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冒険者村

アグネスは嫌々期

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「訓練して欲しいみゃ」

「どうしたアグネス?」

「訓練して欲しいみゃ」

「白虎と一緒に狩りをして、十分訓練しているじゃないか」

「主はオードリーと一緒に寝るのに、私と一緒に寝てくれないみゃ」

「アグネスはお腹一杯食べて、先に寝たよね?」

「後から来て一緒のベットに寝て欲しいみゃ、昨日は一緒に寝てくれなかったミャ」

「ごめんごめん、今日は一緒に寝るからね」

「昨日一緒に寝なかったみゃ、その分訓練して欲しいみゃ」

「う~ん、でも今日はもう予定が入っているんだよ」

「駄目ミャ! 一緒に訓練するミャ! 主は人間と訓練していたみゃ、でも私とは訓練してくれた事ないミャ!」

「人間と訓練していた? 俺が?」

「小さい人間と訓練していたミャ!」

「訓練? ああ、素振りを教えていただけだよ」

「私には教えてくれた事ないミャ!」

「あんなのは教えた内に入らないよ」

「私には教えてくれてないミャ」

「ミノル様、今日のご予定はどうしても急がなければいけないのでしょうか?」

「いやそんな事ないよ、オードリー」

「でしたらアグネスちゃんに訓練をしてあげてはどうでしょう。私のような女が急に現れて、ミノル様の側にいるのは、ずっと一緒にいたアグネスちゃんには許せなくて当然だと思うのです」

「そうだな、解放奴隷の子供たちの訓練は、少々遅くなっても大丈夫だろう。今のアグネスは、成長の過程で自我が目覚めかけておる。ここはアグネスを中心に考えてやるべきだな」

「セイ、世界樹のセイに、動物の成長過程が分かるのか?」

「あのなぁ~、我には多くの民がいるのだぞ、それこそ世界の始まりから、民を見てきたのだぞ」

「確かにセイの世界にもいろんな生物がいただろうが、天魔獣人を見るのは初めてなんじゃないのか?」

「確かにアグネスの種族である、天魔獣人の事は何も知らん。だがリサーチの魔法を使えば大概の事は分かる」

「なんだよ、リサーチを使ったのかよ。それでどうだった?」

「成長過程の自然な反応だそうだ」

「なんだそれは? 反抗期みたいなものか?」

「知りたければミノルもリサーチ魔法を使えばいいではないか」

「嫌だよ、そんな人の心を覗くような真似」

「早く訓練して欲しいミャ! 私をほったらかして話さないミャ!」

「ごめんごめん、でも朝御飯を食べなくていいのかい?」

「食べるみゃ、朝ご飯を食べてから訓練するみゃ」

「よしよし、朝御飯から食べたいんだね?」

「そうみゃ、朝御飯から食べるみゃ」

「何が食べたいんだい?」

「ベーコンエッグみゃ、ベーコンエッグとハンバーグが食べたいミャ」

「そうか、だったら今から作るから、待っていてくれるかな?」

「待つみゃ、でも直ぐ作るミャ」

「よしよし、直ぐ作ってあげるからね」

 ふむ、これがイヤイヤ期というものだろうか?
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