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第10話:王と王太子の終焉
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「余を助けろ、キャスバル、余を助けたらヴェロニカをくれてやる!
宰相にしてやる、だから早く助けろ、妹を殺せ、レティシアを殺すのだ!」
トライガが急に喚きだしました。
さっきまで泣いて謝っていたくせに、急に元気になりましたね。
国王が兄上に助けを求めた事で、自分も助けてもらえると思ったのでしょう。
ですが、兄上の行動がおかしいですね。
さっきから、会場から逃げ出そうとしている貴族達を皆殺しにしています。
登場したタイミングのよすぎます、私の手助けをするようなタイミングです。
「あら、あら、あら、あら、やはり貴男は愚かでしたね。
私の最後の情を踏み躙って御仕舞いになったのですね。
馬鹿な子ほど可愛いというのは親の性。
娘より息子を可愛がるのは女の性。
だからこそ、馬鹿でも王位が継げるように、レティシアを婚約者に選び、キャスバルを第一騎士団長に抜擢したというのに。
これほど努力して才能を証明し続けたヴェロニカを退けてあげたというのに、レティシアとの婚約破棄を手助けしたり、ヴェロニカを他国に嫁入りさせようとしたりして、私の努力を全て無駄にしてくれましたね。
今さらヴェロニカとキャスバルの結婚を認めても、もう手遅れですわ。
いえ、あなたの事です、ほとぼりが冷めたら、その約束も反故にするのでしょう」
やはりそうでしたか。
正妃殿下は、ヴェロニカ王女殿下と兄上を結婚させる心算だったのですね。
王太子が国王の跡を継ぐとしても、王女が国を継ぐとしても、私が国外に出る事は出来なかったのですね。
王女が兄上と結婚して女王になると決まったら、私は不要になります。
殺されてしまう可能性が高いですね。
まあ、いいです、どうせ王と王太子を弑逆した罪で殺されるのです。
どうせ大逆の罪で殺されるのなら、この手で殺してしまいましょう。
恨みをこの手で晴らしておかないと、処刑された時に後悔する事になります。
まずはトライガの両目を突き潰します。
「ウギャァアァアァアァ、許せ、許してくれ!
余が悪かった、余が悪かったから、許してくれ!」
王は楽に殺して差し上げましょう。
正妃殿下の言葉を鵜呑みにするなら、裏で色々やってくれていたようですが、証拠はありませんし、まあ、こんな豚でも王は王です。
私は剣を素早く左右に振り、王の喉を切り裂きました。
ヒュゥゥゥゥ
王の喉から笛のような音が聞こえます。
自分の意志に反して、空気が流れているのでしょう。
窒息で死ぬ事ができるでしょう。
まあ、首を刎ねたり心臓を一突きにされたりするよりも苦しいでしょうが、私の知った事ではありません。
トライガも、もう殺してしまいましょう。
兄上がもう全ての貴族を殺し終わりそうです。
ここまで来て獲物を横取りされたくはありません。
「さて、兄上、兄妹で殺し合いますか?」
宰相にしてやる、だから早く助けろ、妹を殺せ、レティシアを殺すのだ!」
トライガが急に喚きだしました。
さっきまで泣いて謝っていたくせに、急に元気になりましたね。
国王が兄上に助けを求めた事で、自分も助けてもらえると思ったのでしょう。
ですが、兄上の行動がおかしいですね。
さっきから、会場から逃げ出そうとしている貴族達を皆殺しにしています。
登場したタイミングのよすぎます、私の手助けをするようなタイミングです。
「あら、あら、あら、あら、やはり貴男は愚かでしたね。
私の最後の情を踏み躙って御仕舞いになったのですね。
馬鹿な子ほど可愛いというのは親の性。
娘より息子を可愛がるのは女の性。
だからこそ、馬鹿でも王位が継げるように、レティシアを婚約者に選び、キャスバルを第一騎士団長に抜擢したというのに。
これほど努力して才能を証明し続けたヴェロニカを退けてあげたというのに、レティシアとの婚約破棄を手助けしたり、ヴェロニカを他国に嫁入りさせようとしたりして、私の努力を全て無駄にしてくれましたね。
今さらヴェロニカとキャスバルの結婚を認めても、もう手遅れですわ。
いえ、あなたの事です、ほとぼりが冷めたら、その約束も反故にするのでしょう」
やはりそうでしたか。
正妃殿下は、ヴェロニカ王女殿下と兄上を結婚させる心算だったのですね。
王太子が国王の跡を継ぐとしても、王女が国を継ぐとしても、私が国外に出る事は出来なかったのですね。
王女が兄上と結婚して女王になると決まったら、私は不要になります。
殺されてしまう可能性が高いですね。
まあ、いいです、どうせ王と王太子を弑逆した罪で殺されるのです。
どうせ大逆の罪で殺されるのなら、この手で殺してしまいましょう。
恨みをこの手で晴らしておかないと、処刑された時に後悔する事になります。
まずはトライガの両目を突き潰します。
「ウギャァアァアァアァ、許せ、許してくれ!
余が悪かった、余が悪かったから、許してくれ!」
王は楽に殺して差し上げましょう。
正妃殿下の言葉を鵜呑みにするなら、裏で色々やってくれていたようですが、証拠はありませんし、まあ、こんな豚でも王は王です。
私は剣を素早く左右に振り、王の喉を切り裂きました。
ヒュゥゥゥゥ
王の喉から笛のような音が聞こえます。
自分の意志に反して、空気が流れているのでしょう。
窒息で死ぬ事ができるでしょう。
まあ、首を刎ねたり心臓を一突きにされたりするよりも苦しいでしょうが、私の知った事ではありません。
トライガも、もう殺してしまいましょう。
兄上がもう全ての貴族を殺し終わりそうです。
ここまで来て獲物を横取りされたくはありません。
「さて、兄上、兄妹で殺し合いますか?」
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