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第一章

第46話:幸せの形・ロイドことローレンス視点

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「まず最初にもう一度確認させていただきますが、二人の幸せを最優先する。
 それで間違いありませんね」

 しつこいとは分かっていたが、サイモン国王とキャサリン王妃に再確認した。

「間違いありません、フローラとエレノアの幸せを最優先してください」

 サイモン国王の気持ちは変わっていない。

「私もフローラとエレノアの幸せを最優先にしたいです」

 キャサリン従叔母の気持ちも変わっていないな。
 今度は一つ一つの条件を再確認していこう。

「フローラとエレノアが跡継ぎを産まなくてもいいのですね。
 一生独身を通しても構わないのですね」

「「構いません」」

「フローラとエレノアがどこの馬の骨かもわからない平民を連れて来て、結婚したいと言っても構わないのですね」

「「構いません」」

「結婚する事無く、私生児を産んでも構わないのですね」

「「構いません」」

「分かりました、でしたら私が二人の気持ちを見定めて、二人が一番幸せになれるようにしましょう。
 周りが二人に自分達の価値観をおしつけて、また二人が傷ついたり誤解して仲違いする事のないように、気を配るようにしますから、安心してください」

「「ありがとうございます」」」

 これでひと安心だな。
 問題があるとしたらフレイザー王国の後継問題だが、王になりたい奴なんて掃いて捨てるほどいるから、放っておいても誰かが継承するさ。

「ただローレンス殿、国の事だけが心配なのだ。
 後継問題で争いが起きて家臣領民が傷つく事だけは避けたい。
 早々にフローラとエレノア以外の継承権者を決めておきたい。
 キャンベル王家に継承権が行くのが心配です。
 ローレンス殿に継承権者になっていただきたいのです」

 やはりそう来たか。

「ローレンス殿、二人の事をどう思われますか。
 ローレンス殿の側室になった方が二人にとっては幸せなのではありませんか」

 本気か、キャサリン従叔母。
 この期に及んで娘の幸せよりも政略を優先しているんじゃないよな。
 まあ、そんな眼付ではないな。
 それに政略を優先するなら俺よりも実家から甥の誰かを選んでいるな。

「そんな事を口にしてはいけませんよ。
 サイモン従叔父、キャサリン従叔母。
 お二人がそんな事を口にしたら、またフローラとエレノアが誤解しますよ。
 ようやく姉妹仲良く暮らせるようになったんです。
 波風立てるような事は止めましょう。
 俺を信用してください、フローラとエレノアを不幸にするような事はしません。
 二人が何を選びどんな行動をしても助けます。
 他の誰も認めないような相手の子供を産んだとしても、俺が支援します。
 だから二人に自由な人生を歩んでもらいましょうよ」

「「はい、ありがとうございます、よろしくお願いいたします」

 まあ、今の二人なら俺の手助けなど何も必要ないかもしれないけどね。
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