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第一章

第6話:弑逆・王太子視点

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「ぐっ、はっ、ぎゃく……」

 愚王でも一応父親だ、苦しまないように、心臓を一撃で貫いて殺してやった。
 俺の事を逆賊と言おうとしたのだろうが、お前が神に対する逆賊だ。
 聖女にあれほどの無理難題を吹っかけて、これだけの天罰を受けたのだから。
 いや、あれは、真聖女と大聖女の報復だろうな。

「殿下、なんという事をなされたのでございますか、これは弑逆、大逆の罪でございますぞ!」

 愚王の取り巻きが、自分達の利権を護ろうと考えて、俺を廃して言いなりにできる幼君を担ごうと、とっさに考えたのだろう、騒ぎ出した。

「聖女神殿に無礼を繰り返し、神の怒りを買い、この国を滅亡の危機に陥れた愚王は、私が成敗した。
 次は愚王と共にこの国を滅亡させた佞臣の成敗だ。
 救国の勇者達よ、この佞臣どもの首を刎ねよ!」

 一瞬躊躇いを見せた近衛騎士達だったが、直ぐに佞臣共を攻撃しだした。
 後は王族を皆殺しにして、聖女神殿と交渉だな。
 俺の命と引き換えに、魔獣などの災害を抑えてもらわなければいけない。
 王家直轄領と殺した佞臣共の領地を教会に寄進して、この国自体を聖女神殿に預ければ、もう二度とこのような不幸は起きないだろう。
 聖女王国はおかしいから、聖国や聖女国と名乗るのだろうな。

 せめて、もう一度だけでも、真聖女マーガレット殿に会いたかったな。
 未練だとは思うが、本当に恋焦がれていたのだ。
 まあ、それが俺の罪の始まりだ、それがなければ、もっと早く父の愚策を止めることができただろう。
 このような事になるだろうと思いながら、わずかに、もしかしたら、真聖女マーガレット殿を妻に迎えられるかもしれないと、思ってしまった私が誰よりも罪が重いという事は、自分自身が誰よりもよく分かっている。

「殿下、王家王国に蔓延っていた佞臣共は全員討ち取りました。
 今から屋敷に残っている家族を襲撃いたします」

「分かった、私が陣頭指揮をとり、この国を正す。
 その後で、この命を賭けて聖女神殿に詫びを入れ、魔獣からこの国を護ってもらうから、その方達も命懸けで仕えてくれ」

「「「「「はっ」」」」」

 さて、自分の大罪を誤魔化すためにも、最後の武勇を稼いで見せよう!
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みんなの感想(1件)

夢梨(ゆめり)

あらら( ̄▽ ̄;)ろくでなしは、実は父王だけだったという。結末面白かったꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)彼女らは、勿体ないねぇ。こんなに、神殿側を重んじ尊重してくれる頼もしい王太子だったのに……父王の愚弄さだけで、早合点解釈して見下してるって……。どうしようもない母娘だね( ̄▽ ̄;)この後、どう話し合って後処理したんでしょうね(^_^;)

克全
2021.02.19 克全

感想ありがとうございます。

もう内容を覚えていません、すみません。

解除

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