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第1章
第42話:ビキンダンジョン
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ネットの力がこれほど大きいとは思っていなかった。
回り回ってお姉さんたちのファンが助けてくれたのだろうけれど、僕の配信程度でも、沿海地方中からドローンを集める事ができた。
その数は想像をはるかに超える136機。
これだけあれば、耳で聞いただけだけれど、騒音が同じくらいの機体を使える。
周囲を警戒する自衛官を残して、20人の自衛官で20機を同時投入した。
先ずは安全だと思われる距離にドローンを待機させる。
モンスターを中心にして周囲360度を等間隔に囲わせる。
等距離等間隔を保って、地上から2メートルの高さでモンスターに接近させた。
ドーン、ドーン、ドーン、ドーン……
ドローンが次々と破壊されていく。
何か法則性があるのか、モンスターを中心にドローンがモンスターに破壊された場所を地図を書いて確かめる。
レンジャー隊員が即座に描く地図に、少しだけ歪んだ円形が浮かび上がる。
ここまでわかりやすく現れるとは思っていなかった。
もっと色々と悩む事になると思っていたが、罠ではないかと疑うほど簡単な答えが出たのに驚いた。
「この地点を中心にして円形になっていますね」
僕の得た答えと同じ事を隊長が口にした。
僕や隊長でなくても直ぐに導かれる、あまりにも簡単な答えだ。
「ここにはビキンダンジョンの出入り口があるのでしたよね」
「はい、米軍の衛星情報も、こちらの地図でもそうなっています」
「モンスターにだまされているのでない限り、ダンジョンの出入口から決まった距離でしか魔術を使えない事になりますね」
「竜也殿の言われている通りだと小官も考えます」
「最悪の状態にならないように、常に罠の可能性を頭のおいておくとしても、今の考えに間違いがないのか検証する必要があります」
「そうですね、今の考えが正しいとしたら、ダンジョンから漏れる何かがこれ以上広がってしまうと、モンスターが魔術を使える範囲が広がる事になります」
「念のために確認しますが、自動小銃の射程はどれくらいですか?」
「有効射程距離は500メートルになります」
「モンスターが円形の端にいたとしても、ダンジョンの出入口から300メートルの余裕がありますね」
「はい、一番有利な方角から攻撃するのなら、端に寄っている方から狙えます。
その場合は500メートル近い安全を確保できます」
「罠の可能性を考えると、最短でも300メートルは離れていたいですね」
「そうですね、それくらいあれば、モンスターがこちらが考えている範囲よりも外に出られたとしても、何とかなると思われます」
「これまでのモンスターの動きを考えると、ダンジョンの出入口から50メートル以上離れなかったように思われます」
「モンスターも安全な距離を保っているという事ですね?」
「はい、今度は上からドローンを接近させましょう。
ダンジョンから漏れ出している物が、平面では均等に広がっているとしても、上空にも同じように均等に広がっているとは限りません。
それも調べておかないといけません」
「そうですね、ドローンに余裕がありますから、やっておきたいですね」
僕と隊長の意見が一致したので、もう1度ドローンを使って調査した。
今度はある程度目星がついていたので、ダンジョンの出入口の中心に1機、50メートル離して等間隔に4機投入する。
その4機の間、真ん中の角度に90メートル離して4機投入して、等距離の高さで破壊されるか確かめた。
更に安全だろうと思われる距離、ダンジョンの出入口から110メートル離した場所にも、上空からドローンを降下させた。
ドーン、ドーン、ドーン、ドーン……
モンスターに魔力を与えているモノ、ダンジョンから漏れ出しているモノに重さがないとこが確認できた。
ダンジョンの出入り口を中心に、半円球にドローンが破壊された。
モンスターにどれくらい近づいたかで攻撃されるのではない。
ダンジョンの出入り口にどれだけ近づいたかで攻撃されるのだ。
そして、ダンジョンの出入口から110メートル離して降下させたドローンは、魔術攻撃を受けなかった。
破壊されることなく無事に戻って来た!
「これはこれで深刻ですね」
「そうですね、ダンジョンから漏れるモノが増えれば、モンスターが暴れられる範囲が広くなりますし、複数の出入口が現れたら、とんでもない事になります」
隊長は僕と同じ考えで、今後の事を真剣に心配している。
「次はどのような攻撃が効果的なのか、どれくらい離れたらモンスターから反撃されることなく攻撃できるか、確かめないといけません」
「命がけになりますね」
「はい、ですから無理に参加していただかなくても良いです。
自衛隊の方々は、僕の護衛に来てくださっていますから」
「そういう訳には行きませんよ、我々も参加します。
民間人を見殺しにするようでは、自衛官に志願した意味がありません」
「でも、まずは日本政府に命令してもらいましょう。
モスクワ臨時政府と沿海地方政府の許可ももらいましょう。
外国で実弾発砲するのなら、野党対策は十分にしておくべきですよね?」
☆宝船竜也のライブ動画
Rafael:すごいぞ、ダンジョンから出たモンスターとの戦いだ!
