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第一章
第4話:古代遺跡・マリアンヌ視点
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「ここはマリアンヌお嬢様に住んでいただくのには相応しくありません」
古代遺跡に着いたのはいいですが、荒れ果てていて公爵令嬢らしい生活レベルを維持するのは難しいとヴァネッサは思ったようですね。
確かに衣食住の全てがとても不便でしょうね。
私とヴァネッサは馬車の中で寝ることができますが、ジェラールは馬車の御者台で毛布にくるまって寝るか、テントを張って寝るしかありません。
交代で馬車で寝なさいとジェラールに言っても絶対に寝てくれないでしょうね。
でも、ここに住むかどうかはアレの確認をしてからです。
「ジェラール、ヴァネッサ、まずはここが魔術や呪術を防ぐのか確認してください。
私を狙う呪術が防げるのなら、どのような豪華な屋敷よりもここが一番です。
はっきり言いましょう。
ここがカトリーヌとサロメの魔の手から逃れられる場所か確認してください」
「「はい、マリアンヌお嬢様」」
ジェラールとヴァネッサが色々と確認してくれています。
地上に剥き出しになっている廃墟となった神殿群の周囲と中の違い。
地上階と地下の違いまで事細かに魔術と呪術を使って確認してくれています。
ハーフエルフのジェラールとヴァネッサは人間とは桁違いの魔力を持つています。
普通なら二人に防げない魔術や呪術などないのですが敵はその上を行っています。
それに相手が家族のカトリーヌとサロメだと、呪術に使う私の髪の毛や爪などの身体の一部を以前から確保していた可能性があります。
「マリアンヌお嬢様、魔術と呪術、使い魔も使ってひと通り調べましたが、古代遺跡の内部では魔術も呪術も普通に使うことができます。
しかしながら外部からの魔術や呪術はかなり防いでくれます。
ですが完璧ではありません。
私とヴァネッサが連携して最大魔力で魔術と呪術を使えば、古代遺跡の地上部分にはわずかに影響を与えることができます」
「地上部分にはと言いましたね。
だったら地下部分なら完全に防げるのね」
「はい、確かに私とヴァネッサが連携して最大魔力で使っても地下では影響を与えられませんでした、しかし地下には多くの魔物が住み着いておりとても危険です」
「でも、そんな魔物は二人が退治してくれるのでしょう。
二人もそんな魔物よりカトリーヌとサロメの方が危険だと分かっているのでしょ。
それに、私が魔術や呪術の練習をするのには、魔物がいた方が都合がいいわ」
「「お嬢様」」
「ジェラール、ヴァネッサ、これは私が生き残れるか殺されるかのどちらかなのよ。
公爵令嬢の地位や体面にこだわってはいられないわ。
何としても勝って生き延びるのよ」
「「はい」」
古代遺跡に着いたのはいいですが、荒れ果てていて公爵令嬢らしい生活レベルを維持するのは難しいとヴァネッサは思ったようですね。
確かに衣食住の全てがとても不便でしょうね。
私とヴァネッサは馬車の中で寝ることができますが、ジェラールは馬車の御者台で毛布にくるまって寝るか、テントを張って寝るしかありません。
交代で馬車で寝なさいとジェラールに言っても絶対に寝てくれないでしょうね。
でも、ここに住むかどうかはアレの確認をしてからです。
「ジェラール、ヴァネッサ、まずはここが魔術や呪術を防ぐのか確認してください。
私を狙う呪術が防げるのなら、どのような豪華な屋敷よりもここが一番です。
はっきり言いましょう。
ここがカトリーヌとサロメの魔の手から逃れられる場所か確認してください」
「「はい、マリアンヌお嬢様」」
ジェラールとヴァネッサが色々と確認してくれています。
地上に剥き出しになっている廃墟となった神殿群の周囲と中の違い。
地上階と地下の違いまで事細かに魔術と呪術を使って確認してくれています。
ハーフエルフのジェラールとヴァネッサは人間とは桁違いの魔力を持つています。
普通なら二人に防げない魔術や呪術などないのですが敵はその上を行っています。
それに相手が家族のカトリーヌとサロメだと、呪術に使う私の髪の毛や爪などの身体の一部を以前から確保していた可能性があります。
「マリアンヌお嬢様、魔術と呪術、使い魔も使ってひと通り調べましたが、古代遺跡の内部では魔術も呪術も普通に使うことができます。
しかしながら外部からの魔術や呪術はかなり防いでくれます。
ですが完璧ではありません。
私とヴァネッサが連携して最大魔力で魔術と呪術を使えば、古代遺跡の地上部分にはわずかに影響を与えることができます」
「地上部分にはと言いましたね。
だったら地下部分なら完全に防げるのね」
「はい、確かに私とヴァネッサが連携して最大魔力で使っても地下では影響を与えられませんでした、しかし地下には多くの魔物が住み着いておりとても危険です」
「でも、そんな魔物は二人が退治してくれるのでしょう。
二人もそんな魔物よりカトリーヌとサロメの方が危険だと分かっているのでしょ。
それに、私が魔術や呪術の練習をするのには、魔物がいた方が都合がいいわ」
「「お嬢様」」
「ジェラール、ヴァネッサ、これは私が生き残れるか殺されるかのどちらかなのよ。
公爵令嬢の地位や体面にこだわってはいられないわ。
何としても勝って生き延びるのよ」
「「はい」」
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