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第20話追放14日目

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 闇の神の聖女オリビアには、太陽神の怒りが頂点に達した事が分かった。
 闇の神はこの大陸では異端とされているが、神々の中では力を持っている。
 当然神の力に応じて、聖女の力も決まってくる。
 そう言う意味では、太陽神の力は神々の中でも最上位にある。
 その太陽神を表向き奉じ乍ら、実際には魔の力を借りて欲を満たすなど、太陽神の怒りをかって当然なのだ。

 もう自分の力を隠さなくなったオリビアだが、予測を外してしまったこともある。
 それは神々の時間感覚だった。
 人間とは根本的に時間感覚が違い、天罰を下すと決めるまでに一年、決めてから実際に天罰を下すまで更に一年かかると思っていた。

 だがそんな事はなかった。
 今回の太陽神の怒りは、過去の神の怒りとは全く違っていた。
 ここ数日で天罰が下されるのは明白だった。
 オリビアはなりふり構っていなかった。
 自分が闇の神の聖女であることを明かし、同時に太陽神の天罰が下される事も話して、人々にこの国から逃げるように伝えた。

 車騎将軍バークレー侯爵トーマス卿と驃騎将軍ポウィス侯爵セオ卿は、最初は戸惑ったものの、スケルトンの中に死んだ国王陛下や重臣達、共に戦った騎士達がいる事に気が付き、心を決めた。
 彼らが人間に転生する事を断念して、民を助けるためにスケルトンに宿るという、とてつもない決断をしていたからだ。

 バークレー侯爵とポウィス侯爵は、配下を率いて限界まで民に逃げるように伝えたが、応じる者は少なかった。
 仕方なく配下とスケルトンと一緒に国外に逃げた。
 その二日後に、太陽神の天罰が下った。

 太陽神の怒りは、ブルック王国を滅ぼし民を皆殺しにするだけでは済まなかった。
 その為だけに、太陽神の使徒数百万が王国の上空を占拠した訳ではない。
 太陽神は、この国に現れた魔とこの国に現れようとしている魔王も、全て滅ぼす気でいたのだ。

 いや、その程度ではなかった。
 魔の世界に攻め込んで、生きとし生ける全ての魔を焼き滅ぼす気でいた。
 その為の使徒軍を、第二第三第四陣と集結させていた。
 人間を滅ぼすのに時間をかける気など全くなかった。
 ブルック王国は一瞬で完全に焼き滅ぼされ、焼けて砂になった大地だけが広がる、荒涼たる砂漠になっていた。

「さあ、ここで嘆いていても始まらないわ。
 立って前を向いて生きるのよ。
 闇の神でも構わないというのなら、私が絆となって王家を建てます。
 闇の神では嫌だと言う者は、このままこの地に隠れ住むか、この国の民となる努力をしなさい!」

 オリビアは助けた民を率いて別の大陸を目指した。
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みんなの感想(33件)

sarumaro
2023.04.23 sarumaro

面白いーんやけど、これで終わり?残念

克全
2023.04.23 克全

感想ありがとうございます。

解除
一尺褌
2020.06.27 一尺褌

タグのハッピーエンド……、神視点的にハッピーなのか?

克全
2020.06.27 克全

感想ありがとうございます。

タグ外します。

解除
あやめえ
2020.06.20 あやめえ

人物紹介から、最新話まで
いつ出てくるのか、エイミー!
エイミーってどちら様ですか??
もしかして、メグと混合してますか?

克全
2020.06.20 克全

感想ありがとうございます。

初期設定で名前を変えたのを忘れていました。

解除

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