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第一章
第2話:検証実験
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帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年1月1日・ロディー視点
ロディー15歳
農民スキルしか得られなかった俺は、もうトラースト公爵家の者ではないようで、王都の公爵邸には入れてもらえなかった。
家臣や上級使用人は公爵邸内に部屋をもらっているのに、俺は下級使用人の中でも最底辺の者が住む小屋に押し込められた。
「ロディー様、大丈夫でございますか?」
「このような物しかございませんが、お食べになられますか?」
「料理長が隙を見て食事を届けてくれるとの事でございます」
これまで家臣や使用人に傍若無人に振舞っていたら、俺が一族扱いされなくなったとたん、密かに殺されていたかもしれない。
だが俺は馬鹿ではないので、こんな時の為に普段から家臣や使用人を大切にしていたので、色々と親切にしてもらえるのだ。
「ありがとう、助かるよ。
でも無理はしないでくれ、俺のために君たちが叱られると胸が痛む。
ああ、ただこれからの為に少し試したい事があるから、屋敷の畑を使わせてくれ」
普段の行いのお陰で、すんなりと畑を貸してもらえた。
万が一公爵家が王都屋敷で籠城する事を考えて、敷地の中には畑がある。
だがこの時代の畑は三圃式農法なので、三分の一が休耕地になっている。
その休耕地に鍬を入れて、農民スキルでどれくらい耕せるか試すのだ。
「ほう、魔力で鍬を発現できるのか」
思わず口に出してしまうほど驚いた。
武術系スキルは魔力で武器を発現できるので、同じように魔力で農具を発現できるのかどうか試したのだが、同じようにできた。
前世のアニメやラノベの知識がどれくらい応用できるか試してみた。
鍬や鋤はもちろん、農薬をまくジョウロまで魔力で発現できた。
剣や槍や弓は無理だが、剣鉈や斧を発現させる事ができる。
最悪の場合は魔力剣鉈や魔力斧で戦う事ができる。
生れてからこれまで色々と試してきたが、これは新しい発見だ。
神与スキルは無限にレベルアップできる。
だが一般スキルはレベル9までの制限がある。
だがレベル9までなら覚える事ができるのだ。
だから俺は公爵家長男の立場を活用して覚えられる限りのスキルを学んでいた。
「さて、アニメやラノベのように、農具を大きくできるかな?」
俺は今まで思い描いていた鍬を10倍の大きさで想像してみた。
発現している鍬の大きさが10倍になった。
鍬を振るうと10倍の広さの土を耕す事ができた。
消耗する魔力も10倍になったが、大した問題ではない。
「魔力を蓄えていてよかった」
俺は前世の知識を活用して魔力を蓄えていた。
東洋医学の経絡経穴とアーユルヴェーダと西洋医学に知識を活用した。
食べた物を消化器で吸収して体内に取り込み、経絡経穴に流して魔力にする。
創り出した莫大な魔力は亜空間化した魔力器官に蓄えてある。
「あるラノベでは、想像するだけで種蒔きができていたよな」
俺は新たに耕す土地で小麦を育てたいとか陸稲を育てたいとか考えた。
この世界にない、とても甘くて美味しイチゴを育てたいとも考えた。
成功したか失敗したかは、不思議と感覚で分かった。
何故か魔力が消費される時の感じで分かるのだ。
「品種改良もできるのだろうか?」
俺が食べていた米は水田で作られたものだ。
畑で同じ物が育つとは思えない。
この世界でも育つ品種に改良しなければいけない。
だから、この世界でも育つ品種改良がされていると考えて鍬をふるった。
「ロディー様、料理長が食事を運んできてくださいました」
2時間ほど畑で試行錯誤していると、下級使用人の1人が呼びに来てくれた。
料理長が祖父と祖母の目を盗んで用意してくれた食事を無駄にはできない。
亜空間化した肝臓に栄養分を蓄えているから、1年や2年食べなくても平気だが、他人の思いやりを無駄にするような冷血漢ではない。
「ありがとう、食べさせてもらうよ」
そう返事をした時に思いついた事がある。
この世界の魔力は神与スキルがないと外部に放出できない。
だが、体内でならいくらでも作り活用する事ができた。
だったら脳内にだけステータス画面を表示できるのではないか?
「脳内ステータス画面オープン」
やれてしまった。
脳内に自分のステータスを表示する事ができた。
朝王城で表示されたステータスと、農民スキルを使って実際に農業をした後のステータスがどれくらい違うのか?
