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5話

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「よくも我が愛するデイジーの舌を抜いてくれたな。
 絶対に許さない。
 だが簡単に死ねると思うなよ。
 生れてきたことを後悔するくらいの苦痛を与えてやる。
 殺してくれと懇願くするくらいの苦痛を与えてくれる。
 だが今のままでは痛みも苦しみも分からないだろう。
 まずは治してやる。
 治してから地獄の苦しみを味合わせてくれる。
 パーフェクトヒール」

 真金の騎士は、最初に大ケガで半死半生の男を完璧に治療した。
 治療した後で、無理矢理口を開けさせて舌を引き千切った。
 あまりの激痛に痙攣し失禁脱糞するのを無視して、そのまま拷問を続けた。
 鼻、耳、唇も引き千切り、鼓膜と眼玉を潰した。
 そして引き千切った舌の血で、壁に大きくメッセージを書きだした。
 だが一人の舌の血で書ける文字数など限られている。

 新たな男のパーフェクトヒールで癒し、同じように舌、鼻、耳、唇を引き千切り、鼓膜と眼玉を潰し、舌の血でメッセージの続きを書いた。
 同じように、その場にいる人間を、一人を残して全員拷問にかけた。
 最後に王太子にも同じことをやった。
 舌、鼻、耳、唇を引き千切り、鼓膜と眼玉を潰し、舌の血でメッセージの続きを書いたが、それでも血が足りない。
 というか、同じメッセージをいくつも書いた。

 だがまだ真金の騎士の怒りはおさまらなかった。
 王太子の爪を一枚ずつ剥がした。
 痛みを強く感じるように、微妙な力加減で剥がした。
 その後で、四肢の指を全て圧し潰した。
 ひと関節ごとに、人間の痛覚が多い指先から潰していった。
 だがここで反省した。

 だから再度パーフェクトヒールで王太子を完治させた。
 今度は眼が治って見えるようになった王太子に見せつけるように、王太子の腹を掴み破り、内臓を引き出し、激痛にのたうち回る王太子を尻目に、内臓で壁にメッセージを大書したのだが、後は同じだった。
 舌、鼻、耳、唇を引き千切り、鼓膜と眼玉を潰した。
 そしてまた一つ、血のメッセージを書いた。
 壁に書かれたメッセージの内容は、王への犯行予告だった。

「大陸一残虐非道で愚かな王へ。
 デイジーの舌を抜いた王子を許した事に対する罰をあたえる。
 王太子や取り巻きの与えたの同じ罰をあたえる。
 舌、鼻、耳、唇を引き千切り、鼓膜と眼玉を潰す。
 内臓を引き出し、犬に喰わせる。
 毎日毎夜訪れて、死の直前まで苦しませ、治療してやる。
 永劫の生き地獄を与えてくれる。
 真金の騎士」

 それを読んだ王は心底恐怖した。
 王太子や取り巻き達がの姿を見ただけで、拷問の痛みが想像できた。
 王は国内中の貴族士族に真金の騎士討伐命令を出した。
 真金の騎士を斃した者は、爵位を一つ上げるとまで言った。
 だが、ほとんどの貴族士族は動かなかった。
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