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第一章
第13話:争い
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帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年3月1日・ロディー視点
ロディー15歳
ジェイミーが連れてきたドワーフ族は全員上位種だった。
ジェイミーと同じエンシェントドワーフも少数いたが、大半はハイドワーフかエルダードワーフだった。
亜人の階級ではエンシェント、ハイ、エルダーの順位なると教えてくれた。
それでなくても人間に比べて基本能力の高いドワーフ族だ。
エルダーでもとてつもない能力を持っていた。
118人全員が酒造だけでなく鍛冶も建築も木工も製陶もできた。
お陰で醸造や蒸留に必要な道具は全てドワーフに任せられるようになった。
俺が絶対にやらなければいけない事は、魔力を使って作物を促成栽培させる事と、同じく魔力を使って発酵や熟成を早める事だけになった。
レベルが上がれば上がるほど、使った魔力以上に魔力を作れるようになった。
「騎士殿、また魔猪を狩ってくるから、スペアリブの香草焼きとタン塩、生姜焼きと角煮を作ってもらえないだろうか?」
「私も頼む、猪肉で唐揚げを作ってくれ、天麩羅でもいいから。
それと、人里に行って麦を買って来るから、エールと焼酎を造って欲しい。
礼は刀でも斧でも何でも造るから!」
問題があるとすれば、ドワーフたちに料理と酒を造らなければいけない事だ。
だが、食材を確保してくれるので、俺が狩りをしなくていいのは助かる。
それに、煮物や揚げ物なら大量に作るのも少量作るのもあまり変わりがない。
まあ、下拵えをドワーフたちがやってくれればだが。
「礼は当然もらうが、エールを美味しく飲む方法に冷やす事があると言ったろ?
ドワーフ族は氷結魔術や冷却魔術が不得意と言ったから、地下室を作って冷やすか、井戸を掘って井戸水で冷やせばいいと教えただろう?
ちゃんとどちらかを実行したのか?」
俺は酒と料理をねだるエンシェントドワーフのナイルを厳しく問いただした。
美味しい酒と料理の前では誇りも何もないが、これでも全ドワーフ族に名を轟かせる名人刀鍛冶らしい。
斧や剣鉈は魔力で発現させる事ができるが、騎士の象徴である剣や、実戦で1番使える槍は魔力で発現させられない。
もう人里にでる事はないと思うが、最悪の状況にそなえて名人ドワーフに剣と槍を打っておいてもらおうか?
「はい、本丸の下に地下室を掘りましたから、そこでエールを冷やす事ができます。
今まであった井戸の他に、地下室に深い井戸を掘りました。
引き上げるのは面倒ですが、かなり冷たく冷やす事ができます。
猪の生姜焼きを冷やしたエールと一緒に食べるのは最高です!」
「そうか、完成しているのならそれでいい。
ただ、エールだけではなくアルフィンが飲むジュースも一緒に冷やしてくれ」
「分かっております、人間とはいえ騎士殿に仕える同じ領民です。
酒を禁じられているアルフィン殿は不敏ですからな」
ドワーフ男性は、髭の生えていない女性は性的対象ではないと言っているが、酒に酔っての失敗は誰にもある事だ。
せめてアルフィンだけは何時も素面でいて欲しい。
酒が苦手な俺だけがそう思っているのかもしれないが、領主権限で酒を禁止した。
このままドワーフたちと一緒に、酒と料理を堪能する生活を送れると思っていた。
だが、俺の想いは大きく外れてしまった。
全てはドワーフ族の宿敵が現れたせいだった。
「ここに美味しい酒がある事は分かっている。
薄汚いドワーフに美味しい酒を飲ませるなどもっての外だ!
あんな連中に飲ませるくらいなら、我ら高貴なエルフ族に全て差し出せ!」
前世で俺が読んでいたラノベの大半は、エルフ族とドワーフ族が不仲だった。
まれに仲良しの作品もあったが、それはその作品がほのぼの系だったからだ。
現実の異世界では縄張り争いもあるだろうから、仲が悪くて当然だ。
エルフ族は弓を構え、ドワーフ族は戦斧を構えている。
「待ってもらおうか、エルフ族。
高貴なエルフと名乗る割に、やっている事は小汚い山賊と一緒だな」
エルフ族とドワーフ族が仲良しだろうと不仲だろうと俺には関係ない。
だが、脅迫に屈する気はない!
