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第一章

第6話:大活躍

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 私の前ではアーネスト皇太子殿下と騎士団が獅子奮迅の活躍をしています。
 お陰で私も一息つく事ができました。
 本当はお風呂に入って体を温め、広いベットで手足を広げて眠りたいのですが、残念ながらそこまでの余裕はありません。
 ダンジョンの床に腰を下ろして、一分二分と小刻みに仮眠をとるだけです。

「第一隊は第十隊と交代して最前線に出ろ。
 第十隊は食事をして仮眠をとれ」

 アーネスト皇太子殿下は騎士団を十の騎士隊に分けて、最前線で戦う隊と支援する隊、万が一の時に後詰をする隊、一階層に湧くモンスターを狩る隊、食事や休息する隊に分けています。
 そのお陰で、騎士に無理な負担をかけることなく、長時間戦う事ができます。
 まあ、深層級のモンスターを私が攻撃魔術で狩っているからできることです。
 深層級のモンスターを騎士団が倒そうと思えば、多くの負傷者をだしてしまい、今頃は外にモンスターが溢れてしまっていたでしょう。

「第二騎士団参りました、直ぐに交代します」

 援軍が来たようですが、急にここの危険な流れにはついて行けないと思います。
 下手に交代させてしまったら、一気に戦線が崩壊してしまい、モンスター外に溢れさせてしまいます。

「第二騎士団は隊ごとに分かれて支援にまわれ。
 ここは一瞬の油断と失敗が国を滅ぼす急所だ。
 直ぐに状況を体と頭に叩きこめ」

「「「「「はっ」」」」」

 アーネスト皇太子殿下は現状をよく理解しておられるようです。
 最前線はここの現状を嫌というほど知っている第一騎士団の隊に任せて、第二騎士団の隊には支援役と一階層に湧くモンスターを斃させています。

「団長、隊長、現状を説明する」

「「「「「はっ」」」」」

「ダンジョンボスです、最下層のボスが現れました!」

 騎士達が絶叫しています。
 見たことはなくても、騎士たる者、モンスターの特徴くらいは知っているようで、一目で正体を理解したようです。

「ラマーニュ殿、斃せるか?!」

 アーネスト皇太子殿下が、私にダンジョンボスを単独で斃せるか確認します。
 本当は逃げる時の魔力を残しておきたいので、今直ぐ逃げたいのですが、皇太子の身で最前線にまで出てきて指揮を取る殿下に敬意を表さないといけませんからね。
 魔力はごっそりと使う事になりますが、斃してあげましょう。

「任せてください」

 私は無詠唱で即死魔法を発動しました。
 呪いの魔術なので、比較的魔力を必要としないのです。
 理由は失敗した時には全くモンスターの体力を削っていないからです。
 他の魔術なら、強固な外骨格に阻まれようと、多少はケガをさせて体力を削る事ができるからです。

 ズッシーン

 巨体が倒れて大きな音と衝撃がダンジョン中に駆けまわります。
 新着の第二騎士団は当然として、一緒に戦ってきた第一騎士団も驚愕の表情を浮かべているが、ま、仕方ないね。
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