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民・レベル1
付属スキル:耕種農業レベル1
耕作 レベル29
種蒔き レベル19
品種改良レベル10
剣鉈術 レベル9
戦斧術 レベル9
一般スキル:戦闘術レベル9
剣術 レベル9
槍術 レベル9
戦斧術レベル9
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術
:生産術レベル9
木工 レベル9
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル9
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル9
石工 レベル9
「基本能力」
HP: 298
魔力:1823874
命力:1198327
筋力: 295
体力: 293
知性: 10087
精神: 4582
速力: 296
器用: 290
運 : 293
魅力: 290
ロディー15歳
農民スキルしか得られなかった俺は、もうトラースト公爵家の者ではないようで、王都の公爵邸には入れてもらえなかった。
家臣や上級使用人は公爵邸内に部屋をもらっているのに、俺は下級使用人の中でも最底辺の者が住む小屋に押し込められた。
「ロディー様、大丈夫でございますか?」
「このような物しかございませんが、お食べになられますか?」
「料理長が隙を見て食事を届けてくれるとの事でございます」
これまで家臣や使用人に傍若無人に振舞っていたら、俺が一族扱いされなくなったとたん、密かに殺されていたかもしれない。
だが俺は馬鹿ではないので、こんな時の為に普段から家臣や使用人を大切にしていたので、色々と親切にしてもらえるのだ。
「ありがとう、助かるよ。
でも無理はしないでくれ、俺のために君たちが叱られると胸が痛む。
ああ、ただこれからの為に少し試したい事があるから、屋敷の畑を使わせてくれ」
普段の行いのお陰で、すんなりと畑を貸してもらえた。
万が一公爵家が王都屋敷で籠城する事を考えて、敷地の中には畑がある。
だがこの時代の畑は三圃式農法なので、三分の一が休耕地になっている。
その休耕地に鍬を入れて、農民スキルでどれくらい耕せるか試すのだ。
「ほう、魔力で鍬を発現できるのか」
思わず口に出してしまうほど驚いた。
武術系スキルは魔力で武器を発現できるので、同じように魔力で農具を発現できるのかどうか試したのだが、同じようにできた。
前世のアニメやラノベの知識がどれくらい応用できるか試してみた。
鍬や鋤はもちろん、農薬をまくジョウロまで魔力で発現できた。
剣や槍や弓は無理だが、剣鉈や斧を発現させる事ができる。
最悪の場合は魔力剣鉈や魔力斧で戦う事ができる。
生れてからこれまで色々と試してきたが、これは新しい発見だ。
神与スキルは無限にレベルアップできる。
だが一般スキルはレベル9までの制限がある。
だがレベル9までなら覚える事ができるのだ。
だから俺は公爵家長男の立場を活用して覚えられる限りのスキルを学んでいた。
「さて、アニメやラノベのように、農具を大きくできるかな?」
俺は今まで思い描いていた鍬を10倍の大きさで想像してみた。
発現している鍬の大きさが10倍になった。
鍬を振るうと10倍の広さの土を耕す事ができた。
消耗する魔力も10倍になったが、大した問題ではない。
「魔力を蓄えていてよかった」
俺は前世の知識を活用して魔力を蓄えていた。
東洋医学の経絡経穴とアーユルヴェーダと西洋医学に知識を活用した。
食べた物を消化器で吸収して体内に取り込み、経絡経穴に流して魔力にする。
創り出した莫大な魔力は亜空間化した魔力器官に蓄えてある。
「あるラノベでは、想像するだけで種蒔きができていたよな」
俺は新たに耕す土地で小麦を育てたいとか陸稲を育てたいとか考えた。
この世界にない、とても甘くて美味しイチゴを育てたいとも考えた。
成功したか失敗したかは、不思議と感覚で分かった。
何故か魔力が消費される時の感じで分かるのだ。
「品種改良もできるのだろうか?」
俺が食べていた米は水田で作られたものだ。
畑で同じ物が育つとは思えない。
この世界でも育つ品種に改良しなければいけない。
だから、この世界でも育つ品種改良がされていると考えて鍬をふるった。
「ロディー様、料理長が食事を運んできてくださいました」
2時間ほど畑で試行錯誤していると、下級使用人の1人が呼びに来てくれた。
料理長が祖父と祖母の目を盗んで用意してくれた食事を無駄にはできない。
亜空間化した肝臓に栄養分を蓄えているから、1年や2年食べなくても平気だが、他人の思いやりを無駄にするような冷血漢ではない。
「ありがとう、食べさせてもらうよ」
そう返事をした時に思いついた事がある。
この世界の魔力は神与スキルがないと外部に放出できない。
だが、体内でならいくらでも作り活用する事ができた。
だったら脳内にだけステータス画面を表示できるのではないか?
「脳内ステータス画面オープン」
やれてしまった。
脳内に自分のステータスを表示する事ができた。
朝王城で表示されたステータスと、農民スキルを使って実際に農業をした後のステータスがどれくらい違うのか?
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民・レベル1
付属スキル:耕種農業レベル1
耕作 レベル29
種蒔き レベル19
品種改良レベル10
剣鉈術 レベル9
戦斧術 レベル9
一般スキル:戦闘術レベル9
剣術 レベル9
槍術 レベル9
戦斧術レベル9
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術
:生産術レベル9
木工 レベル9
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル9
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル9
石工 レベル9
「基本能力」
HP: 298
魔力:1823874
命力:1198327
筋力: 295
体力: 293
知性: 10087
精神: 4582
速力: 296
器用: 290
運 : 293
魅力: 290
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