5 / 8
第一章
第5話:フェアリー族
しおりを挟む
私が戸惑っている間に、気配はどんどん近づいてきました。
私が攻撃も防御もしない事に、敵意がないと判断したのかもしれません。
彼らが考えていた通り、私には敵意などありません。
私の心にあるのは戸惑いだけでしたが、これは危険な事なのだと後で思いました。
追手が私を殺そうとしているかもしれないのです、
迎撃も護りも考えていない所を襲撃されては、どれほど大魔力を持っていても無意味ですから、もっと注意を払わないといけません。
「聖女様、どうか弱い私たちをお助け下さい。
このままでは、私たちは滅んでしまいます」
私の目の前に現れたのは、絶滅を噂されているフェアリーたちでした。
人間が愛玩用に狩り集め、暗く残虐な愉悦のために虐殺していったという噂のある、とても可愛い生き物です。
恐らく魔力を使っているのでしょうが、華奢な羽を使って飛ぶことに出来る、人そっくりの小さな生きた人形。
それが人間から見たフェアリーなのです。
この身体の元の持ち主は、フェアリーを虐める趣味はありませんでしたが、王侯貴族の多くは、愛玩動物を虐待して憂さ晴らしをすることが多いのです。
下位の貴族ほど、高位貴族に嬲られ苦しめられています。
その恨みを高位貴族に向けることができないので、愛玩動物を虐待するそうです。
元のラミア嬢がフェアリーを虐待していなかったのは、多くの人間を虐待して満足していたからかもしれません。
「分かりました、何ができるか分かりませんが、手助けしてあげましょう」
私はこれでも結構動物が好きなので、可愛いフェアリーに助けを求められているのに、無視したり逃げたりはできません。
何ができるか分かりませんが、やれることはしてあげたいと思ってしまいます。
私の所に来たフェアリーに案内されて、フェアリーの里に行きました。
そこはラミア嬢の記憶にある森ではなく、明らかに特殊な力が充満していました。
「ここは神様が私たちにくださった最後の楽園なのです。
人間や獣に殺された、フェアリーの魂が再生できる場所なのです。
ここが闇の者に奪われたら、フェアリーは本当に滅んでしまいます。
どうか聖女様のお力で闇の者を滅ぼしてください」
私がフェアリーの願いをかなえるなら、闇の者と戦わなければいけません。
私は戦いの専門家ではありませんから、どんな相手かも分からない闇の者と戦うのは、正直とても恐ろしいし、勝てると断言する事もできない。
「私は自分の力が分からないので、上手く使う事もできないの。
これでは貴方たちの言う闇の者に勝つ事などできません。
戦い方を教えてくれるか、闇の者を斃す前に、闇の者を防いだり封じたりして時間を稼ぎ、その間に戦う方法を学びたい。
フェアリーたちは手伝ってくれるの?」
私が攻撃も防御もしない事に、敵意がないと判断したのかもしれません。
彼らが考えていた通り、私には敵意などありません。
私の心にあるのは戸惑いだけでしたが、これは危険な事なのだと後で思いました。
追手が私を殺そうとしているかもしれないのです、
迎撃も護りも考えていない所を襲撃されては、どれほど大魔力を持っていても無意味ですから、もっと注意を払わないといけません。
「聖女様、どうか弱い私たちをお助け下さい。
このままでは、私たちは滅んでしまいます」
私の目の前に現れたのは、絶滅を噂されているフェアリーたちでした。
人間が愛玩用に狩り集め、暗く残虐な愉悦のために虐殺していったという噂のある、とても可愛い生き物です。
恐らく魔力を使っているのでしょうが、華奢な羽を使って飛ぶことに出来る、人そっくりの小さな生きた人形。
それが人間から見たフェアリーなのです。
この身体の元の持ち主は、フェアリーを虐める趣味はありませんでしたが、王侯貴族の多くは、愛玩動物を虐待して憂さ晴らしをすることが多いのです。
下位の貴族ほど、高位貴族に嬲られ苦しめられています。
その恨みを高位貴族に向けることができないので、愛玩動物を虐待するそうです。
元のラミア嬢がフェアリーを虐待していなかったのは、多くの人間を虐待して満足していたからかもしれません。
「分かりました、何ができるか分かりませんが、手助けしてあげましょう」
私はこれでも結構動物が好きなので、可愛いフェアリーに助けを求められているのに、無視したり逃げたりはできません。
何ができるか分かりませんが、やれることはしてあげたいと思ってしまいます。
私の所に来たフェアリーに案内されて、フェアリーの里に行きました。
そこはラミア嬢の記憶にある森ではなく、明らかに特殊な力が充満していました。
「ここは神様が私たちにくださった最後の楽園なのです。
人間や獣に殺された、フェアリーの魂が再生できる場所なのです。
ここが闇の者に奪われたら、フェアリーは本当に滅んでしまいます。
どうか聖女様のお力で闇の者を滅ぼしてください」
私がフェアリーの願いをかなえるなら、闇の者と戦わなければいけません。
私は戦いの専門家ではありませんから、どんな相手かも分からない闇の者と戦うのは、正直とても恐ろしいし、勝てると断言する事もできない。
「私は自分の力が分からないので、上手く使う事もできないの。
これでは貴方たちの言う闇の者に勝つ事などできません。
戦い方を教えてくれるか、闇の者を斃す前に、闇の者を防いだり封じたりして時間を稼ぎ、その間に戦う方法を学びたい。
フェアリーたちは手伝ってくれるの?」
0
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
三月叶姫
恋愛
私はこの世界から嫌われている。
みんな、私が死ぬ事を望んでいる――。
とある悪役令嬢は、婚約者の王太子から婚約破棄を宣言された後、聖女暗殺未遂の罪で処刑された。だが、彼女は一年前に時を遡り、目を覚ました。
同じ時を繰り返し始めた彼女の結末はいつも同じ。
それでも、彼女は最期の瞬間は必ず笑顔を貫き通した。
十回目となった処刑台の上で、ついに貼り付けていた笑顔の仮面が剥がれ落ちる。
涙を流し、助けを求める彼女に向けて、誰かが彼女の名前を呼んだ。
今、私の名前を呼んだのは、誰だったの?
