25 / 32
第一章
第25話:メイトランド方伯軍
しおりを挟む「領軍の編成はどうなっていますか」
私は気になっている事をブレンダに聞いてみました。
私を頼って来てくれた民を護らなければいけません。
それが王侯貴族の責務です。
「着々と進んでいます。
現在移民は六十万を超えていますが、幼い子供を覘いた四十万人が開拓にも使えるような斧や鍬で武装しておりますので、防衛戦争で負ける事はありません」
「六十万の民が二年三年籠城できるだけの兵糧が必要ですね」
「はい、ですがこれ以上の買い占めは食糧価格の高騰に拍車をかけてしまいます。
それは逃げてくる民を増やすことになってしまいます」
「領軍に専門の輸送部隊を作りましょう。
彼らにベテューヌ王国以外からも食糧を買ってこさせるのです」
「分かりました、直ぐに新たな部隊編成を行います」
「それと、城の拡張許可は皇国から得られたのですか」
ブレンダ、その厭らしい笑い顔は止めなさい。
「はい、皇太子殿下が色々と手伝ってくださったの、元離宮なのにすんなりと許可がおりました。
キャメロンお嬢様からのラブレターがとても効果的だったようです」
「何がラブレターですか、ただの親書ですよ。
それよりもトイレは確保したのでしょうね。
六十万もの人が狭い城の中に集まってしまったら、よほど気をつけないと疫病が流行ってしまうのですよ。
とうぜんですが、飲み水の湧く井戸からも離さなければいけません。
民にもその事を普段から徹底的に教え諭さなければいけないのですよ」
「はい、その点には細心の注意を払っております。
領軍への徴兵訓練の際に毎回教え諭しております」
「頼みましたよ。
できる限りの手は打っていますが、欲にかられた皇帝陛下や大臣が何時ここを奪おうと皇国軍を送ってくるか分からないのです」
「はい、常に偵察を行っております」
「それで、遠征にはどれくらいの兵士を連れていけそうですか
「開拓を中断してもいいのなら、女子供を護る兵士を残して最大で二十万です。
実戦経験は別にして、傭兵並みの武装を与えた者だけなら三万です。
中核になる傭兵と冒険者、実戦経験のある民だけなら一万五千です」
「ベテューヌ王国で政変が起こった時に、できるだけ民が死傷しないように事を収めるなら、どれくらいの兵士を引き連れていくべきですか」
「皇国軍の介入を防ぎつつ、皇国軍や領主軍が抵抗を諦める兵力を引き連れていくべきなので、十万ほどでしょうか。
三万の精鋭だと逆に戦争を引き起こしてしまうかもしれません」
「分かりました、その事も考えて他国にまで行って食糧と物資を買わせてください」
「はい、お任せください」
実際に兵士を引き連れて遠征するとなると色々と大変ですね。
しかたない、この手を血で染めるしかありませんね。
私は気になっている事をブレンダに聞いてみました。
私を頼って来てくれた民を護らなければいけません。
それが王侯貴族の責務です。
「着々と進んでいます。
現在移民は六十万を超えていますが、幼い子供を覘いた四十万人が開拓にも使えるような斧や鍬で武装しておりますので、防衛戦争で負ける事はありません」
「六十万の民が二年三年籠城できるだけの兵糧が必要ですね」
「はい、ですがこれ以上の買い占めは食糧価格の高騰に拍車をかけてしまいます。
それは逃げてくる民を増やすことになってしまいます」
「領軍に専門の輸送部隊を作りましょう。
彼らにベテューヌ王国以外からも食糧を買ってこさせるのです」
「分かりました、直ぐに新たな部隊編成を行います」
「それと、城の拡張許可は皇国から得られたのですか」
ブレンダ、その厭らしい笑い顔は止めなさい。
「はい、皇太子殿下が色々と手伝ってくださったの、元離宮なのにすんなりと許可がおりました。
キャメロンお嬢様からのラブレターがとても効果的だったようです」
「何がラブレターですか、ただの親書ですよ。
それよりもトイレは確保したのでしょうね。
六十万もの人が狭い城の中に集まってしまったら、よほど気をつけないと疫病が流行ってしまうのですよ。
とうぜんですが、飲み水の湧く井戸からも離さなければいけません。
民にもその事を普段から徹底的に教え諭さなければいけないのですよ」
「はい、その点には細心の注意を払っております。
領軍への徴兵訓練の際に毎回教え諭しております」
「頼みましたよ。
できる限りの手は打っていますが、欲にかられた皇帝陛下や大臣が何時ここを奪おうと皇国軍を送ってくるか分からないのです」
「はい、常に偵察を行っております」
「それで、遠征にはどれくらいの兵士を連れていけそうですか
「開拓を中断してもいいのなら、女子供を護る兵士を残して最大で二十万です。
実戦経験は別にして、傭兵並みの武装を与えた者だけなら三万です。
中核になる傭兵と冒険者、実戦経験のある民だけなら一万五千です」
「ベテューヌ王国で政変が起こった時に、できるだけ民が死傷しないように事を収めるなら、どれくらいの兵士を引き連れていくべきですか」
「皇国軍の介入を防ぎつつ、皇国軍や領主軍が抵抗を諦める兵力を引き連れていくべきなので、十万ほどでしょうか。
三万の精鋭だと逆に戦争を引き起こしてしまうかもしれません」
「分かりました、その事も考えて他国にまで行って食糧と物資を買わせてください」
「はい、お任せください」
実際に兵士を引き連れて遠征するとなると色々と大変ですね。
しかたない、この手を血で染めるしかありませんね。
6
お気に入りに追加
1,822
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の夜の余韻~婚約者を奪った妹の高笑いを聞いて姉は旅に出る~
岡暁舟
恋愛
第一王子アンカロンは婚約者である公爵令嬢アンナの妹アリシアを陰で溺愛していた。そして、そのことに気が付いたアンナは二人の関係を糾弾した。
「ばれてしまっては仕方がないですわね?????」
開き直るアリシアの姿を見て、アンナはこれ以上、自分には何もできないことを悟った。そして……何か目的を見つけたアンナはそのまま旅に出るのだった……。
平凡な伯爵令嬢は平凡な結婚がしたいだけ……それすら贅沢なのですか!?
Hibah
恋愛
姉のソフィアは幼い頃から優秀で、両親から溺愛されていた。 一方で私エミリーは健康が取り柄なくらいで、伯爵令嬢なのに贅沢知らず……。 優秀な姉みたいになりたいと思ったこともあったけど、ならなくて正解だった。 姉の本性を知っているのは私だけ……。ある日、姉は王子様に婚約破棄された。 平凡な私は平凡な結婚をしてつつましく暮らしますよ……それすら贅沢なのですか!?
この国において非常に珍しいとされている銀髪を持って生まれた私はあまり大切にされず育ってきたのですが……?
四季
恋愛
この国において非常に珍しいとされている銀髪を持って生まれた私、これまであまり大切にされず育ってきたのですが……?
【完結】猫を被ってる妹に悪役令嬢を押し付けられたお陰で人生180度変わりました。
本田ゆき
恋愛
「お姉様、可愛い妹のお願いです。」
そう妹のユーリに乗せられ、私はまんまと悪役令嬢として世に名前を覚えられ、終いには屋敷を追放されてしまった。
しかし、自由の身になった私に怖いものなんて何もない!
もともと好きでもない男と結婚なんてしたくなかったし堅苦しい屋敷も好きでなかった私にとってそれは幸運なことだった!?
※小説家になろうとカクヨムでも掲載しています。
3月20日
HOTランキング8位!?
何だか沢山の人に見て頂いたみたいでありがとうございます!!
感想あんまり返せてないですがちゃんと読んでます!
ありがとうございます!
3月21日
HOTランキング5位人気ランキング4位……
イッタイ ナニガ オコッテンダ……
ありがとうございます!!
婚約破棄をしてくれてありがとうございます~あなたといると破滅しかないので助かりました (完結)
しまうま弁当
恋愛
ブリテルス公爵家に嫁いできた伯爵令嬢のローラはアルーバ別邸で幸せなひと時を過ごしていました。すると婚約者であるベルグが突然婚約破棄を伝えてきたのだった。彼はローラの知人であるイザベラを私の代わりに婚約者にするとローラに言い渡すのだった。ですがローラは彼にこう言って公爵家を去るのでした。「婚約破棄をしてくれてありがとうございます。あなたといると破滅しかないので助かりました。」と。実はローラは婚約破棄されてむしろ安心していたのだった。それはローラがベルグがすでに取り返しのつかない事をしている事をすでに知っていたからだった。
妹は私から奪った気でいますが、墓穴を掘っただけでした。私は溺愛されました。どっちがバカかなぁ~?
百谷シカ
恋愛
「お姉様はバカよ! 女なら愛される努力をしなくちゃ♪」
妹のアラベラが私を高らかに嘲笑った。
私はカーニー伯爵令嬢ヒラリー・コンシダイン。
「殿方に口答えするなんて言語道断! ただ可愛く笑っていればいいの!!」
ぶりっ子の妹は、実はこんな女。
私は口答えを理由に婚約を破棄されて、妹が私の元婚約者と結婚する。
「本当は悔しいくせに! 素直に泣いたらぁ~?」
「いえ。そんなくだらない理由で乗り換える殿方なんて願い下げよ」
「はあっ!? そういうところが淑女失格なのよ? バーカ」
淑女失格の烙印を捺された私は、寄宿学校へとぶち込まれた。
そこで出会った哲学の教授アルジャノン・クロフト氏。
彼は婚約者に裏切られ学問一筋の人生を選んだドウェイン伯爵その人だった。
「ヒラリー……君こそが人生の答えだ!!」
「えっ?」
で、惚れられてしまったのですが。
その頃、既に転落し始めていた妹の噂が届く。
あー、ほら。言わんこっちゃない。
婚約破棄されましたが全てが計画通りですわ~嵌められたなどと言わないでください、王子殿下。私を悪女と呼んだのはあなたですわ~
メルメア
恋愛
「僕は君のような悪女を愛せない」。
尊大で自分勝手な第一王子クラントから婚約破棄を告げられたマーガレット。
クラントはマーガレットの侍女シエルを新たな婚約者に指名する。
並んで立ち勝ち誇ったような笑顔を浮かべるクラントとシエルだったが、2人はマーガレットの計画通りに動いているだけで……。
あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です。
秋月一花
恋愛
「すまないね、レディ。僕には愛しい婚約者がいるんだ。そんなに見つめられても、君とデートすることすら出来ないんだ」
「え? 私、あなたのことを見つめていませんけれど……?」
「なにを言っているんだい、さっきから熱い視線をむけていたじゃないかっ」
「あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です」
あなたの護衛を見つめていました。だって好きなのだもの。見つめるくらいは許して欲しい。恋人になりたいなんて身分違いのことを考えないから、それだけはどうか。
「……やっぱり今日も格好いいわ、ライナルト様」
うっとりと呟く私に、ライナルト様はぎょっとしたような表情を浮かべて――それから、
「――俺のことが怖くないのか?」
と話し掛けられちゃった! これはライナルト様とお話しするチャンスなのでは?
よーし、せめてお友達になれるようにがんばろう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる