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出会いと復讐
8話
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「パオラ嬢。
アンドレアの暗殺は成功したそうです。
本当は苦しめてやる心算でしたが、残念ながら確実を期すために楽に殺してしまいました。
許して下さい」
「え、あ、その、いえ、お気になさらないでください。
復讐して下さっただけで十分でございます。
でも相手は一国の王太子です。
よく殺せましたね」
いきなりの言葉にとても驚いてしまいました。
こんなに簡単にアンドレアを殺せるなんて思いもしませんでした。
代わりに復讐をしてくださったのです。
謝って頂くようなことではありません。
でもどうやって殺して下さったのでしょうか?
「オートヴィル王国には常に複数の斥候が入っています。
その中でアンドレアの側にいる者に動いてもらいました。
確実を期すために、複数の仲間をアンドレア離宮に引き入れ、魔法と剣と毒を組み合わせて一斉攻撃したそうです。
アンドレアは護りの魔道具を身につけていたそうですが、私が貸し与えた魔道具の武器で突破し、魔法で頭を吹き飛ばし、剣で心臓を貫き、剣に塗った毒で身体を犯したという報告を受けています。
蘇生も不可能なくらい徹底的に身体も破壊したと報告を受けています。
他に何か聞きたいことはありませんか?」
オートヴィル王国の力を考慮して、念入りに殺してくれたのですね。
ありがたいことです。
今の話から、エド様個人の斥候がやってくれたとは思えません。
どれほど大身の貴族家でも、一国の王太子に常時斥候を張り付けているとは思えません。
そのような事は王家王国の領分です。
エド様はそれを動かして下さったのです。
「エド様。
本当の事を教えてくださいますか?
エド様の本当の身分を教えてください。
実家から縁を切られ、故国を追放された私には何の御礼もできませんが、心からの感謝を捧げたいのです。
エド様の本当の名を心に刻み口にして感謝を祈りたいのです」
「話すのはかいませんが、その前に約束して頂きたいのです。
私が何者であろうと、妻になってもらいたいのです。
それでよければ、私の本当の身分を話しましょう」
「あの、でも、先ほども申し上げましたが、私は家と縁を切られています。
オートヴィル王国も追放されています。
もう平民なのです。
エド様の身分に釣り合いません。
御返し出来ないくらいの御恩を受けました。
何も持たない私が、御恩を御返しするのに愛妾になる事は当然です。
無理に妻に迎えようとなされなくても問題ありません」
私の言葉にエド様が顔をしかめておられます。
マッシモも首を振っています。
エド様の側近も私のような者を妻に迎える気です。
いったい何が起きているのでしょうか?
アンドレアの暗殺は成功したそうです。
本当は苦しめてやる心算でしたが、残念ながら確実を期すために楽に殺してしまいました。
許して下さい」
「え、あ、その、いえ、お気になさらないでください。
復讐して下さっただけで十分でございます。
でも相手は一国の王太子です。
よく殺せましたね」
いきなりの言葉にとても驚いてしまいました。
こんなに簡単にアンドレアを殺せるなんて思いもしませんでした。
代わりに復讐をしてくださったのです。
謝って頂くようなことではありません。
でもどうやって殺して下さったのでしょうか?
「オートヴィル王国には常に複数の斥候が入っています。
その中でアンドレアの側にいる者に動いてもらいました。
確実を期すために、複数の仲間をアンドレア離宮に引き入れ、魔法と剣と毒を組み合わせて一斉攻撃したそうです。
アンドレアは護りの魔道具を身につけていたそうですが、私が貸し与えた魔道具の武器で突破し、魔法で頭を吹き飛ばし、剣で心臓を貫き、剣に塗った毒で身体を犯したという報告を受けています。
蘇生も不可能なくらい徹底的に身体も破壊したと報告を受けています。
他に何か聞きたいことはありませんか?」
オートヴィル王国の力を考慮して、念入りに殺してくれたのですね。
ありがたいことです。
今の話から、エド様個人の斥候がやってくれたとは思えません。
どれほど大身の貴族家でも、一国の王太子に常時斥候を張り付けているとは思えません。
そのような事は王家王国の領分です。
エド様はそれを動かして下さったのです。
「エド様。
本当の事を教えてくださいますか?
エド様の本当の身分を教えてください。
実家から縁を切られ、故国を追放された私には何の御礼もできませんが、心からの感謝を捧げたいのです。
エド様の本当の名を心に刻み口にして感謝を祈りたいのです」
「話すのはかいませんが、その前に約束して頂きたいのです。
私が何者であろうと、妻になってもらいたいのです。
それでよければ、私の本当の身分を話しましょう」
「あの、でも、先ほども申し上げましたが、私は家と縁を切られています。
オートヴィル王国も追放されています。
もう平民なのです。
エド様の身分に釣り合いません。
御返し出来ないくらいの御恩を受けました。
何も持たない私が、御恩を御返しするのに愛妾になる事は当然です。
無理に妻に迎えようとなされなくても問題ありません」
私の言葉にエド様が顔をしかめておられます。
マッシモも首を振っています。
エド様の側近も私のような者を妻に迎える気です。
いったい何が起きているのでしょうか?
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