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第三章

101話

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 レヴィは犯罪者組合との関係を断ちました。
 付き合いのある組合長に警告することもしませんでした。
 私の事を敬ってくれたのか、それとも恐怖しているのか?
 まあ、そんな事はどうでもいいです。
 私は私の望みをかなえるだけです。

 犯罪者組合の一部が私を襲ってきました。
 いえ、私を襲おうと近づいてきましたが、精霊達の警戒網に入ったとたん、麻痺魔法を喰らって身動きできなくなったところを、私の戦闘侍女に捕縛されました。
 父上や母上がつけてくれた護衛は、何もできずに唖然としているだけでした。

 もちろんそれだけで許したりしません。
 私、シーモア公爵家令嬢グレイスを襲ったことを理由に、犯罪者組合の本部も支部も秘密拠点も一斉襲撃しました。

 各地の襲撃はわずかに時間差をつけて敢行しました。
 中級精霊達の力を存分に発揮するためです。
 中級精霊達の複合精霊術による『麻痺』と『眠り』は、かなり強力な護りを施していた犯罪者組合の本部支部を完全制圧する原動力となりました。

 全ては私の力なのですが、それを王家に知られるわけにはいきません。
 知られたら絶対に出来損ないの王太子を押し付けられてしまいます。
 あんな屑男を立てながら一生生活するなんて、真っ平ごめんです。
 だがら私の戦闘侍女が一騎当千の戦士であることにしました。
 私の戦闘侍女を指揮官にして、シーモア公爵家の騎士徒士を率いさせました。
 『麻痺』と『眠り』は戦闘侍女が使ったことにしたのです。

 犯罪者組合の本部支部秘密拠点にいた組合員は全員逮捕しました。
 外で行動していた構成員も次々と逮捕しました。
 その数は王都の住民が五万人なのに、一割の五千人にも及んでいました。
 何と恐ろしい人数でしょう!
 王家王国の政治が悪かったことがよくわかりました。
 もっともその中には生きるために仕方なく組合員になった者もいますが……

 そんな犯罪者組合員も、私を襲う前でしたら、全員王都に住む人間として、王都の警備部隊に引き渡さなければいけませんでした。
 ですが私を殺そうとしたので、私が捕縛すれば私のモノです。
 私が賠償金代わりに犯罪者奴隷として使役することが許されます。

 ですが王都の警備隊が捕縛した場合は、引き渡し要求をすることはできますが、保有権は王家王国になってしまいます。
 その場合は、犯罪者組合と関係のある貴族や役人が暗躍し、無罪釈放という事も多いのです。

 犯罪者奴隷とはいえ、五千人の領民を持つとなれば、男爵に匹敵する領民数です。
 どれほど領地が狭くても、それだけの領民を養える経済力が評価されるのです。
 父上と母上に相談して、領地を分与していただき、独立した女男爵を名乗るのもいいですね。
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