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27話
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「フェルドナンド殿。
ファンケン公爵家の従属爵位、リポン侯爵家の世襲を認めます。
ファンケン公爵家が新たに得た未開地の内、三千万石分を領地として与えます」
「ありがたき幸せでございます」
簡単なあいさつです。
とても今回の黒幕に対する褒美とは思えません。
ですがこれがフェルドナンドとの約束です。
サンアリステラ皇国に悟られないようにするためです。
隠し通せるものではないと思いますが、時間稼ぎしたいのでしょう。
フェルドナンドに関しては、従属爵位として内々にすませましたが、従属爵位から独立した王家の爵位に改めた、エヴァ侯爵家のエヴァには、王宮で大々的に陞爵の儀式を執り行った。
フェルドナンドの事を隠す意味もありましたが、長年辛い想いをしてきたエヴァに幸せになってもらいたいという想いが強かったのです。
それにエヴァには、私が女王に戴冠したサンファンケーン王国の宰相を務めてもらわないといけません。
アキーレヌに反感を持ち、剣を向けた貴族士族だからといって、私に忠誠心を持ってくれるとは限らないのです。
私が心から信じられるのは、エヴァだけなのです。
今回の件も、エヴァが全て取り仕切ってくれました。
貴族家の力を抑えるためにも、褒美を少なく抑えるためにも、アキーレヌに愛想をつかしていた王家直属士族だけを使って、アキーレヌと一味を滅ぼしました。
ジャンバッティスタ辺境伯家、バルフォア侯爵家、フィールド伯爵家、ベアリング伯爵家などの王都駐留領主軍を全滅させ、領地にまで遠征して一族一門を根絶やしにし、城地をサンファンケーン王家の直轄領としました。
そのうちの半分は、戦ってくれた王家直属士族の褒美に与えました。
徒士家は騎士家とし、騎士家は準男爵家とし、準男爵家は男爵家としました。
特に働いてくれた士族家には、分家を認めて徒士家としました。
徒士家の数が足らなくなったからです。
もっとも、不足する王家直属徒士家は。ファンケン公爵家の家臣からサンファンケーン王家の直臣に取立てた徒士家が多かったです。
カラッテ王家の直属だった士族たちはよく戦ってくれました。
旗幟を鮮明にせず、隣国やアキーレヌにも臣従する姿勢を見せていた貴族家は、容赦せずに滅ぼしたのですが、その時にも命懸けで戦ってくれました。
加増や家格上昇を恩に感じてくれたのでしょう。
お陰でジャンバッティスタ辺境伯家たちの時以上に多くの貴族領を、サンファンケーン王家の直轄領とすることができました。
お陰で領地の統廃合に、領界の変更、検地まですることができました。
ファンケン公爵家の従属爵位、リポン侯爵家の世襲を認めます。
ファンケン公爵家が新たに得た未開地の内、三千万石分を領地として与えます」
「ありがたき幸せでございます」
簡単なあいさつです。
とても今回の黒幕に対する褒美とは思えません。
ですがこれがフェルドナンドとの約束です。
サンアリステラ皇国に悟られないようにするためです。
隠し通せるものではないと思いますが、時間稼ぎしたいのでしょう。
フェルドナンドに関しては、従属爵位として内々にすませましたが、従属爵位から独立した王家の爵位に改めた、エヴァ侯爵家のエヴァには、王宮で大々的に陞爵の儀式を執り行った。
フェルドナンドの事を隠す意味もありましたが、長年辛い想いをしてきたエヴァに幸せになってもらいたいという想いが強かったのです。
それにエヴァには、私が女王に戴冠したサンファンケーン王国の宰相を務めてもらわないといけません。
アキーレヌに反感を持ち、剣を向けた貴族士族だからといって、私に忠誠心を持ってくれるとは限らないのです。
私が心から信じられるのは、エヴァだけなのです。
今回の件も、エヴァが全て取り仕切ってくれました。
貴族家の力を抑えるためにも、褒美を少なく抑えるためにも、アキーレヌに愛想をつかしていた王家直属士族だけを使って、アキーレヌと一味を滅ぼしました。
ジャンバッティスタ辺境伯家、バルフォア侯爵家、フィールド伯爵家、ベアリング伯爵家などの王都駐留領主軍を全滅させ、領地にまで遠征して一族一門を根絶やしにし、城地をサンファンケーン王家の直轄領としました。
そのうちの半分は、戦ってくれた王家直属士族の褒美に与えました。
徒士家は騎士家とし、騎士家は準男爵家とし、準男爵家は男爵家としました。
特に働いてくれた士族家には、分家を認めて徒士家としました。
徒士家の数が足らなくなったからです。
もっとも、不足する王家直属徒士家は。ファンケン公爵家の家臣からサンファンケーン王家の直臣に取立てた徒士家が多かったです。
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加増や家格上昇を恩に感じてくれたのでしょう。
お陰でジャンバッティスタ辺境伯家たちの時以上に多くの貴族領を、サンファンケーン王家の直轄領とすることができました。
お陰で領地の統廃合に、領界の変更、検地まですることができました。
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