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第7話追放3日目2

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 驃騎将軍ポウィス侯爵が大神官と敵対している頃、王都では国王と重臣が慌てふためいていた。
 遠見の鏡を使っても、オリビアの姿がとらえられないのだ。
 生徒会の役員達を酷使し、何度も莫大な魔力を使って探すのだが、杳として消息が知れないのだ。

 それでも諦めずに、生徒会役員を倒れるまで酷使して、ようやく薄ぼんやりとオリビアの姿が遠見の鏡の映し出された。
 だがその姿ははっきりとせず、場所の特定が全くできない。
 異常事態だった。
 上級貴族で構成された生徒会役員が、全員倒れるほどの魔力を使って、追いきれないというのは、オリビアの隠蔽魔法がそれを越えているという事だ。

 確かにオリビアは王族に次ぐ公爵家に相応しい魔力を持っている。
 だが遠見の鏡という魔道具を使っているのだ。
 使う者が侯爵どころか伯爵でも、オリビアを捕えれれるはずなのだ。
 それが不可能だというのは、オリビアの魔力が皇族以上の聖女クラスだと考えるのが順当なのだ。

 これは絶対に許されない事だ。
 聖女メグがこの国で好き勝手できるのも、大陸に聖者聖女信仰があるためだし、それだけの魔力があるためでもある。
 その神聖な聖女を、王太子が無実の罪で追放したとなれば、大陸中の国々を敵に回すことになる。
 オリバー国王は、幾つかの友好国に頼んで、太陽神殿の不正を暴くため、公平な聖女認定を再度やろうと考えていた。

「陛下。
 遠見の鏡が安定しました。
 まだ姿は粗いですが、消えたりすることはないと思われます。
 どうやら、魔窟に入っているようでございます。
 食料と旅費の確保のためだと思われます」

「あのあたりに魔窟などあったか?
 余の記憶では、魔窟はなかったのではないか?」

「もしかしたら、ヘンリーと神殿の悪事が原因で、村人の恨み辛み瘴気になり、魔窟を生みだしてしまったのかもしれません。
 これは見過ごす事のできない重大事でございます。
 至急軍を整えて核を潰さなければいけません」

 マクリン公爵の言葉は、この場を凍り付かせるほどの話だった。
 政が悪くて民が瘴気を生みだし、魔窟を発生させるなど、大陸中の笑い者だ。
 何としてでも早々に核を潰して魔窟を消滅させなければならない。
 それができなければ、近隣の国々が連合軍を組織して、攻め込んできてもおかしくないほどの失政なのだ。

「まずは聖女メグが本物かどうか確かめなければいけません。
 そして大神官と太陽神殿の不正を明らかにしなければなりません。
 そうしなければ、この魔窟を潰しても、次々と新たな魔窟が生みだされてしまい、収集がつかなくなってしまいます」

 確かにマクリン公爵の言う通りだった。
 将兵を死傷させて一つ魔窟を潰しても、その間に二つ三つの魔窟が新たに生まれてはどうにもならない。

「分かった。
 友好国に公明正大な大神官を派遣してもらうように依頼する」
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