35 / 55
第二章
第35話:良運と悪運
しおりを挟む
いやだなぁ、ほんとうは聞きたくない。
でもクサーヴァとペトロネラの願いを無碍にはできない。
「そうか、2人の嘆願となれば聞かないわけにはいかないな。
どんな願いなのか話してくれ、マリア」
「はい、では遠慮せずにお伝えさせていただきます。
クサーヴァ様とペトロネラ様はフォルカー様を王都に置いて欲しいそうです。
フォルカー様の運の悪さは常識を超えております。
今までは運のいいリヒャルダ様が側におられたので何とかなっていました。
ですが今回公爵閣下の役目を果たすうえで、大切な御役目を失敗しかねない運の悪さに何度も見舞われてしまいました。
公爵閣下が大切に想われている領民のためにも、フォルカー様を王都で預かって欲しとの事でございます」
そうきたか、領民の事を言われたら嫌だとは言えないよな。
しかしまいったな。
フォルカーの運の悪さを今まで以上に上方修正しなければいけない。
だが、フォルカーを王都屋敷に預かるとなると、問題は俺だけではすまない。
大切なリヒャルダを巻き込むことになってしまう。
「うむ、領民をフォルカーの悪運の犠牲にするわけにはいかないな。
だが同時に、俺とリヒャルダが悪運に巻き込まれるのも嫌だ。
何か方法を考えるから、しばらくは王都の宿屋を使ってくれ。
これはその為の資金だから、遠慮せずに使ってくれ。
金貨を200枚入れてあるから、この場で確認してくれ」
「はい、不躾ではありますが、ご命令とあらば確認させていただきます」
マリアが革袋に入った金貨をだして数えている。
その後ろでフォルカーがぶぜんとした顔をしている。
まあ、これだけ悪運を連呼されたら、いくら自覚していても嫌だろう。
「確かに金貨200枚お預かりいたしました」
「ではマリア、君がそのお金を管理してくれ。
金貨が100枚になった時点で追加の金貨を100枚渡す。
それが手切れ金でも餞別でもないから安心してくれ」
「はい、ありがとうございます」
「それでだ、正直に言おう。
クサーヴァとペトロネラが領民の事を心配したように、私もリヒャルダが心配だ。
だからできるだけフォルカーをここに近づけたくない。
だがフォルカーを見殺しにしたいわけでもない。
そこでだ、傭兵ギルドと冒険者ギルドに信頼できる護衛を頼んでくれ。
その者にフォルカーの護衛を任せたい。
その者たちとフォルカーとマリアが暮らすための別邸を手配しておく。
それまでの間は安全を配慮した高級宿屋に滞在してくれ」
「承りました。
公爵閣下の親身なご配慮、クサーヴァ様とペトロネラ様に成り代わりお礼申し上げます、ありがとうございます」
大賢者、愛が1万以下になるまで使って構わない。
フォルカーとマリアの心身を護る方法を教えてくれ。
時間がかかっても構わないから調べろ。。
ピロロロロ
……です。
愛が愛が395217になりました。
でもクサーヴァとペトロネラの願いを無碍にはできない。
「そうか、2人の嘆願となれば聞かないわけにはいかないな。
どんな願いなのか話してくれ、マリア」
「はい、では遠慮せずにお伝えさせていただきます。
クサーヴァ様とペトロネラ様はフォルカー様を王都に置いて欲しいそうです。
フォルカー様の運の悪さは常識を超えております。
今までは運のいいリヒャルダ様が側におられたので何とかなっていました。
ですが今回公爵閣下の役目を果たすうえで、大切な御役目を失敗しかねない運の悪さに何度も見舞われてしまいました。
公爵閣下が大切に想われている領民のためにも、フォルカー様を王都で預かって欲しとの事でございます」
そうきたか、領民の事を言われたら嫌だとは言えないよな。
しかしまいったな。
フォルカーの運の悪さを今まで以上に上方修正しなければいけない。
だが、フォルカーを王都屋敷に預かるとなると、問題は俺だけではすまない。
大切なリヒャルダを巻き込むことになってしまう。
「うむ、領民をフォルカーの悪運の犠牲にするわけにはいかないな。
だが同時に、俺とリヒャルダが悪運に巻き込まれるのも嫌だ。
何か方法を考えるから、しばらくは王都の宿屋を使ってくれ。
これはその為の資金だから、遠慮せずに使ってくれ。
金貨を200枚入れてあるから、この場で確認してくれ」
「はい、不躾ではありますが、ご命令とあらば確認させていただきます」
マリアが革袋に入った金貨をだして数えている。
その後ろでフォルカーがぶぜんとした顔をしている。
まあ、これだけ悪運を連呼されたら、いくら自覚していても嫌だろう。
「確かに金貨200枚お預かりいたしました」
「ではマリア、君がそのお金を管理してくれ。
金貨が100枚になった時点で追加の金貨を100枚渡す。
それが手切れ金でも餞別でもないから安心してくれ」
「はい、ありがとうございます」
「それでだ、正直に言おう。
クサーヴァとペトロネラが領民の事を心配したように、私もリヒャルダが心配だ。
だからできるだけフォルカーをここに近づけたくない。
だがフォルカーを見殺しにしたいわけでもない。
そこでだ、傭兵ギルドと冒険者ギルドに信頼できる護衛を頼んでくれ。
その者にフォルカーの護衛を任せたい。
その者たちとフォルカーとマリアが暮らすための別邸を手配しておく。
