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私はエレナ・フォン・アマルは前世の記憶を持っています。
いえ、その前の記憶も持っています。
三度前の人生の記憶ももっています。
全て最後は火炙りにされる悲惨な結末です。
公爵家令嬢に、ロレンツォ王太子の婚約者の地位に拘った結果です。
もういい!
もうあんな最後はまっぴらごめんです!
私は平穏に生きるのです。
穏やかな生涯を送り、天寿をまっとうするのです。
四度目の人生を繰り返していると気がついたときに誓いました。
生まれて直ぐに三度の人生の記憶が押し寄せてきた時に、決意したのです。
ですが一つ大きな問題があります。
ロレンツォ王太子が多情で情熱的だという事です。
少しでも何かに魅力のある女性は、見境なしに口説くのです。
一度目の人生では、そのことに嫉妬して少々やりすぎてしまい、聖女にあるまじき振る舞いと、火炙りにされてしまいました。
今回は最初から王太子の婚約者になるつもりはないですが、家柄的に政略結婚させられてしまう可能性が高いのです。
私に匹敵する美貌の妹マリアに、婚約者の座を押し付けるつもりではありますが、マリアはよく言えば天真爛漫、悪く言えばお馬鹿です。
二度目の人生では、マリアと王太子の不義密通を知ってしまい、怒りに任せて少々やりすぎてしまい、火炙りにされてしまいました。
今回はその時の恨みも込めて、色情狂とも思える王太子は最初から押し付けてやるつもりですが、問題は私の美貌です。
マリアが陽の光の下で光り輝く美しさだとすれば、私は夜の闇の中で月光に照らされて妖艶に映える美しさです。
男性を欲情させるのは私の方が上手でしょう。
ですが今生ではその魅力を隠さなければいけません。
食べ過ぎて豚になる方法もありますが、それでは不健康すぎます。
今生こそ幸せに長生きすると誓ったのです。
病気で死にたくはありません。
そこで魔法を極めることにしました。
元々やりすぎなければ聖女ともてはやされるほど魔力があったのです。
努力すれば大抵の魔法は使えます。
自分が美しいので学びませんでしたが、自分だけでなく他人の姿形も好き勝手に変えられる「千姿万態」という魔法があります。
「幻覚」という魔法で、相手に幻を見せる魔法もあります。
それと、冒険者として実戦訓練もしておかなければなりません。
三度の人生で、聖女といわれるほどの魔力を持ちながら、易々と捕まり火炙りにされてしまったのは、実戦経験が不足していたからです。
最悪の状態を想定して、公爵家を捨てて逃げることも考えておくべきです。
生まれたばかりの新生児の状態で考えたことです。
いえ、その前の記憶も持っています。
三度前の人生の記憶ももっています。
全て最後は火炙りにされる悲惨な結末です。
公爵家令嬢に、ロレンツォ王太子の婚約者の地位に拘った結果です。
もういい!
もうあんな最後はまっぴらごめんです!
私は平穏に生きるのです。
穏やかな生涯を送り、天寿をまっとうするのです。
四度目の人生を繰り返していると気がついたときに誓いました。
生まれて直ぐに三度の人生の記憶が押し寄せてきた時に、決意したのです。
ですが一つ大きな問題があります。
ロレンツォ王太子が多情で情熱的だという事です。
少しでも何かに魅力のある女性は、見境なしに口説くのです。
一度目の人生では、そのことに嫉妬して少々やりすぎてしまい、聖女にあるまじき振る舞いと、火炙りにされてしまいました。
今回は最初から王太子の婚約者になるつもりはないですが、家柄的に政略結婚させられてしまう可能性が高いのです。
私に匹敵する美貌の妹マリアに、婚約者の座を押し付けるつもりではありますが、マリアはよく言えば天真爛漫、悪く言えばお馬鹿です。
二度目の人生では、マリアと王太子の不義密通を知ってしまい、怒りに任せて少々やりすぎてしまい、火炙りにされてしまいました。
今回はその時の恨みも込めて、色情狂とも思える王太子は最初から押し付けてやるつもりですが、問題は私の美貌です。
マリアが陽の光の下で光り輝く美しさだとすれば、私は夜の闇の中で月光に照らされて妖艶に映える美しさです。
男性を欲情させるのは私の方が上手でしょう。
ですが今生ではその魅力を隠さなければいけません。
食べ過ぎて豚になる方法もありますが、それでは不健康すぎます。
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病気で死にたくはありません。
そこで魔法を極めることにしました。
元々やりすぎなければ聖女ともてはやされるほど魔力があったのです。
努力すれば大抵の魔法は使えます。
自分が美しいので学びませんでしたが、自分だけでなく他人の姿形も好き勝手に変えられる「千姿万態」という魔法があります。
「幻覚」という魔法で、相手に幻を見せる魔法もあります。
それと、冒険者として実戦訓練もしておかなければなりません。
三度の人生で、聖女といわれるほどの魔力を持ちながら、易々と捕まり火炙りにされてしまったのは、実戦経験が不足していたからです。
最悪の状態を想定して、公爵家を捨てて逃げることも考えておくべきです。
生まれたばかりの新生児の状態で考えたことです。
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