※こちらの作品は他サイトにも掲載しております
婚約破棄の特等席はこちらですか?
A
恋愛
公爵令嬢、コーネリア・ディ・ギリアリアは自分が前世で繰り返しプレイしていた乙女ゲーム『五色のペンタグラム』の世界に転生していることに気づく。
将来的には婚約破棄が待っているが、彼女は回避する気が無い。いや、むしろされたい。
何故ならそれは自分が一番好きなシーンであったから。
カップリング厨として推しメン同士をくっつけようと画策する彼女であったが、だんだんとその流れはおかしくなっていき………………
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
【完結】悪役令嬢、ヒロインはいじめない
荷居人(にいと)
恋愛
「君とは婚約破棄だ!」
きっと睨み付けて私にそんなことを言い放ったのは、私の婚約者。婚約者の隣には私とは別のご令嬢を肩に抱き、大勢の前でざまぁみろとばかりに指をこちらに差して叫ぶ。
「人に指を差してはいけませんと習いませんでした?」
周囲がざわつく中で私はただ冷静に注意した。何故かって?元々この未来を私は知っていたから。だから趣旨を変えてみたけどゲームの強制力には抗えないみたい。
でもまあ、本番はここからよね。
悪役令嬢ですが、どうやらずっと好きだったみたいです
朝顔
恋愛
リナリアは前世の記憶を思い出して、頭を悩ませた。
この世界が自分の遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気がついたのだ。
そして、自分はどうやら主人公をいじめて、嫉妬に狂って殺そうとまでする悪役令嬢に転生してしまった。
せっかく生まれ変わった人生で断罪されるなんて絶対嫌。
どうにかして攻略対象である王子から逃げたいけど、なぜだか懐つかれてしまって……。
悪役令嬢の王道?の話を書いてみたくてチャレンジしました。
ざまぁはなく、溺愛甘々なお話です。
なろうにも同時投稿
悪役令嬢に転生して主人公のメイン攻略キャラである王太子殿下に婚約破棄されましたので、張り切って推しキャラ攻略いたしますわ
奏音 美都
恋愛
私、アンソワーヌは婚約者であったドリュー子爵の爵士であるフィオナンテ様がソフィア嬢に心奪われて婚約破棄され、傷心……
いいえ、これでようやく推しキャラのアルモンド様を攻略することができますわ!
転生して悪役令嬢になったので王太子殿下を守るために婚約破棄を告げたら、逆に溺愛されてしまいました
奏音 美都
恋愛
な、なんてことなの……私がプレイしてた乙ゲーの世界に入って、今、推しの王太子殿下の目の前にいる、だと……!?
けれど、私が転生したのは王太子殿下と結ばれる美貌の侯爵令嬢、アンソワーヌではなく、王太子殿下の婚約者でありとあらゆる虐めと陰謀を仕掛け、アンソワーヌと結ばれようとした王太子殿下を殺してしまうという悪役令嬢、オリビアだった。
砂糖吐きますか?~モブたちは悪役令嬢に謝り倒す~
荷居人(にいと)
恋愛
人に善悪があるのは当たり前で、悪を断罪して、最も後悔する瞬間とはどういったときだろう?
答えは簡単、悪がいなくなったことで不利益を被るはめになったとき。
失ってから始めて気づく悪役の存在。
「もう君をいじめるものはいない!存分に愛し合えるぞ!」
「きゃあっ嬉しいです!」
「あははははっ」
「うふふふふっ」
悪役令嬢を断罪後、どこでもいちゃつくヒロインと王子様に砂糖を吐きまくり、色々我慢ならないモブたちが、悪役に謝り倒して復帰させ、ヒロインと王子様のいちゃつきを邪魔するために動き出すモブたちの話。
「「「「リア充爆発しろ」」」」
「それは………なんなのかしら?」
「「「「神のお告げです」」」」
「そ、そう………」
果たして学園に心の平穏は訪れるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる