3 / 6
第一章
第3話:条件闘争
しおりを挟む
「どうです、父上、母上、私が調べさせた通り、最高の令嬢ですよ。
これだけ頭が切れるなら、私達で仕込めば、ソラリス侯爵家を支える侯爵夫人になってくれますよ」
私の推理と返事は、チャネラル卿の予想通りで、彼の条件を満たしたようです。
彼は事前に私を十分調べた上で、自分達の条件にあった政略決婚の相手として、評価してくれているようです。
でも、完全に思い通りに動くのは癪ですね。
「では、最高の令嬢にどんな条件を示してくれるのですか?」
私はできるだけ相手の考えを探ろうとしました。
「早速条件闘争、それもこちらの上限を探りに来たね。
その点は私も評価してあげるけど、でもそう簡単に教えはしないよ。
チャネラルが教える気でも、私には教える気はないんだよ」
ややこしいですね、今度は女傑マルガネラ夫人が相手ですか。
まあ、貴族の条件闘争ですから、そう簡単にはいかないですよね。
「では、分かっている事、決まっている事から話しましょう。
私が愛人との間に子供を作るのはいいのですね?」
チャネラル卿と侯爵は無表情、マルガネラ夫人がわずかに表情を歪めた。
先にチャネラル卿が認めてしまっているから、マルガネラ夫人も嫌々ながら認めるという事ですね。
「ソラリス侯爵家の人間とは認めないよ。
アンタと愛人との子供だと公表して、絶対にソラリス侯爵家とは関わらせない。
それでもいいのなら勝手に生みな」
チャネラル卿と侯爵は黙ってうなずきましたから、私は愛する人との間に子供を作ることができる、これは私の勝ちと言うべきか、チャネラル卿の温情ととるべきか?
「では、その子供の待遇ですが、ソラリス侯爵家の陪臣として取立ててもらえるのですか、それとも領民として金や土地を与えてもらえるのですか?」
「なに図々しい事言っているんだい、あんたと愛人の子供を、ソラリス侯爵家が陪臣に取立てる必要もなければ、金も土地もくれてやる義理はないよ。
アンタと愛人で何とかするんだね!」
「だとしたら、私は子供のためにも、相当な台所領と給与と一時金を、要求しなければいけませんね」
「何だって、図々しい奴だね、自分の今の立場を分かっているのかい?
下手をすれば王都の貧民街で売春婦をさせられる瀬戸際なんだよ。
犯罪者ギルドの取り立てに怯えることなく、奇麗なドレスが着れて、美味しい食事が食べられるだけでも感謝してもらいたいね!」
「私にも覚悟があります。
レイノルズ伯爵家の家名を残して私も幸せになるためなら、両親と兄を殺して、借金の肩代わりを条件に婿を迎える事もやってのけますよ。
犯罪者ギルドでも悪徳商人でも誰でもいい、伯爵の地位を手に入れられるのなら、貴族殺しも辞さない、金も惜しまない者はいるのではありませんか?」
さて、私のハッタリにどう対応してくるのでしょうか?
これだけ頭が切れるなら、私達で仕込めば、ソラリス侯爵家を支える侯爵夫人になってくれますよ」
私の推理と返事は、チャネラル卿の予想通りで、彼の条件を満たしたようです。
彼は事前に私を十分調べた上で、自分達の条件にあった政略決婚の相手として、評価してくれているようです。
でも、完全に思い通りに動くのは癪ですね。
「では、最高の令嬢にどんな条件を示してくれるのですか?」
私はできるだけ相手の考えを探ろうとしました。
「早速条件闘争、それもこちらの上限を探りに来たね。
その点は私も評価してあげるけど、でもそう簡単に教えはしないよ。
チャネラルが教える気でも、私には教える気はないんだよ」
ややこしいですね、今度は女傑マルガネラ夫人が相手ですか。
まあ、貴族の条件闘争ですから、そう簡単にはいかないですよね。
「では、分かっている事、決まっている事から話しましょう。
私が愛人との間に子供を作るのはいいのですね?」
チャネラル卿と侯爵は無表情、マルガネラ夫人がわずかに表情を歪めた。
先にチャネラル卿が認めてしまっているから、マルガネラ夫人も嫌々ながら認めるという事ですね。
「ソラリス侯爵家の人間とは認めないよ。
アンタと愛人との子供だと公表して、絶対にソラリス侯爵家とは関わらせない。
それでもいいのなら勝手に生みな」
チャネラル卿と侯爵は黙ってうなずきましたから、私は愛する人との間に子供を作ることができる、これは私の勝ちと言うべきか、チャネラル卿の温情ととるべきか?
「では、その子供の待遇ですが、ソラリス侯爵家の陪臣として取立ててもらえるのですか、それとも領民として金や土地を与えてもらえるのですか?」
「なに図々しい事言っているんだい、あんたと愛人の子供を、ソラリス侯爵家が陪臣に取立てる必要もなければ、金も土地もくれてやる義理はないよ。
アンタと愛人で何とかするんだね!」
「だとしたら、私は子供のためにも、相当な台所領と給与と一時金を、要求しなければいけませんね」
「何だって、図々しい奴だね、自分の今の立場を分かっているのかい?
下手をすれば王都の貧民街で売春婦をさせられる瀬戸際なんだよ。
犯罪者ギルドの取り立てに怯えることなく、奇麗なドレスが着れて、美味しい食事が食べられるだけでも感謝してもらいたいね!」
「私にも覚悟があります。
レイノルズ伯爵家の家名を残して私も幸せになるためなら、両親と兄を殺して、借金の肩代わりを条件に婿を迎える事もやってのけますよ。
犯罪者ギルドでも悪徳商人でも誰でもいい、伯爵の地位を手に入れられるのなら、貴族殺しも辞さない、金も惜しまない者はいるのではありませんか?」
さて、私のハッタリにどう対応してくるのでしょうか?
0
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
【完結】「婚約破棄ですか? それなら昨日成立しましたよ、ご存知ありませんでしたか?」
まほりろ
恋愛
【完結】
「アリシア・フィルタ貴様との婚約を破棄する!」
イエーガー公爵家の令息レイモンド様が言い放った。レイモンド様の腕には男爵家の令嬢ミランダ様がいた。ミランダ様はピンクのふわふわした髪に赤い大きな瞳、小柄な体躯で庇護欲をそそる美少女。
対する私は銀色の髪に紫の瞳、表情が表に出にくく能面姫と呼ばれています。
レイモンド様がミランダ様に惹かれても仕方ありませんね……ですが。
「貴様は俺が心優しく美しいミランダに好意を抱いたことに嫉妬し、ミランダの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を……」
「あの、ちょっとよろしいですか?」
「なんだ!」
レイモンド様が眉間にしわを寄せ私を睨む。
「婚約破棄ですか? 婚約破棄なら昨日成立しましたが、ご存知ありませんでしたか?」
私の言葉にレイモンド様とミランダ様は顔を見合わせ絶句した。
全31話、約43,000文字、完結済み。
他サイトにもアップしています。
小説家になろう、日間ランキング異世界恋愛2位!総合2位!
pixivウィークリーランキング2位に入った作品です。
アルファポリス、恋愛2位、総合2位、HOTランキング2位に入った作品です。
2021/10/23アルファポリス完結ランキング4位に入ってました。ありがとうございます。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
第15回恋愛小説大賞にエントリーしてます。
話が違います! 女性慣れしていないと聞いていたのですが
四季
恋愛
領地持ちの家に長女として生まれた私。
幼い頃から趣味や好みが周囲の女性たちと違っていて、女性らしくないからか父親にもあまり大事にしてもらえなかった。
そんな私は、十八の誕生日、父親の知り合いの息子と婚約することになったのだが……。
婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~
みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。
全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。
それをあざ笑う人々。
そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。
【完結】BLゲーム主人公の妹に転生してしまったので、サポートキャラになることにした
山田 ボルダ
恋愛
BL恋愛ゲーム主人公の妹に転生してしまった。
鈍感天然主人公の兄は、無意識のうちに攻略対象者たちを攻略済だけど、ポンコツすぎて相手からの好意にまるで気づかない。困った攻略者たちは、兄が溺愛する妹(私のこと)に目をつけた。
よし、それでは私が、ゲームで言うところのサポートキャラになってあげようではないか。
◆BL要素が含まれます。苦手な方はご注意ください。
◆現代日本とよく似た別の世界が舞台です。実在のアレコレとは関係ありません。本当に一切関係ありません。
穏便に婚約解消する予定がざまぁすることになりました
よーこ
恋愛
ずっと好きだった婚約者が、他の人に恋していることに気付いたから、悲しくて辛いけれども婚約解消をすることを決意し、その提案を婚約者に伝えた。
そうしたら、婚約解消するつもりはないって言うんです。
わたくしとは政略結婚をして、恋する人は愛人にして囲うとか、悪びれることなく言うんです。
ちょっと酷くありません?
当然、ざまぁすることになりますわね!
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
婚約破棄されました。あとは知りません
天羽 尤
恋愛
聖ラクレット皇国は1000年の建国の時を迎えていた。
皇国はユーロ教という宗教を国教としており、ユーロ教は魔力含有量を特に秀でた者を巫女として、唯一神であるユーロの従者として大切に扱っていた。
聖ラクレット王国 第一子 クズレットは婚約発表の席でとんでもない事を告げたのだった。
「ラクレット王国 王太子 クズレットの名の下に 巫女:アコク レイン を国外追放とし、婚約を破棄する」
その時…
----------------------
初めての婚約破棄ざまぁものです。
---------------------------
お気に入り登録200突破ありがとうございます。
-------------------------------
【著作者:天羽尤】【無断転載禁止】【以下のサイトでのみ掲載を認めます。これ以外は無断転載です〔小説家になろう/カクヨム/アルファポリス/マグネット〕】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる