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2章

40話

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「摂政殿下。
 私にも一族にも異論はありません。
 ありがたく御受けさせていただきます」

「賢明な判断感謝します」

 苦いモノがこみあげてきます。
 メイソン殿とベイリー家には無理難題を押し付けました。
 国のために王族としてやらねばならない事だと分かっていますが、人として恥ずべき行為なのは十分承知しています。

 時間が限られていたので、条件闘争は厳しかったです。
 ミルドレッド王家の要望は百パーセント飲まされました。
 ですが、昔からの家臣も、有力貴族も頑張ってくれたと思います。
 ドレイク王国が我が国に協力してくれて、ミルドレッド王国に強く要望を出してくれたのも助けになりました。
 もちろんドレイク王国は、我が国にはもっと強い要望を出してきました。
 まあ、ドレイク王国が一番時間的に余裕がありますから、それが当然でしょう。
 一番立場が弱かったのはマイヤー王国です。
 三カ国すべてに王女と王の養女にした有力貴族の娘を、人質として嫁がせたのです。

 ですがマイヤー王国にしても思惑があります。
 万が一国が滅亡することがあっても、王女達を他国に人質として送る事で、血を残すという事です。
 有力貴族も同じでしょう。
 それに、マイヤー王家と有力貴族が裏切らないという約束にもなるでしょう。

 私はドレイク王国から婿を取ることになりました。
 王子ではなく、国王の甥で公爵家を継ぐはずだったハンザ殿です。
 代償としてホワイト王国の公爵位を与えなくてはいけません。
 持参金は各王家が負担しました。
 結構な負担です。
 台所領も大きな負担でした。
 ですが国境を変更するのは色々と問題があるので、台所領の交換という形をとりました。
 過不足する分は、持参金で調節しました。
 後は約束を滞りなく実行するだけです。
 国内外の反対と妨害を押さえ込まなければなりません!

「ホワイト王家」
メイソンを養子にしてマイヤー王国に婿入りさせる。
ベイリー旧王家の娘を養女にしてミルドレッド王家に嫁がせる。
ベイリー旧王家の娘を養女にしてドレイク王家に嫁がせる。
ペラム伯爵家の娘を養女にしてミルドレッド王家に嫁がせる。
フィンチ伯爵家の娘を養女にしてドレイク王家に嫁がせる。
ドレイク王国の王女を国王の側室として向かえる。
ドレイク王国のハンザ公爵をアルフィンの婿として向かえる。
「ベイリー旧王家」
メイソン:ホワイト王家の養子としてマイヤー王家の王女に婿入り
一族公女:ホワイト王家の養女としてミルドレッド王家に嫁ぐ。
一族公女:ホワイト王家の養女としてドレイク王家に嫁ぐ。
「ミルドレッド王家」
ベイリー旧王家の娘をホワイト王家の養女にして王族の正室に向かえる。
ペラム伯爵家の娘をホワイト王家の養女にして王族の正室に向かえる。
王女をドレイク王国の王族の正室として嫁がせる。
「ドレイク王国」
王子をホワイト王家に王配として婿入りさせる。
王女をホワイト王家の側室として嫁入りさせる。
ミルドレッド王国の王女を王族の正室として向かえる。
「マイヤー王国」
王女と国王の養女にした有力貴族の娘をホワイト王家に嫁がせる。
王女と国王の養女にした有力貴族の娘をミルドレッド王家に嫁がせる。
王女と国王の養女にした有力貴族の娘をドレイク王家に嫁がせる。
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