「なんだと?!
誇り高き我らと山賊を一緒にするなど絶対に許さん」
「高貴な者が他人の造った酒を弓矢で脅かして奪うものか。
貴様らが薄汚いと言っているドワーフ族は、酒を得るために人間である俺に臣従を誓い、毎日酒造りを手伝ってくれている。
武器で脅して他人の物を奪いようなエルフ族などとは、比べ物にならないくらい礼儀正しく高貴だ。
それに比べてエルフ族の行いはなんだ、まるで人間のようだな!」
「おのれ、おのれ、おのれ、事もあろうに、この高貴なエンシェントエルフのルイーズ様を、人間と同じと言うのか!」
「人間と違うというのなら、その手に持っている弓矢はなんだ?
先ほど口にした言葉はなんだ?
あれが誇り高く高貴なエルフ族の言動なのか?
俺はつい最近、同じような事を口にした人間の山賊を退治したばかりだがな!」
「くっ、おのれ、おのれ、おのれ、人間ごときが好き勝手に言いおって!」
「それで、どうするんだ、誇り高く高貴なエンシェントエルフ様。
人間と同じように武器で脅して酒を奪うか?
それともドワーフ族と同じように俺に臣従して酒造りを手伝って手に入れるか?
俺はどちらでもかまわないぞ?」
「黙れ人間!
誇り高く高貴なエルフ族が、薄汚い人間などに臣従できるものか!
……とはいえ、強請り集りは確かに人間同様の恥知らずな行為だ。
だから、下賤な人間に高貴なエルフ族に酒を捧げる事を許してやる」
「寝言は寝て言え、腐れエルフ!
これ以上ガタガタ言うなら全面戦争だ!
お前のよう酒に対する礼儀を弁えない外道はこの世界から消滅させてやる。
後ろに雁首そろえている連中もお前と同じ恥知らずか?!」
俺はまだ交渉する心算だったのだが、エンシャントドワーフのジェイミーがブチ切れてしまった。
まあ、俺も内心の怒りを抑えるのに必死だったから、ドワーフ族が本気で戦ってくれるのなら、エルフ族と全面戦争になってもかまわない。
「待ってもらおう、俺たちをこんな恥知らずと一緒にしないでくれ」
「キィイイイイイ、私に逆らうというの、ガブリエル?!」
「今までは、多少の問題があっても最年長のお前の言う事を尊重してきた。
だが、今回のようなエルフ族全体の評判を貶めるような言動は認められない。
ルーズ、お前を我々の村から追放する」
「キィイイイイイ、馬鹿じゃないの、ガブリエル!
お前のような弱腰に誰がついていくと思っているの?!
さあ、お前たち、エルフ族の名誉を貶めるガブリエルをさっさと殺しなさい!」
「「「「「……」」」」」
「何をしているの、下賤なドワーフ族を皆殺しにする前に、裏切者のガブリエルを殺すのよ、グズグズしないで!」
「ルイーズの方が正しいと思う者は俺に弓を向けるがいい。
弓までは向ける気にはならなくても、ルイーズの言う事が理解できるという奴は、ルイーズと一緒に村を出て行けばいい」
「「「「「……」」」」」
「裏切者、それでも誇り高く高貴なエルフ族なの?!」
「黙れ、恥知らず!」
「そうだ、お前こそエルフ族の誇りに泥を塗った裏切者だ!」
「俺たちに人間のような山賊まがいの事をやらせやがって、恥を知れ恥を!」
「今まではガブリエルが止めていたから我慢していたのだ!」
「そうだ、ガブリエルが止めていなければ、とっくに殺していた」
後ろに並んでいたエルフ族全員が、ルイーズと呼ばれた者に弓を向けている。
表情を見れば本気で殺す気なのが分かる。
今まで色々あったのだろう、心底嫌われているのが分かる。
「ルイーズ、大人しく村を去るのが身のためだよ。
なにも命まで取ろうと言っているのではない。
エルフ族の誇りを取り戻すために追放すると言っているだけだよ」
「くっ、覚えていなさい、必ず思い知らせてやるから!」
ルイーズは隙があったら俺を殺したかったようだが、ガブリエルという男のエンシェントエルフが殺気を放っていたので、何もできなかった。
「申し訳なかった、全エルフを代表して詫びさせてもらう」
「言いたいことは色々あるが、今後もあの狂気のエルフを抑えてくれるというのなら、詫びを受け入れてもいい」
「エルフ族の誇りにかけて、あの女は抑えよう。
それと、今回の恥知らずな言動の詫びとして、エルフ族の工芸品を送りたいのだが、受け取ってもらえるだろうか?」
「俺も家臣領民を護る領主としての責任がある。
個人的な誇りよりも、彼らの安全が最優先だ。
工芸品を受け取ると共に、友好の証として領地の特産品である果物と酒を贈る」
「そうか、領主殿の寛大な態度に心からの感謝と賛辞を贈らせてもらう」
