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第三章
78話
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「ガァアァアァァアア!」
シールドチャージを仕掛けた第二陣の戦闘侍女達が、逆に前足の一撃で薙ぎ払われてしまいました。
盾だけではなく、フルアーマープレーとまで砕かれ陥没しています。
反撃どころか防御すらできていません。
「ガァアァアァァアア!」
「ギャンア!」
土槍が突き刺さった腹部に喰らいつこうとしたムクまで、魔虎の前足の一撃で薙ぎ払われてしまいました。
ムクが敵わないのなら、他の子達が戻って来てくれても勝ち目がありません。
このままでは皆殺しになります。
斃せなくてもいいから、逃げのびるまで抑えられないかしら?
「オーロラ。
落とし穴でも罠でもなんでもいいから、魔虎を抑えて!」
「え?
あ?
はい!」
「土錠!」
今度は土槍ではなく、拘束用の錠を創り出してくれました。
地面から圧縮された土で出来た鎖が伸びていき、魔虎の四肢に絡みつきます。
が、土を圧縮した鎖では魔虎を抑えきれないようです。
私のを狙って突っ込んできます。
第一陣の左右戦闘侍女達が命懸けでシールドチャージを仕掛け、魔虎の軌道を逸らしてくれます。
その御陰で僅かな時間を稼ぐ事ができました。
オーロラのノームがその時間を使って土錠を強化します。
地面から伸びるのではなく、四肢を繋ぎ拘束する土錠に変化しています。
地面から伸びた錠なら、身体全体で引き千切れますが、四肢を繋いだ錠なら、四肢一本一本の力で千切らないといけません。
これなら魔虎を拘束できるかもしれません。
「ガァアァアァァアア!」
だめ、です。
魔虎は四肢一本一本がとても強力です。
ノームが創り出す土錠など簡単に引き千切ってしまいます。
何度も繰り返したら、魔虎の瞬発力を抑え、体力を減らす事はできそうですが、その前にノームの精霊力が尽きてしまいますね。
眼の端に映るオーロラとノームがとても疲弊しています。
既に何度も精霊魔法を使っていますから、しかたありませんね。
ですがこのままでは、私はもちろんリリアンも戦闘侍女達も、喰い殺されてしまいます。
そして助けに来てくれる魔犬達も喰い殺されてしまいます。
「ガァアァアァァアア!」
生きて火の壁を突破できれば魔虎を撒く事ができるでしょう。
でもそんな事は不可能です。
リリアンでも、戦闘侍女達総掛かりでも、魔虎を抑える事はできません。
もしオーロラとノームに精霊力が残っていたとしても、トンネルを創り出して逃げたとしても、そこから追いかけられてしまいます。
魔犬達が総掛かりしても、勝つどころか、時間稼ぎさえ難しいのです。
私が生き残る方法が無い訳ではありません。
魔犬達が喰われたら私がどうなるのか分かりませが、コックスの魔犬が喰われても、私には何の危険もありません。
そして絆を結んだ従魔が喰われたら、人がどうなるか分かります。
今後私がどうすべきかの指針を得る事ができます。
悪逆非道な人間なら、これを好機とコックスの従魔を生贄にして逃げるでしょう。
ですが、私にはそんな事はできません!
シールドチャージを仕掛けた第二陣の戦闘侍女達が、逆に前足の一撃で薙ぎ払われてしまいました。
盾だけではなく、フルアーマープレーとまで砕かれ陥没しています。
反撃どころか防御すらできていません。
「ガァアァアァァアア!」
「ギャンア!」
土槍が突き刺さった腹部に喰らいつこうとしたムクまで、魔虎の前足の一撃で薙ぎ払われてしまいました。
ムクが敵わないのなら、他の子達が戻って来てくれても勝ち目がありません。
このままでは皆殺しになります。
斃せなくてもいいから、逃げのびるまで抑えられないかしら?
「オーロラ。
落とし穴でも罠でもなんでもいいから、魔虎を抑えて!」
「え?
あ?
はい!」
「土錠!」
今度は土槍ではなく、拘束用の錠を創り出してくれました。
地面から圧縮された土で出来た鎖が伸びていき、魔虎の四肢に絡みつきます。
が、土を圧縮した鎖では魔虎を抑えきれないようです。
私のを狙って突っ込んできます。
第一陣の左右戦闘侍女達が命懸けでシールドチャージを仕掛け、魔虎の軌道を逸らしてくれます。
その御陰で僅かな時間を稼ぐ事ができました。
オーロラのノームがその時間を使って土錠を強化します。
地面から伸びるのではなく、四肢を繋ぎ拘束する土錠に変化しています。
地面から伸びた錠なら、身体全体で引き千切れますが、四肢を繋いだ錠なら、四肢一本一本の力で千切らないといけません。
これなら魔虎を拘束できるかもしれません。
「ガァアァアァァアア!」
だめ、です。
魔虎は四肢一本一本がとても強力です。
ノームが創り出す土錠など簡単に引き千切ってしまいます。
何度も繰り返したら、魔虎の瞬発力を抑え、体力を減らす事はできそうですが、その前にノームの精霊力が尽きてしまいますね。
眼の端に映るオーロラとノームがとても疲弊しています。
既に何度も精霊魔法を使っていますから、しかたありませんね。
ですがこのままでは、私はもちろんリリアンも戦闘侍女達も、喰い殺されてしまいます。
そして助けに来てくれる魔犬達も喰い殺されてしまいます。
「ガァアァアァァアア!」
生きて火の壁を突破できれば魔虎を撒く事ができるでしょう。
でもそんな事は不可能です。
リリアンでも、戦闘侍女達総掛かりでも、魔虎を抑える事はできません。
もしオーロラとノームに精霊力が残っていたとしても、トンネルを創り出して逃げたとしても、そこから追いかけられてしまいます。
魔犬達が総掛かりしても、勝つどころか、時間稼ぎさえ難しいのです。
私が生き残る方法が無い訳ではありません。
魔犬達が喰われたら私がどうなるのか分かりませが、コックスの魔犬が喰われても、私には何の危険もありません。
そして絆を結んだ従魔が喰われたら、人がどうなるか分かります。
今後私がどうすべきかの指針を得る事ができます。
悪逆非道な人間なら、これを好機とコックスの従魔を生贄にして逃げるでしょう。
ですが、私にはそんな事はできません!
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