藤河太郎:こんなものが見られるとは思ってもいなかった。。
雷伝五郎:どうなると思う?
Benno:魔術を使えるほどのモンスターだと、小銃段程度では倒せないだろう。
ノンバア:普通に考えたらそうよね。
ゆうご:普通ではないと言いたいのか?
藤河太郎:そうだな、とても普通だとは思えない。
雷伝五郎:どう違っていると思う?
Rafael:ダンジョンから漏れている力によってモンスターの力が決まるなら?
Benno:浅い階層ほど力がないと思われる。
ノンバア:まして外に漏れ出ている力だけを利用しているなら、弱いはず!
ゆうご:浅層のモンスターのように小銃弾でも倒せると言うのだな?
Rafael:その可能性は高いが、思い込みは死につながるからなぁ~
藤河太郎:竜也君なら思い込みで隙を作ったりはしないだろう?
雷伝五郎:現役レンジャー部隊が油断するとも思えない。
ノンバア:始まったぞ!
Rafael:350メートル離れた場所からの連続射撃か!
Benno:小銃弾の効果がなかった時に逃げる為だな。
ゆうご:これくらい離れていたら十分逃げられるだろう。
藤河太郎:逃亡用の車両、エンジンをかけたままにしている。
雷伝五郎:運転手も残っているしドアも開けたままだ。
Rafael:細かい事だが、最悪の状況を想定して逃げられるようにしている。
Benno:これができるかどうかで生存率が違ってくるのだろう。
ノンバア:口だけ勇ましい冒険者崩れと大違いね!
藤河太郎:本物の歴戦の勇士は憶病だというからな。
雷伝五郎:そんな勇士ほど女にモテないのだよなぁ~
Rafael:本性は憶病な乱暴者ほどモテる。
Benno:見る眼のない女性が多いからなぁ~
ノンバア:男も見た目だけの女に集まっているよ!
雷伝五郎:あ、忘れるな、サイレントリュウヤが見ているぞ
Benno:なし、なし、投稿は削除するから、永久追放は止めてくれ!
★★★★★★
作者です。
作品を読んでいただきありがとうございます。
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<(_ _)>
回り回ってお姉さんたちのファンが助けてくれたのだろうけれど、僕の配信程度でも、沿海地方中からドローンを集める事ができた。
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モンスターを中心にして周囲360度を等間隔に囲わせる。
等距離等間隔を保って、地上から2メートルの高さでモンスターに接近させた。
ドーン、ドーン、ドーン、ドーン……
ドローンが次々と破壊されていく。
何か法則性があるのか、モンスターを中心にドローンがモンスターに破壊された場所を地図を書いて確かめる。
レンジャー隊員が即座に描く地図に、少しだけ歪んだ円形が浮かび上がる。
ここまでわかりやすく現れるとは思っていなかった。
もっと色々と悩む事になると思っていたが、罠ではないかと疑うほど簡単な答えが出たのに驚いた。
「この地点を中心にして円形になっていますね」
僕の得た答えと同じ事を隊長が口にした。
僕や隊長でなくても直ぐに導かれる、あまりにも簡単な答えだ。
「ここにはビキンダンジョンの出入り口があるのでしたよね」
「はい、米軍の衛星情報も、こちらの地図でもそうなっています」
「モンスターにだまされているのでない限り、ダンジョンの出入口から決まった距離でしか魔術を使えない事になりますね」
「竜也殿の言われている通りだと小官も考えます」
「最悪の状態にならないように、常に罠の可能性を頭のおいておくとしても、今の考えに間違いがないのか検証する必要があります」
「そうですね、今の考えが正しいとしたら、ダンジョンから漏れる何かがこれ以上広がってしまうと、モンスターが魔術を使える範囲が広がる事になります」
「念のために確認しますが、自動小銃の射程はどれくらいですか?」
「有効射程距離は500メートルになります」
「モンスターが円形の端にいたとしても、ダンジョンの出入口から300メートルの余裕がありますね」
「はい、一番有利な方角から攻撃するのなら、端に寄っている方から狙えます。
その場合は500メートル近い安全を確保できます」
「罠の可能性を考えると、最短でも300メートルは離れていたいですね」
「そうですね、それくらいあれば、モンスターがこちらが考えている範囲よりも外に出られたとしても、何とかなると思われます」
「これまでのモンスターの動きを考えると、ダンジョンの出入口から50メートル以上離れなかったように思われます」
「モンスターも安全な距離を保っているという事ですね?」
「はい、今度は上からドローンを接近させましょう。
ダンジョンから漏れ出している物が、平面では均等に広がっているとしても、上空にも同じように均等に広がっているとは限りません。
それも調べておかないといけません」
「そうですね、ドローンに余裕がありますから、やっておきたいですね」
僕と隊長の意見が一致したので、もう1度ドローンを使って調査した。
今度はある程度目星がついていたので、ダンジョンの出入口の中心に1機、50メートル離して等間隔に4機投入する。
その4機の間、真ん中の角度に90メートル離して4機投入して、等距離の高さで破壊されるか確かめた。
更に安全だろうと思われる距離、ダンジョンの出入口から110メートル離した場所にも、上空からドローンを降下させた。
ドーン、ドーン、ドーン、ドーン……
モンスターに魔力を与えているモノ、ダンジョンから漏れ出しているモノに重さがないとこが確認できた。
ダンジョンの出入り口を中心に、半円球にドローンが破壊された。
モンスターにどれくらい近づいたかで攻撃されるのではない。
ダンジョンの出入り口にどれだけ近づいたかで攻撃されるのだ。
そして、ダンジョンの出入口から110メートル離して降下させたドローンは、魔術攻撃を受けなかった。
破壊されることなく無事に戻って来た!
「これはこれで深刻ですね」
「そうですね、ダンジョンから漏れるモノが増えれば、モンスターが暴れられる範囲が広くなりますし、複数の出入口が現れたら、とんでもない事になります」
隊長は僕と同じ考えで、今後の事を真剣に心配している。
「次はどのような攻撃が効果的なのか、どれくらい離れたらモンスターから反撃されることなく攻撃できるか、確かめないといけません」
「命がけになりますね」
「はい、ですから無理に参加していただかなくても良いです。
自衛隊の方々は、僕の護衛に来てくださっていますから」
「そういう訳には行きませんよ、我々も参加します。
民間人を見殺しにするようでは、自衛官に志願した意味がありません」
「でも、まずは日本政府に命令してもらいましょう。
モスクワ臨時政府と沿海地方政府の許可ももらいましょう。
外国で実弾発砲するのなら、野党対策は十分にしておくべきですよね?」
☆宝船竜也のライブ動画
Rafael:すごいぞ、ダンジョンから出たモンスターとの戦いだ!
藤河太郎:こんなものが見られるとは思ってもいなかった。。
雷伝五郎:どうなると思う?
Benno:魔術を使えるほどのモンスターだと、小銃段程度では倒せないだろう。
ノンバア:普通に考えたらそうよね。
ゆうご:普通ではないと言いたいのか?
藤河太郎:そうだな、とても普通だとは思えない。
雷伝五郎:どう違っていると思う?
Rafael:ダンジョンから漏れている力によってモンスターの力が決まるなら?
Benno:浅い階層ほど力がないと思われる。
ノンバア:まして外に漏れ出ている力だけを利用しているなら、弱いはず!
ゆうご:浅層のモンスターのように小銃弾でも倒せると言うのだな?
Rafael:その可能性は高いが、思い込みは死につながるからなぁ~
藤河太郎:竜也君なら思い込みで隙を作ったりはしないだろう?
雷伝五郎:現役レンジャー部隊が油断するとも思えない。
ノンバア:始まったぞ!
Rafael:350メートル離れた場所からの連続射撃か!
Benno:小銃弾の効果がなかった時に逃げる為だな。
ゆうご:これくらい離れていたら十分逃げられるだろう。
藤河太郎:逃亡用の車両、エンジンをかけたままにしている。
雷伝五郎:運転手も残っているしドアも開けたままだ。
Rafael:細かい事だが、最悪の状況を想定して逃げられるようにしている。
Benno:これができるかどうかで生存率が違ってくるのだろう。
ノンバア:口だけ勇ましい冒険者崩れと大違いね!
藤河太郎:本物の歴戦の勇士は憶病だというからな。
雷伝五郎:そんな勇士ほど女にモテないのだよなぁ~
Rafael:本性は憶病な乱暴者ほどモテる。
Benno:見る眼のない女性が多いからなぁ~
ノンバア:男も見た目だけの女に集まっているよ!
雷伝五郎:あ、忘れるな、サイレントリュウヤが見ているぞ
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