「俺もガブリエル殿のエルフ族を思う勇気ある言動に心からの感謝と賛辞を贈らせてもらう」
さて、表情と態度からガブリエルの言葉に嘘はないようだが、後ろに並んでいるエルフ族の中には納得していない者が結構いる。
ルイーズは嫌いだが、人間やドワーフ族と仲良く付き合うのも嫌なのだろう。
俺も嫌われている相手にこちらから擦り寄る気はない。
「そう言ってもらえると助かる」
「では、新たな問題が起こる前にお帰り頂こう。
贈り物の交換は日を改めてやらせてもらう」
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル887
:自作農民・レベル512
:開拓農民・レベル369
付属スキル:耕種農業レベル626
耕作 レベル887
種蒔き レベル693
品種改良レベル693
農薬生産レベル693
農薬散布レベル693
選定 レベル693
収穫 レベル693
剣鉈術 レベル599
戦斧術 レベル599
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル369
伐採 レベル369
建築 レベル369
石工 レベル 21
魔力生産レベル237
魔力増幅レベル237
:自作 レベル512
燻製 レベル 68
酒造 レベル512
発酵 レベル512
陶芸 レベル225
料理 レベル264
一般スキル:戦闘術レベル9
剣術 レベル9
槍術 レベル9
戦斧術レベル9
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術
:生産術レベル9
木工 レベル369
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル264
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル369
石工 レベル 21
「基本能力」
HP: 51557
魔力:1942986
命力:1537444
筋力: 35565
体力: 32749
知性: 23741
精神: 20093
速力: 17680
器用: 17680
運 : 17812
魅力: 17680
ロディー15歳
ジェイミーが連れてきたドワーフ族は全員上位種だった。
ジェイミーと同じエンシェントドワーフも少数いたが、大半はハイドワーフかエルダードワーフだった。
亜人の階級ではエンシェント、ハイ、エルダーの順位なると教えてくれた。
それでなくても人間に比べて基本能力の高いドワーフ族だ。
エルダーでもとてつもない能力を持っていた。
118人全員が酒造だけでなく鍛冶も建築も木工も製陶もできた。
お陰で醸造や蒸留に必要な道具は全てドワーフに任せられるようになった。
俺が絶対にやらなければいけない事は、魔力を使って作物を促成栽培させる事と、同じく魔力を使って発酵や熟成を早める事だけになった。
レベルが上がれば上がるほど、使った魔力以上に魔力を作れるようになった。
「騎士殿、また魔猪を狩ってくるから、スペアリブの香草焼きとタン塩、生姜焼きと角煮を作ってもらえないだろうか?」
「私も頼む、猪肉で唐揚げを作ってくれ、天麩羅でもいいから。
それと、人里に行って麦を買って来るから、エールと焼酎を造って欲しい。
礼は刀でも斧でも何でも造るから!」
問題があるとすれば、ドワーフたちに料理と酒を造らなければいけない事だ。
だが、食材を確保してくれるので、俺が狩りをしなくていいのは助かる。
それに、煮物や揚げ物なら大量に作るのも少量作るのもあまり変わりがない。
まあ、下拵えをドワーフたちがやってくれればだが。
「礼は当然もらうが、エールを美味しく飲む方法に冷やす事があると言ったろ?
ドワーフ族は氷結魔術や冷却魔術が不得意と言ったから、地下室を作って冷やすか、井戸を掘って井戸水で冷やせばいいと教えただろう?
ちゃんとどちらかを実行したのか?」
俺は酒と料理をねだるエンシェントドワーフのナイルを厳しく問いただした。
美味しい酒と料理の前では誇りも何もないが、これでも全ドワーフ族に名を轟かせる名人刀鍛冶らしい。
斧や剣鉈は魔力で発現させる事ができるが、騎士の象徴である剣や、実戦で1番使える槍は魔力で発現させられない。
もう人里にでる事はないと思うが、最悪の状況にそなえて名人ドワーフに剣と槍を打っておいてもらおうか?
「はい、本丸の下に地下室を掘りましたから、そこでエールを冷やす事ができます。
今まであった井戸の他に、地下室に深い井戸を掘りました。
引き上げるのは面倒ですが、かなり冷たく冷やす事ができます。
猪の生姜焼きを冷やしたエールと一緒に食べるのは最高です!」
「そうか、完成しているのならそれでいい。
ただ、エールだけではなくアルフィンが飲むジュースも一緒に冷やしてくれ」
「分かっております、人間とはいえ騎士殿に仕える同じ領民です。
酒を禁じられているアルフィン殿は不敏ですからな」
ドワーフ男性は、髭の生えていない女性は性的対象ではないと言っているが、酒に酔っての失敗は誰にもある事だ。
せめてアルフィンだけは何時も素面でいて欲しい。
酒が苦手な俺だけがそう思っているのかもしれないが、領主権限で酒を禁止した。
このままドワーフたちと一緒に、酒と料理を堪能する生活を送れると思っていた。
だが、俺の想いは大きく外れてしまった。
全てはドワーフ族の宿敵が現れたせいだった。
「ここに美味しい酒がある事は分かっている。
薄汚いドワーフに美味しい酒を飲ませるなどもっての外だ!
あんな連中に飲ませるくらいなら、我ら高貴なエルフ族に全て差し出せ!」
前世で俺が読んでいたラノベの大半は、エルフ族とドワーフ族が不仲だった。
まれに仲良しの作品もあったが、それはその作品がほのぼの系だったからだ。
現実の異世界では縄張り争いもあるだろうから、仲が悪くて当然だ。
エルフ族は弓を構え、ドワーフ族は戦斧を構えている。
「待ってもらおうか、エルフ族。
高貴なエルフと名乗る割に、やっている事は小汚い山賊と一緒だな」
エルフ族とドワーフ族が仲良しだろうと不仲だろうと俺には関係ない。
だが、脅迫に屈する気はない!
「なんだと?!
誇り高き我らと山賊を一緒にするなど絶対に許さん」
「高貴な者が他人の造った酒を弓矢で脅かして奪うものか。
貴様らが薄汚いと言っているドワーフ族は、酒を得るために人間である俺に臣従を誓い、毎日酒造りを手伝ってくれている。
武器で脅して他人の物を奪いようなエルフ族などとは、比べ物にならないくらい礼儀正しく高貴だ。
それに比べてエルフ族の行いはなんだ、まるで人間のようだな!」
「おのれ、おのれ、おのれ、事もあろうに、この高貴なエンシェントエルフのルイーズ様を、人間と同じと言うのか!」
「人間と違うというのなら、その手に持っている弓矢はなんだ?
先ほど口にした言葉はなんだ?
あれが誇り高く高貴なエルフ族の言動なのか?
俺はつい最近、同じような事を口にした人間の山賊を退治したばかりだがな!」
「くっ、おのれ、おのれ、おのれ、人間ごときが好き勝手に言いおって!」
「それで、どうするんだ、誇り高く高貴なエンシェントエルフ様。
人間と同じように武器で脅して酒を奪うか?
それともドワーフ族と同じように俺に臣従して酒造りを手伝って手に入れるか?
俺はどちらでもかまわないぞ?」
「黙れ人間!
誇り高く高貴なエルフ族が、薄汚い人間などに臣従できるものか!
……とはいえ、強請り集りは確かに人間同様の恥知らずな行為だ。
だから、下賤な人間に高貴なエルフ族に酒を捧げる事を許してやる」
「寝言は寝て言え、腐れエルフ!
これ以上ガタガタ言うなら全面戦争だ!
お前のよう酒に対する礼儀を弁えない外道はこの世界から消滅させてやる。
後ろに雁首そろえている連中もお前と同じ恥知らずか?!」
俺はまだ交渉する心算だったのだが、エンシャントドワーフのジェイミーがブチ切れてしまった。
まあ、俺も内心の怒りを抑えるのに必死だったから、ドワーフ族が本気で戦ってくれるのなら、エルフ族と全面戦争になってもかまわない。
「待ってもらおう、俺たちをこんな恥知らずと一緒にしないでくれ」
「キィイイイイイ、私に逆らうというの、ガブリエル?!」
「今までは、多少の問題があっても最年長のお前の言う事を尊重してきた。
だが、今回のようなエルフ族全体の評判を貶めるような言動は認められない。
ルーズ、お前を我々の村から追放する」
「キィイイイイイ、馬鹿じゃないの、ガブリエル!
