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アムラ王国・テトラ街
子弟の絆
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テトラ冒険者ギルド:ラーラとノーラ
「姉さん! お久し振りです、病気は治られたんですか?!」
「やあノーラ、久し振りだね、おかげさんで元通り以上に元気になったよ。それはそうと、リーナの件では世話になったね」
「本当によかったです、あの弱弱しい字を見た時には、もう2度とお会いできないかと心配しておりました」
「やっぱりバレていたんだね」
「まあ、あの字ですから。本当は直ぐにでもお伺いするべきだったんですが、役所との交渉でここを離れられなかったんで、申し訳ありません」
「いや、いいよ、いいよ、運よく村を立ち寄った冒険者が家にも来てくれてね。リーナも最悪1人でここまで来る心算だったそうなんだけど、冒険者に頼んで連れて来てもらったそうなんだ」
「姉さん、何か話がおかしいんですが?」
「何がだい?」
「リーナに私への紹介状を渡されたんですよね?」
「あれは1カ月以上前に書いたもので、ここ最近は死にかけて寝たきりだったんでね」
「えぇぇ! 字も書けないほどの寝たきりだったんですか!」
「ああ、私も旦那もいつ死んでもおかしくない状態だったね」
「でも、そんな、今ピンピンされてるじゃないですか?」
「何素人みたいなこと言ってるんだい、死にかけていた者が一瞬で全快するのが治癒魔法じゃないか」
「あぁそうですね、治癒魔法なら元通りになりますね。でも姉さんは治癒魔法が苦手だったんじゃないですか?」
「ほんとアンタは馬鹿だね、他の魔法使いに治してもらったに決まってるじゃないか。それに私自身が死にかけていたんだから、私は魔法が使えるような状態じゃなかったんだよ」
「しかしテトラ周辺の魔法使いに、それほどの治癒魔法の使い手がおられましたか?」
「なんだい、ミノル様の事を知らないなんて、もうちょっと情報収集に力を入れないと、いざという時に不覚をとるよ」
「えぇぇぇぇ、ミノルですか!」
「ノーラ! ミノル様を呼び捨てにするとは何事だ! ぶち殺すよ!」
「すみません! 姉さん」
「ちっ! 今度呼び捨てにしたら破門だよ! 私達家族はアンタとの縁を切るからね」
「そんなぁ、姉さぁん」
「姉さんもへったくれもないよ、ミノル様が助けて下さらなかったら、今頃は私も旦那も死んでいたし、子供達も奴隷として売り払われていたよ」
「まさか? そんな酷い状態だったんですか?!」
「そうなんだよ、村長の糞野郎と腰巾着の恩知らず村人が、寄って集ってエルマを罠に嵌めようとしやがったんだよ!」
「そこまで酷い状態だったんなら、私達に話して下さればよかったんじゃないですか」
「何を偉そうなことを言ってるんだい、あんた達はゴーランに押されて小さくなってたじゃないかい」
「それは、確かに大手を振って動けはしませんでしたが、それでもそれなりには手助けできましたよ」
「まあ家のエルマは優し子だからね、ノーラに迷惑かけたくないと思ったんだろうよ」
「すみません、姉さん。私らが頼りないばかりに、あれほど御世話になった姉さん一家に何も御返し出来なくて」
「仕方のないよ、それが冒険者だよ」
「そんな、姉さん」
「冒険者は実力が全てさ! 実力以上の相手を敵に回したら死ぬだけさ」
「姉さん・・・・・」
「それが嫌なら鍛えるしかなんだよ! 自分の理想や正義を押し通したければ力を持つしかないんだ」
「はい、姉さん! 今から心を入れ替えて修行させていただきます。ですからまた色々と教えて下さい」
「そりゃあ駄目だね」
「そんな! 何でですか姉さん!」
「今はミノル様への恩を返さなきゃならない。いや、命の恩は命で返さなきゃならないんだ。ミノル様が命に危険にさらされることなどありえないから、私も旦那も死ぬまでミノル様の為に働きゃなきゃ、恩を返しようがないんだよ」
「それじゃあ姉さんも旦那さんも、まるでミノル、いえ、ミノル、さ、ま、の奴隷じゃないですか!」
「ノーラ、いい加減におし、ミノル様に命じられてやる訳じゃないんだよ。これは私やダルダーロの冒険者として、いや、人間としてのケジメなんだよ。こんな人として当たり前の大切なことも分からない人間と、言葉を交わすのも汚らわしいよ。これでアンタとの縁も無しだね」
「ごめんなさい姉さん、もう2度と言いません、許して下さい」
「貴方、行きますよ」
「ああそうだね、お前」
「姉さん、旦那さん、私が悪かったです、身の程をわきまえず言い過ぎました、許して下さい」
「・・・・・」
「姉さん!」
「いいのかいお前?」
「何がですか、貴方」
「いや、その、ノーラは幼い新人の頃から可愛がっていたんだろ」
「だからですよ」
「どう言う事だい?」
「私達が引退して十数年、ノーラも世間の荒波にもまれた所為か、人として大切な事を忘れているようです。それを思いださせてやるのも年長者の責任ですよ」
「それはそうだが、現実に合わせて多少の駆け引きは必要だろう」
「それはそうですよ、でもノーラがミノル様に当たるのは嫉妬でしかありません」
「そうなのか?」
「そうなのですよ、自分の力を過信する心と、ゴーラン一派の権力に屈するしかなかった屈辱を、全てを正したミノル様への不当な反感に向けて、自分を正当化しようとしているのです。そのような愚かな考えは、元師匠として正してやらねばなりません」
「それであれほど厳しく言い放ったのか」
「私達が恩有る身でなければ、つきっきりで鍛え直してあげるんですが、今は見習達を教育しなければならない立場です」
「そうか、そうだね、見習達を1日でも早く1人前にして。ミノル様が望まれるように、自由に旅できるようにしなきゃいけないからな」
「ミノル様から見れば、私達など卑小な存在でしかないでしょう。そんな私達に、一旦護ると約束した見習や新人達を任せきることなど、心配で心配で出来るはずもない事です」
「それは余りに卑屈な考えではないか?」
「貴方は本当に御気楽な人ですね」
「何がだい?」
「貴方は御神木様をどう考えているのです」
「そりゃあ人に優しい強大な樹木型モンスターだろう」
「本当に愚かな人ですね、御神木様は、恐らく伝説の世界樹の末裔でしょう」
「えぇえええええ、あの伝説の世界樹かぁ!」
「静になさい! 声が大きすぎます」
「ぁぁ、それはごめん」
「伝説の世界樹の末裔に、自分が守ると約束した見習や新人達の世話係をやらせておられるミノル様が、いったいどれほどの存在なのか、いくらあなたが御目出度い人でも想像できるでしょう」
「伝説の世界樹の末裔を顎で仕える存在……想像できん」
「もう! 困った人ですね。私達家族も、見習や新人達も怖いくらい幸運なのですよ。このままミノル様の弟子として修行をつけて頂けたとしてら、それこそ伝説に残るような冒険者になれるかもしれないのですよ」
「そうなのか? それりゃあ子供達のためにも誠心誠意御仕えしないといけないが、だからと言って、その為にノーラを見捨てると言うのはなぁ」
「貴方! 誰がノーラを見捨てると言ったんです!」
「いや、だって、お前」
「本当に貴方は御目出度いですね、このままノーラが不当な反感をミノル様に向け続けたら、ノーラはミノル様に殺されてしまうかもしれないのですよ!」
「まさか? ミノル様があんな小娘相手に本気で怒られる事はないだろう」
「嫉妬や反感を軽く考えてはいけませんよ、精神のバランスが崩れてしまった時、普段では考えられないような愚かなことをしてしまう事があるものです。ノーラがそれをミノル様に向けた時、反射的にミノル様がノーラを殺してしまわれる事もあるのですよ」
「俺はミノル様がそんな事をなされるとは思えないがな~」
「ノーラの姉御、どうするんですか?」
「私は姉さんの元で修行し直すよ」
「そんな! パーティーはどうするんですか?! 姉さんがいなくなったら誰がパーティーを指揮するんです?」
「そんな事は皆できめりゃあいいだろう、私は姉さんに根性鍛え直してもらうんだ!」
「そんな! 私達も連れて行って下さいよ~」
「姉さん! お久し振りです、病気は治られたんですか?!」
「やあノーラ、久し振りだね、おかげさんで元通り以上に元気になったよ。それはそうと、リーナの件では世話になったね」
「本当によかったです、あの弱弱しい字を見た時には、もう2度とお会いできないかと心配しておりました」
「やっぱりバレていたんだね」
「まあ、あの字ですから。本当は直ぐにでもお伺いするべきだったんですが、役所との交渉でここを離れられなかったんで、申し訳ありません」
「いや、いいよ、いいよ、運よく村を立ち寄った冒険者が家にも来てくれてね。リーナも最悪1人でここまで来る心算だったそうなんだけど、冒険者に頼んで連れて来てもらったそうなんだ」
「姉さん、何か話がおかしいんですが?」
「何がだい?」
「リーナに私への紹介状を渡されたんですよね?」
「あれは1カ月以上前に書いたもので、ここ最近は死にかけて寝たきりだったんでね」
「えぇぇ! 字も書けないほどの寝たきりだったんですか!」
「ああ、私も旦那もいつ死んでもおかしくない状態だったね」
「でも、そんな、今ピンピンされてるじゃないですか?」
「何素人みたいなこと言ってるんだい、死にかけていた者が一瞬で全快するのが治癒魔法じゃないか」
「あぁそうですね、治癒魔法なら元通りになりますね。でも姉さんは治癒魔法が苦手だったんじゃないですか?」
「ほんとアンタは馬鹿だね、他の魔法使いに治してもらったに決まってるじゃないか。それに私自身が死にかけていたんだから、私は魔法が使えるような状態じゃなかったんだよ」
「しかしテトラ周辺の魔法使いに、それほどの治癒魔法の使い手がおられましたか?」
「なんだい、ミノル様の事を知らないなんて、もうちょっと情報収集に力を入れないと、いざという時に不覚をとるよ」
「えぇぇぇぇ、ミノルですか!」
「ノーラ! ミノル様を呼び捨てにするとは何事だ! ぶち殺すよ!」
「すみません! 姉さん」
「ちっ! 今度呼び捨てにしたら破門だよ! 私達家族はアンタとの縁を切るからね」
「そんなぁ、姉さぁん」
「姉さんもへったくれもないよ、ミノル様が助けて下さらなかったら、今頃は私も旦那も死んでいたし、子供達も奴隷として売り払われていたよ」
「まさか? そんな酷い状態だったんですか?!」
「そうなんだよ、村長の糞野郎と腰巾着の恩知らず村人が、寄って集ってエルマを罠に嵌めようとしやがったんだよ!」
「そこまで酷い状態だったんなら、私達に話して下さればよかったんじゃないですか」
「何を偉そうなことを言ってるんだい、あんた達はゴーランに押されて小さくなってたじゃないかい」
「それは、確かに大手を振って動けはしませんでしたが、それでもそれなりには手助けできましたよ」
「まあ家のエルマは優し子だからね、ノーラに迷惑かけたくないと思ったんだろうよ」
「すみません、姉さん。私らが頼りないばかりに、あれほど御世話になった姉さん一家に何も御返し出来なくて」
「仕方のないよ、それが冒険者だよ」
「そんな、姉さん」
「冒険者は実力が全てさ! 実力以上の相手を敵に回したら死ぬだけさ」
「姉さん・・・・・」
「それが嫌なら鍛えるしかなんだよ! 自分の理想や正義を押し通したければ力を持つしかないんだ」
「はい、姉さん! 今から心を入れ替えて修行させていただきます。ですからまた色々と教えて下さい」
「そりゃあ駄目だね」
「そんな! 何でですか姉さん!」
「今はミノル様への恩を返さなきゃならない。いや、命の恩は命で返さなきゃならないんだ。ミノル様が命に危険にさらされることなどありえないから、私も旦那も死ぬまでミノル様の為に働きゃなきゃ、恩を返しようがないんだよ」
「それじゃあ姉さんも旦那さんも、まるでミノル、いえ、ミノル、さ、ま、の奴隷じゃないですか!」
「ノーラ、いい加減におし、ミノル様に命じられてやる訳じゃないんだよ。これは私やダルダーロの冒険者として、いや、人間としてのケジメなんだよ。こんな人として当たり前の大切なことも分からない人間と、言葉を交わすのも汚らわしいよ。これでアンタとの縁も無しだね」
「ごめんなさい姉さん、もう2度と言いません、許して下さい」
「貴方、行きますよ」
「ああそうだね、お前」
「姉さん、旦那さん、私が悪かったです、身の程をわきまえず言い過ぎました、許して下さい」
「・・・・・」
「姉さん!」
「いいのかいお前?」
「何がですか、貴方」
「いや、その、ノーラは幼い新人の頃から可愛がっていたんだろ」
「だからですよ」
「どう言う事だい?」
「私達が引退して十数年、ノーラも世間の荒波にもまれた所為か、人として大切な事を忘れているようです。それを思いださせてやるのも年長者の責任ですよ」
「それはそうだが、現実に合わせて多少の駆け引きは必要だろう」
「それはそうですよ、でもノーラがミノル様に当たるのは嫉妬でしかありません」
「そうなのか?」
「そうなのですよ、自分の力を過信する心と、ゴーラン一派の権力に屈するしかなかった屈辱を、全てを正したミノル様への不当な反感に向けて、自分を正当化しようとしているのです。そのような愚かな考えは、元師匠として正してやらねばなりません」
「それであれほど厳しく言い放ったのか」
「私達が恩有る身でなければ、つきっきりで鍛え直してあげるんですが、今は見習達を教育しなければならない立場です」
「そうか、そうだね、見習達を1日でも早く1人前にして。ミノル様が望まれるように、自由に旅できるようにしなきゃいけないからな」
「ミノル様から見れば、私達など卑小な存在でしかないでしょう。そんな私達に、一旦護ると約束した見習や新人達を任せきることなど、心配で心配で出来るはずもない事です」
「それは余りに卑屈な考えではないか?」
「貴方は本当に御気楽な人ですね」
「何がだい?」
「貴方は御神木様をどう考えているのです」
「そりゃあ人に優しい強大な樹木型モンスターだろう」
「本当に愚かな人ですね、御神木様は、恐らく伝説の世界樹の末裔でしょう」
「えぇえええええ、あの伝説の世界樹かぁ!」
「静になさい! 声が大きすぎます」
「ぁぁ、それはごめん」
「伝説の世界樹の末裔に、自分が守ると約束した見習や新人達の世話係をやらせておられるミノル様が、いったいどれほどの存在なのか、いくらあなたが御目出度い人でも想像できるでしょう」
「伝説の世界樹の末裔を顎で仕える存在……想像できん」
「もう! 困った人ですね。私達家族も、見習や新人達も怖いくらい幸運なのですよ。このままミノル様の弟子として修行をつけて頂けたとしてら、それこそ伝説に残るような冒険者になれるかもしれないのですよ」
「そうなのか? それりゃあ子供達のためにも誠心誠意御仕えしないといけないが、だからと言って、その為にノーラを見捨てると言うのはなぁ」
「貴方! 誰がノーラを見捨てると言ったんです!」
「いや、だって、お前」
「本当に貴方は御目出度いですね、このままノーラが不当な反感をミノル様に向け続けたら、ノーラはミノル様に殺されてしまうかもしれないのですよ!」
「まさか? ミノル様があんな小娘相手に本気で怒られる事はないだろう」
「嫉妬や反感を軽く考えてはいけませんよ、精神のバランスが崩れてしまった時、普段では考えられないような愚かなことをしてしまう事があるものです。ノーラがそれをミノル様に向けた時、反射的にミノル様がノーラを殺してしまわれる事もあるのですよ」
「俺はミノル様がそんな事をなされるとは思えないがな~」
「ノーラの姉御、どうするんですか?」
「私は姉さんの元で修行し直すよ」
「そんな! パーティーはどうするんですか?! 姉さんがいなくなったら誰がパーティーを指揮するんです?」
「そんな事は皆できめりゃあいいだろう、私は姉さんに根性鍛え直してもらうんだ!」
「そんな! 私達も連れて行って下さいよ~」
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