奴、金を殖やすのが何よりの楽しみ。
しかし大学一年の夏、工事現場で上から落ちてきた鉄板に当たり落命してしまう。
その事故は本当は男子学生の命を奪うものだったが、李依紗が躓いた弾みで学生を突き飛ばし、身代わりになってしまったのだ。
まだまだ寿命があったはずの李依紗は、その学生に自分の寿命を与えることになり、学生の代わりに異世界へ転生させられることになった。
異世界神は神世に現れた李依紗を見て手違いに驚くが今回は李依紗で手を打つしかない、いまさらどうにもならぬと、貴族令嬢の体を与えて転生させる。
それは李依紗の世界のとある小説を異世界神が面白がって現実化したもの。
李依紗も姉のお下がりで読んだことがある「帝国の気高き薔薇」という恋愛小説。
それは美しい子爵令嬢と王太子のラブストーリー。そして李依紗は、令嬢を虐めたと言われ、嫌われることになるありがちな悪役令嬢リイサ・サレンドラ公爵令嬢の体に入れ替わってしまったのだ。
===============================
最終話まで書き終え、予約投稿済です。年末年始は一日3〜4話、それ以外は毎日朝8時に更新です。
よろしくお願い致します。
乙女ゲームの断罪シーンの夢を見たのでとりあえず王子を平手打ちしたら夢じゃなかった
月
恋愛
気が付くとそこは知らないパーティー会場だった。
そこへ入場してきたのは"ビッターバター"王国の王子と、エスコートされた男爵令嬢。
ビッターバターという変な国名を聞いてここがゲームと同じ世界の夢だと気付く。
夢ならいいんじゃない?と王子の顔を平手打ちしようと思った令嬢のお話。
四話構成です。
※ラテ令嬢の独り言がかなり多いです!
お気に入り登録していただけると嬉しいです。
暇つぶしにでもなれば……!
思いつきと勢いで書いたものなので名前が適当&名無しなのでご了承下さい。
一度でもふっと笑ってもらえたら嬉しいです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
【完結】メンヘラ悪役令嬢ルートを回避しようとしたら、なぜか王子が溺愛してくるんですけど ~ちょっ、王子は聖女と仲良くやってな!~
夏目みや
恋愛
「レイテシア・ローレンス!! この婚約を破棄させてもらう!」
王子レインハルトから、突然婚約破棄を言い渡された私。
「精神的苦痛を与え、俺のことを呪う気なのか!?」
そう、私は彼を病的なほど愛していた。数々のメンヘラ行動だって愛の証!!
泣いてレインハルトにすがるけれど、彼の隣には腹黒聖女・エミーリアが微笑んでいた。
その後は身に覚えのない罪をなすりつけられ、見事断罪コース。塔に幽閉され、むなしくこの世を去った。
そして目が覚めると断罪前に戻っていた。そこで私は決意する。
「今度の人生は王子と聖女に関わらない!!」
まずは生き方と環境を変えるの、メンヘラは封印よ!!
王子と出会うはずの帝国アカデミーは避け、ひっそり魔法学園に通うことにする。
そこで新たな運命を切り開くの!!
しかし、入学した先で待ち受けていたのは――。
「俺たち、こんなところで会うなんて、運命感じないか?」
――な ん で い る ん だ。
運命を変えようともがく私の前に、なぜか今世は王子の方からグイグイくるんですけど!!
ちょっ、来るなって。王子は聖女と仲良くやってな!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる