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17話
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「王太子殿下。
王太子殿下。
王太子殿下!」
「ミレイ、ミレイ、ミレイ」
ボイル公爵家王都屋敷に設けられた秘密の部屋で、ハワード王国王太子イーサンとゴードン公爵家令嬢ミレイが、本能をむき出しにして情欲にふけっていた。
それを覗き窓からボイル公爵とゴードン公爵夫人ギネアが、情欲の炎の籠った眼で見つめていた。
「上手くいきましたね、兄上」
「ふん、色情狂の扱いなど簡単なモノよ。
これでゴードン公爵を蹴落とすことができる。
ゴードン公爵が没落したら、お前を取り戻す」
「まあ、兄上ったら」
この後の情景は、吐き気をもよおすほど愚劣なモノだった。
実の兄と妹が、王太子とミレイのように、本能のまま情欲をむき出しにする。
壁ひとつ隔てた場所で、二組の男女が、許されない行為にふけっていた。
一組は近親相姦の禁忌を犯し、もう一組は婚前貫通の禁忌に触れていた。
「ギャアァアア!」
「お待ちください!
どうかお待ちください!
大将軍ゴードン公爵閣下であろうと、このような乱暴狼藉は許されませんぞ!」
「黙れ外道!
近親相姦を見逃すなど、神を恐れぬ大罪である!
邪魔だてすると、ボイル公爵一人の罪ではなく、公爵家全体の悪行とし、家臣領民皆殺しにするぞ!」
大将軍ゴードン公爵カレブ卿の逆鱗に触れて、その場にいた家臣達が一刀のもとに皆殺しになった。
大将軍となって六竜騎士には数えられなくなったが、その実力は六竜騎士と同等、いや、実戦経験の差で、ゴードン公爵の方が強いという者さえいるのだ。
両手に剣を握り、演舞に思えるほど華麗な剣さばきを見せるゴードン公爵は、多くの国から双剣大将軍と恐れられる存在なのだ。
「ボイル公爵!
ギネア!
実の兄妹で淫欲にふけるなど、神をも畏れぬ大罪。
この場で成敗してくれる」
そう言うと、ゴードン公爵は双剣をふるって二人の首を刎ねた。
二人の淫欲部屋が、防音をしっかりしていたのが災いした。
近親相姦の大罪を隠すために、中の音が漏れないように、外の音に邪魔されないように、完璧に防音されていたのだ。
しかも不意にドアを開けられた驚きで、膣痙攣をおこして離れられなくなっており、つながったまま殺された。
「ミレイ!
近親相姦で生まれた大罪の子よ。
更に貴族令嬢の貞操を守らず、王太子と婚前貫通の罪を重ねた恥知らずよ。
実の父親ではないが、今日まで育てたモノとして、その責任をとらせる。
死ね!」
ゴードン公爵の剣が、ミレイの首を刎ねた。
噴水のように切り口から噴き出る血液が、王太子を真っ赤に染める。
母娘で似ているのか、ミレイも膣痙攣をおこしていて、王太子は逃げることができないでいた。
あまりの惨状に、王太子はその場で気を失った。
「この腐れ外道と色情狂を晒し者にしろ!」
王太子殿下。
王太子殿下!」
「ミレイ、ミレイ、ミレイ」
ボイル公爵家王都屋敷に設けられた秘密の部屋で、ハワード王国王太子イーサンとゴードン公爵家令嬢ミレイが、本能をむき出しにして情欲にふけっていた。
それを覗き窓からボイル公爵とゴードン公爵夫人ギネアが、情欲の炎の籠った眼で見つめていた。
「上手くいきましたね、兄上」
「ふん、色情狂の扱いなど簡単なモノよ。
これでゴードン公爵を蹴落とすことができる。
ゴードン公爵が没落したら、お前を取り戻す」
「まあ、兄上ったら」
この後の情景は、吐き気をもよおすほど愚劣なモノだった。
実の兄と妹が、王太子とミレイのように、本能のまま情欲をむき出しにする。
壁ひとつ隔てた場所で、二組の男女が、許されない行為にふけっていた。
一組は近親相姦の禁忌を犯し、もう一組は婚前貫通の禁忌に触れていた。
「ギャアァアア!」
「お待ちください!
どうかお待ちください!
大将軍ゴードン公爵閣下であろうと、このような乱暴狼藉は許されませんぞ!」
「黙れ外道!
近親相姦を見逃すなど、神を恐れぬ大罪である!
邪魔だてすると、ボイル公爵一人の罪ではなく、公爵家全体の悪行とし、家臣領民皆殺しにするぞ!」
大将軍ゴードン公爵カレブ卿の逆鱗に触れて、その場にいた家臣達が一刀のもとに皆殺しになった。
大将軍となって六竜騎士には数えられなくなったが、その実力は六竜騎士と同等、いや、実戦経験の差で、ゴードン公爵の方が強いという者さえいるのだ。
両手に剣を握り、演舞に思えるほど華麗な剣さばきを見せるゴードン公爵は、多くの国から双剣大将軍と恐れられる存在なのだ。
「ボイル公爵!
ギネア!
実の兄妹で淫欲にふけるなど、神をも畏れぬ大罪。
この場で成敗してくれる」
そう言うと、ゴードン公爵は双剣をふるって二人の首を刎ねた。
二人の淫欲部屋が、防音をしっかりしていたのが災いした。
近親相姦の大罪を隠すために、中の音が漏れないように、外の音に邪魔されないように、完璧に防音されていたのだ。
しかも不意にドアを開けられた驚きで、膣痙攣をおこして離れられなくなっており、つながったまま殺された。
「ミレイ!
近親相姦で生まれた大罪の子よ。
更に貴族令嬢の貞操を守らず、王太子と婚前貫通の罪を重ねた恥知らずよ。
実の父親ではないが、今日まで育てたモノとして、その責任をとらせる。
死ね!」
ゴードン公爵の剣が、ミレイの首を刎ねた。
噴水のように切り口から噴き出る血液が、王太子を真っ赤に染める。
母娘で似ているのか、ミレイも膣痙攣をおこしていて、王太子は逃げることができないでいた。
あまりの惨状に、王太子はその場で気を失った。
「この腐れ外道と色情狂を晒し者にしろ!」
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