お前のような弱腰に誰がついていくと思っているの?!
さあ、お前たち、エルフ族の名誉を貶めるガブリエルをさっさと殺しなさい!」
「「「「「……」」」」」
「何をしているの、下賤なドワーフ族を皆殺しにする前に、裏切者のガブリエルを殺すのよ、グズグズしないで!」
「ルイーズの方が正しいと思う者は俺に弓を向けるがいい。
弓までは向ける気にはならなくても、ルイーズの言う事が理解できるという奴は、ルイーズと一緒に村を出て行けばいい」
「「「「「……」」」」」
「裏切者、それでも誇り高く高貴なエルフ族なの?!」
「黙れ、恥知らず!」
「そうだ、お前こそエルフ族の誇りに泥を塗った裏切者だ!」
「俺たちに人間のような山賊まがいの事をやらせやがって、恥を知れ恥を!」
「今まではガブリエルが止めていたから我慢していたのだ!」
「そうだ、ガブリエルが止めていなければ、とっくに殺していた」
後ろに並んでいたエルフ族全員が、ルイーズと呼ばれた者に弓を向けている。
表情を見れば本気で殺す気なのが分かる。
今まで色々あったのだろう、心底嫌われているのが分かる。
「ルイーズ、大人しく村を去るのが身のためだよ。
なにも命まで取ろうと言っているのではない。
エルフ族の誇りを取り戻すために追放すると言っているだけだよ」
「くっ、覚えていなさい、必ず思い知らせてやるから!」
ルイーズは隙があったら俺を殺したかったようだが、ガブリエルという男のエンシェントエルフが殺気を放っていたので、何もできなかった。
「申し訳なかった、全エルフを代表して詫びさせてもらう」
「言いたいことは色々あるが、今後もあの狂気のエルフを抑えてくれるというのなら、詫びを受け入れてもいい」
「エルフ族の誇りにかけて、あの女は抑えよう。
それと、今回の恥知らずな言動の詫びとして、エルフ族の工芸品を送りたいのだが、受け取ってもらえるだろうか?」
「俺も家臣領民を護る領主としての責任がある。
個人的な誇りよりも、彼らの安全が最優先だ。
工芸品を受け取ると共に、友好の証として領地の特産品である果物と酒を贈る」
「そうか、領主殿の寛大な態度に心からの感謝と賛辞を贈らせてもらう」
「俺もガブリエル殿のエルフ族を思う勇気ある言動に心からの感謝と賛辞を贈らせてもらう」
さて、表情と態度からガブリエルの言葉に嘘はないようだが、後ろに並んでいるエルフ族の中には納得していない者が結構いる。
ルイーズは嫌いだが、人間やドワーフ族と仲良く付き合うのも嫌なのだろう。
俺も嫌われている相手にこちらから擦り寄る気はない。
「そう言ってもらえると助かる」
「では、新たな問題が起こる前にお帰り頂こう。
贈り物の交換は日を改めてやらせてもらう」
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル887
:自作農民・レベル512
:開拓農民・レベル369
付属スキル:耕種農業レベル626
耕作 レベル887
種蒔き レベル693
品種改良レベル693
農薬生産レベル693
農薬散布レベル693
選定 レベル693
収穫 レベル693
剣鉈術 レベル599
戦斧術 レベル599
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル369
伐採 レベル369
建築 レベル369
石工 レベル 21
魔力生産レベル237
魔力増幅レベル237
:自作 レベル512
燻製 レベル 68
酒造 レベル512
発酵 レベル512
陶芸 レベル225
料理 レベル264
一般スキル:戦闘術レベル9
剣術 レベル9
槍術 レベル9
戦斧術レベル9
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術
:生産術レベル9
木工 レベル369
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル264
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル369
石工 レベル 21
「基本能力」
HP: 51557
魔力:1942986
命力:1537444
筋力: 35565
体力: 32749
知性: 23741
精神: 20093
速力: 17680
器用: 17680
運 : 17812
魅力: 17680
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