それまでの間は安全を配慮した高級宿屋に滞在してくれ」
「承りました。
公爵閣下の親身なご配慮、クサーヴァ様とペトロネラ様に成り代わりお礼申し上げます、ありがとうございます」
大賢者、愛が1万以下になるまで使って構わない。
フォルカーとマリアの心身を護る方法を教えてくれ。
時間がかかっても構わないから調べろ。。
ピロロロロ
……です。
愛が愛が395217になりました。
0
お気に入りに追加
568
あなたにおすすめの小説
幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。
白雪なこ
恋愛
「婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。」に出てきた、王女殿下視点の話です。親友を害そうとしたアレンが許せないそうで、ものすごーーーく怒ってます。怖いです。可愛いアリアンは出て来ません。アレンのやらかしが凶悪です。前作でのざまあが足りないようなので、家族にも責任をとってもらいました。最後の〆はコメディです。(作品に含まれる要素の異世界転生は前話のヒロイン=ボスのことです)
*外部サイトにも掲載しています。
とある文官のひとりごと
きりか
BL
貧乏な弱小子爵家出身のノア・マキシム。
アシュリー王国の花形騎士団の文官として、日々頑張っているが、学生の頃からやたらと絡んでくるイケメン部隊長であるアベル・エメを大の苦手というか、天敵認定をしていた。しかし、ある日、父の借金が判明して…。
基本コメディで、少しだけシリアス?
エチシーンところか、チュッどまりで申し訳ございません(土下座)
ムーンライト様でも公開しております。
指輪一つで買われた結婚。~問答無用で溺愛されてるが、身に覚えが無さすぎて怖い~
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約破棄をされて実家であるオリファント子爵邸に出戻った令嬢、シャロン。シャロンはオリファント子爵家のお荷物だと言われ屋敷で使用人として働かされていた。
朝から晩まで家事に追われる日々、薪一つ碌に買えない労働環境の中、耐え忍ぶように日々を過ごしていた。
しかしある時、転機が訪れる。屋敷を訪問した謎の男がシャロンを娶りたいと言い出して指輪一つでシャロンは売り払われるようにしてオリファント子爵邸を出た。
向かった先は婚約破棄をされて去ることになった王都で……彼はクロフォード公爵だと名乗ったのだった。
終盤に差し掛かってきたのでラストスパート頑張ります。ぜひ最後まで付き合ってくださるとうれしいです。
初夜で裏切られた公爵夫人は旦那をぶっ飛ばす。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
「もう逃げられないぞ、俺たちでたっぷり可愛がってやるよ!」モントローズ公爵家令嬢ファティマは政略結婚でハミルトン公爵家令息フセインと結婚した。政略結婚だから愛情など期待していなかった、だが、新婚初夜にフセインの取り巻きに襲われるなど考えもしていなかった。あまりの怒りにファティマは自分に施していた封印が破れるのを自覚した。
完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!
音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。
頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。
都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。
「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」
断末魔に涙した彼女は……
愛玩犬は、銀狼に愛される
きりか
BL
《漆黒の魔女》の呪いにより、 僕は、昼に小型犬(愛玩犬?)の姿になり、夜は人に戻れるが、ニコラスは逆に、夜は狼(銀狼)、そして陽のあるうちには人に戻る。
そして僕らが人として会えるのは、朝日の昇るときと、陽が沈む一瞬だけ。
呪いがとけると言われた石、ユリスを求めて旅に出るが…
愛想がないと王子に罵られた大聖女は、婚約破棄、国外追放される。 ~何もしていないと思われていた大聖女の私がいなくなったことで、国は崩壊寸前~
木嶋隆太
恋愛
大聖女として国を護っていた私。大聖女の力を維持するには、異性と「そういう関係」になってはいけない。だが何度説明しても王子は、私と「そういう関係」になろうとしてくる。国を護るために拒否し続けた私は、王子の怒りをかって婚約破棄、国外追放されてしまう。いくらでも触らせてくれる妹のほうがいいんだそうだ。私から王子を奪い取った妹は勝ち誇ってるけど……でも、妹は大聖女としての才能があんまりないみたいですけど、大丈夫ですか? 私がいなくなったら、国に魔物があふれて大変なことになると思いますけど……まあいいですか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる