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第一章
第32話:政略結婚
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「カチュアはどうするべきだと思う」
「陛下、皇太子嫌い?」
「う~ん、正直に言えば好きでも嫌いでもないわね。
助けてもらった恩はあるけど、それはもう返したと思うし」
「好きな人いる?」
「好きな人はいないわね。
正直に言えば、熱烈に誰かを好きだと思ったことがないのよね。
私は昔から令嬢達が誰かを好きだという気持ちが分からなかったのよ」
「だったら割り切ればいい。
女王として一番得な相手と結婚する。
元々王侯貴族は政略結婚」
「そうよね、政略結婚だと割り切るしかないわよね。
あ~あ、燃えるような恋がしてみたかったなぁ~」
「……それは無理。
陛下も私も恋愛できない」
「もう、そんなはっきりと言い切らないでよ。
哀しくなっちゃうでしょう」
「別に哀しくない。
馬鹿や不潔な男好きじゃない。
これ普通」
「まあ、いいわ、私だけでなくカチュアも同じだし。
で、どうなの、カチュア。
政略結婚の相手としては誰が一番ふさわしいの」
「皇太子、あれが一番陛下に都合がいい。
皇太子は陛下にべた惚れ。
陛下の言うことなら何でも聞く。
軍事力も経済力も大きい。
こんな都合のいい相手いない」
「当たり前すぎる相手で面白くないけど、それが一番なのよね。
でも大丈夫、私に求婚している王侯貴族は多いわよ。
なかには皇太子を暗殺してでも私の王配になろうとする奴もいるんじゃないの」
「別にかまわない。
皇太子を暗殺できるような猛者なら使い道ある。
暗殺者に殺されるようなら役に立たない。
陛下の政略結婚相手として失格」
「じゃあ、皇太子に求婚を受けると使者を送っておいて。
他の求婚者の人達にはお断りの使者を送っておいて」
「話はついたのですか、陛下。
ですがそれでは皇国にいかないといけなくなりますよね。
この国はどうする心算なのですか」
「心配いらないわよ、ブレンダ。
ブレンダが摂政として仕切ってくれればすむことよ」
「はぁああああ、一介の冒険者に国をまかせるぅ?
馬鹿な事を言わないでくださいよ!」
「私と知り合ったのが運のつきよ。
今さら逃げ出そうとしても無駄だからね。
もう貴方達は私の親友で建国の功臣なのですからね。
摂政にならなくても有象無象が近づいてきて利用しようとするのよ。
ここは権力を握ってそんな連中をはねのけられるようにしておきなさい」
「そんなぁ~。
だったらせめて摂政はカチュアにしてくださいよ」
「駄目よ、カチュアだと無用な争いを引き起こしてしまうから。
ここはリーダーとして交渉経験のあるブレンダが適任よ」
「交渉が得意なのはアニーでしょう」
「アニーだと信用がねぇ。
口八丁手八丁なだけに信頼感がないよのね」
「そんなぁ~」
「うふふふふ、心配しないで。
転移魔術を使って毎日皇国と王国を往復するから。
実際に摂政をやってもらうのは私が留守の間だけよ」
「本当ですよ、毎日戻ってきてくださいよ」
ふっふふふふ、好きでもない相手と結婚しなければいけないのは嫌だけど、この子達とずっと一緒にいられるのなら悪い人生でもないわよね。
「陛下、皇太子嫌い?」
「う~ん、正直に言えば好きでも嫌いでもないわね。
助けてもらった恩はあるけど、それはもう返したと思うし」
「好きな人いる?」
「好きな人はいないわね。
正直に言えば、熱烈に誰かを好きだと思ったことがないのよね。
私は昔から令嬢達が誰かを好きだという気持ちが分からなかったのよ」
「だったら割り切ればいい。
女王として一番得な相手と結婚する。
元々王侯貴族は政略結婚」
「そうよね、政略結婚だと割り切るしかないわよね。
あ~あ、燃えるような恋がしてみたかったなぁ~」
「……それは無理。
陛下も私も恋愛できない」
「もう、そんなはっきりと言い切らないでよ。
哀しくなっちゃうでしょう」
「別に哀しくない。
馬鹿や不潔な男好きじゃない。
これ普通」
「まあ、いいわ、私だけでなくカチュアも同じだし。
で、どうなの、カチュア。
政略結婚の相手としては誰が一番ふさわしいの」
「皇太子、あれが一番陛下に都合がいい。
皇太子は陛下にべた惚れ。
陛下の言うことなら何でも聞く。
軍事力も経済力も大きい。
こんな都合のいい相手いない」
「当たり前すぎる相手で面白くないけど、それが一番なのよね。
でも大丈夫、私に求婚している王侯貴族は多いわよ。
なかには皇太子を暗殺してでも私の王配になろうとする奴もいるんじゃないの」
「別にかまわない。
皇太子を暗殺できるような猛者なら使い道ある。
暗殺者に殺されるようなら役に立たない。
陛下の政略結婚相手として失格」
「じゃあ、皇太子に求婚を受けると使者を送っておいて。
他の求婚者の人達にはお断りの使者を送っておいて」
「話はついたのですか、陛下。
ですがそれでは皇国にいかないといけなくなりますよね。
この国はどうする心算なのですか」
「心配いらないわよ、ブレンダ。
ブレンダが摂政として仕切ってくれればすむことよ」
「はぁああああ、一介の冒険者に国をまかせるぅ?
馬鹿な事を言わないでくださいよ!」
「私と知り合ったのが運のつきよ。
今さら逃げ出そうとしても無駄だからね。
もう貴方達は私の親友で建国の功臣なのですからね。
摂政にならなくても有象無象が近づいてきて利用しようとするのよ。
ここは権力を握ってそんな連中をはねのけられるようにしておきなさい」
「そんなぁ~。
だったらせめて摂政はカチュアにしてくださいよ」
「駄目よ、カチュアだと無用な争いを引き起こしてしまうから。
ここはリーダーとして交渉経験のあるブレンダが適任よ」
「交渉が得意なのはアニーでしょう」
「アニーだと信用がねぇ。
口八丁手八丁なだけに信頼感がないよのね」
「そんなぁ~」
「うふふふふ、心配しないで。
転移魔術を使って毎日皇国と王国を往復するから。
実際に摂政をやってもらうのは私が留守の間だけよ」
「本当ですよ、毎日戻ってきてくださいよ」
ふっふふふふ、好きでもない相手と結婚しなければいけないのは嫌だけど、この子達とずっと一緒にいられるのなら悪い人生でもないわよね。
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