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第一章
第24話:閑話・王都の政争・アレクシス皇太子視点
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腹が立つ、腹が立つ、腹が立つ。
処罰した側近は余が選んだわけではない。
皇国内の複雑な権力闘争の結果選ばれた者達だ。
奴らが皇国の予算を横領していたのは余の責任ではない。
なのに余に家臣を御す力がないと言い立てて廃嫡しようとする連中がいるが、余の責任を問うのなら皇帝陛下や大臣達の責任も問え。
「皇太子殿下、メイトランド方伯領に民が集まっております」
「なんだと、原因はなんだ」
「メイトランド方伯が商人を使って積極的に移民を募っておられます。
開拓した未開地は三年間免税され、しかも開拓当初に必要な費用も貸し与えるという好条件なのです」
「どれくらいの人数が集まっているのだ」
「おおよそ五十万です」
「なんだと、どこからそれほどの民が集まっているのだ」
「それが、実家のメイトランド公爵家はもちろん、ベテューヌ王国全土からです。
それと、皇国からもでございます。
皇都をはじめとした皇国中から貧しい民が集まっておます」
「信じられん、そんな事をするには莫大な資金と食糧が必要になるぞ。
余もキャメロン嬢が裕福なのは知っている。
だがこれは裕福という程度の話ではない。
メイトランド公爵家から持ち出した資金だけでは絶対に不可能だ。
いったいどうやってそれほどの資金を得ているのだ」
「宝石でございます。
最初はダイヤモンドと真珠を売りに出されていました。
今ではルビーやサファイア、オパールやクリスタルといった宝石はもちろん、未開地の魔獣素材も売られておられます」
「まずいな、どう考えてもまずい。
それだけの宝石をメイトランド公爵家から持ち出したとは思えない。
誰もが未開地で手に入れたと思うだろう。
大臣達はもちろん皇帝陛下すら未開地を取り上げようとされるぞ。
直ぐに皇帝陛下に謁見の許可を取ってこい」
「お待ちください、その心配はございません。
メイトランド方伯は皇帝陛下はもちろん大臣達にも宝石を献上されています。
皇帝陛下や大臣の方々は、五十万の民を敵に回して内戦を引き起こすよりも、安全に献上品を手に入れるお考えのようでございます」
なんだと、キャメロン嬢は何と強かな手を使うのだ。
信じられん、余には信じられんぞ。
宮にいる頃のキャメロン嬢はもっと大人しかったぞ。
誰かキャメロン嬢に知恵をつけている者がいるのか。
「調べろ、直ぐにキャメロン嬢の周囲を調べるのだ。
キャメロン嬢に知恵をつけている男がいないか今直ぐ調べてこい」
「落ち着いてください、皇太子殿下。
キャメロン嬢の周りに男の影はありません。
キャメロン嬢の軍師は古くから雇っている女冒険者のカチュアです。
そのような慌てた姿を見せられると、それこそキャメロン嬢を危険に晒してしまう事になりますぞ」
処罰した側近は余が選んだわけではない。
皇国内の複雑な権力闘争の結果選ばれた者達だ。
奴らが皇国の予算を横領していたのは余の責任ではない。
なのに余に家臣を御す力がないと言い立てて廃嫡しようとする連中がいるが、余の責任を問うのなら皇帝陛下や大臣達の責任も問え。
「皇太子殿下、メイトランド方伯領に民が集まっております」
「なんだと、原因はなんだ」
「メイトランド方伯が商人を使って積極的に移民を募っておられます。
開拓した未開地は三年間免税され、しかも開拓当初に必要な費用も貸し与えるという好条件なのです」
「どれくらいの人数が集まっているのだ」
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「それが、実家のメイトランド公爵家はもちろん、ベテューヌ王国全土からです。
それと、皇国からもでございます。
皇都をはじめとした皇国中から貧しい民が集まっておます」
「信じられん、そんな事をするには莫大な資金と食糧が必要になるぞ。
余もキャメロン嬢が裕福なのは知っている。
だがこれは裕福という程度の話ではない。
メイトランド公爵家から持ち出した資金だけでは絶対に不可能だ。
いったいどうやってそれほどの資金を得ているのだ」
「宝石でございます。
最初はダイヤモンドと真珠を売りに出されていました。
今ではルビーやサファイア、オパールやクリスタルといった宝石はもちろん、未開地の魔獣素材も売られておられます」
「まずいな、どう考えてもまずい。
それだけの宝石をメイトランド公爵家から持ち出したとは思えない。
誰もが未開地で手に入れたと思うだろう。
大臣達はもちろん皇帝陛下すら未開地を取り上げようとされるぞ。
直ぐに皇帝陛下に謁見の許可を取ってこい」
「お待ちください、その心配はございません。
メイトランド方伯は皇帝陛下はもちろん大臣達にも宝石を献上されています。
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なんだと、キャメロン嬢は何と強かな手を使うのだ。
信じられん、余には信じられんぞ。
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誰かキャメロン嬢に知恵をつけている者がいるのか。
「調べろ、直ぐにキャメロン嬢の周囲を調べるのだ。
キャメロン嬢に知恵をつけている男がいないか今直ぐ調べてこい」
「落ち着いてください、皇太子殿下。
キャメロン嬢の周りに男の影はありません。
キャメロン嬢の軍師は古くから雇っている女冒険者のカチュアです。
そのような慌てた姿を見せられると、それこそキャメロン嬢を危険に晒してしまう事になりますぞ」
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