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「王太子殿下、国王陛下を送って差し上げてください。
臣はこの淫売と話をつけなければいけません」
「うむ、任せたぞ、侯爵。
では参りましょうか、父王陛下」
王太子が慌てて出ていきます。
急いで国王を後宮まで送り届け、その足でアーダに会いに行くのでしょう。
そんな他人の事よりも、問題は私ですよね。
私を本気で殺すつもりでいるのは、ドゼル侯爵の目を見れば分かります。
それも、ただ殺すつもりではないようですね。
眼が獣欲でギラギラしています。
「ウへへへへへ。
これでようやく二人きりになれたな。
ただで死ねると思うなよ。
あれほど私をコケにしてくれたのだ。
散々いたぶって、殺してくれと哀願するくらい苦しめてやる」
やっぱりですか。
母上が毒殺されたのも、ドゼル侯爵の誘いを断ったからだという噂を聞いた事がありますが、言いなりになっても殺されていたでしょう。
ドゼル侯爵の目的は、キレナ公爵家に妹を送り込み、乗っ取ることでもあったのですから。
「誰が哀願するというのです?
貴男のような恥知らすと一緒にしないでほしいですね。
私には貴族の誇りがあるのです。
その誇りを胸に、最後まで戦い抜きます」
「ふん!
大言壮語もたいがいにするがいい。
ただ普通に抱くだけでは許さん!
この世にあるすべての屈辱的な犯し方をしてやる。
人間だけではないぞ。
ありとあらゆる獣をけしかけて犯させてやる!」
やはりそう言いますよね。
このゲスなら、こう言うと思っていました。
でもそう簡単に言いなりにはなりません。
私には守護神様がついてくれているのです。
ロキ神の護るこの国では、私を護りたくても全力を出せないと伝えてくださって、色々な知識と技と神具を授けて下さったのです。
「やれるものならやってもらいましょうか。
私にも母上の敵をとるために鍛え抜いた技があります。
そう簡単に負けはしません」
「ふん!
大きくでたな。
何か隠し玉があるのだろが、ムダなことよ。
本当に一人で相手をすると信じていたのか?
大勢の見物人がいる前で、嬲り者にしてやるよ。
おい、入ってこい」
私の油断でした。
私の考えがまだ常識にとらわれていました。
ドゼル侯爵がゲスなのは分かっていましたが、ここまで下劣だとは思っていませんでした。
事もあろうに、王家を裏切らせて味方に引き入れた、近衛騎士や近衛徒士と一緒に私を犯そうとするとは、想像もしていませんでした。
守護神様が与えて下さった神具を使っても、二十数人の敵を相手に貞操を守りきれるとは思えないのです。
ですが、そう簡単に全てを諦める訳にはいけません!
臣はこの淫売と話をつけなければいけません」
「うむ、任せたぞ、侯爵。
では参りましょうか、父王陛下」
王太子が慌てて出ていきます。
急いで国王を後宮まで送り届け、その足でアーダに会いに行くのでしょう。
そんな他人の事よりも、問題は私ですよね。
私を本気で殺すつもりでいるのは、ドゼル侯爵の目を見れば分かります。
それも、ただ殺すつもりではないようですね。
眼が獣欲でギラギラしています。
「ウへへへへへ。
これでようやく二人きりになれたな。
ただで死ねると思うなよ。
あれほど私をコケにしてくれたのだ。
散々いたぶって、殺してくれと哀願するくらい苦しめてやる」
やっぱりですか。
母上が毒殺されたのも、ドゼル侯爵の誘いを断ったからだという噂を聞いた事がありますが、言いなりになっても殺されていたでしょう。
ドゼル侯爵の目的は、キレナ公爵家に妹を送り込み、乗っ取ることでもあったのですから。
「誰が哀願するというのです?
貴男のような恥知らすと一緒にしないでほしいですね。
私には貴族の誇りがあるのです。
その誇りを胸に、最後まで戦い抜きます」
「ふん!
大言壮語もたいがいにするがいい。
ただ普通に抱くだけでは許さん!
この世にあるすべての屈辱的な犯し方をしてやる。
人間だけではないぞ。
ありとあらゆる獣をけしかけて犯させてやる!」
やはりそう言いますよね。
このゲスなら、こう言うと思っていました。
でもそう簡単に言いなりにはなりません。
私には守護神様がついてくれているのです。
ロキ神の護るこの国では、私を護りたくても全力を出せないと伝えてくださって、色々な知識と技と神具を授けて下さったのです。
「やれるものならやってもらいましょうか。
私にも母上の敵をとるために鍛え抜いた技があります。
そう簡単に負けはしません」
「ふん!
大きくでたな。
何か隠し玉があるのだろが、ムダなことよ。
本当に一人で相手をすると信じていたのか?
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おい、入ってこい」
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ドゼル侯爵がゲスなのは分かっていましたが、ここまで下劣だとは思っていませんでした。
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守護神様が与えて下さった神具を使っても、二十数人の敵を相手に貞操を守りきれるとは思えないのです。
ですが、そう簡単に全てを諦める訳にはいけません!
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