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第一章

第22話:アースドラゴン

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「ミリアム」

 ブレンダがミリアムに指示を出す。
 双剣の舞姫、双剣の狂姫と呼ばれるレミーがいないのです。
 どうしても攻撃力が低下しています。
 いえ、アースドラゴンの攻撃をさけるための遊撃もできません。
 それを補うのはミリアムの従魔達だけです。

 クッワァアー

 鷹と鴉がアースドラゴンをけん制してくれます。
 空を飛ぶ鷹と鴉のお陰で私達が攻撃されません。

 ワッオォオオオオオン。

 レッドウルフの群れがアースドラゴンを引き付けてくれます。
 ミリアムが思いっきり戦えるように、従魔達が陽動してくれているのです。
 今回ストレス発散がしたいのはミリアムが一番です。
 カチュアは側近を陥れる策を考えるのがたのしみなので、それほどストレスは溜まってしませんし、アニーも口先ひとつで相手を騙す事で発散しています。

 どりゃあぁあアアアア。

 ブレンダが大声で叫びながらアースドラゴンに突っ込んで行きます。
 リーダーだけに色々とストレスが溜まっていたのかもしれません。
 ブレンダが並の大剣よりも身幅が厚く重い破壊力のある大剣を、アースドラゴンに叩きつけています。
 ですが相手はとてつもなく強固な鱗と、硬さと柔軟性を兼ね合わせた皮に守られているので、少々の打撃では傷一つつきません。
 
「硬すぎるんだよ、この、この、この、この」

 ミリアムが何度もアースドラゴンに剣を叩きつけています。
 無暗に攻撃してアースドラゴンに傷をつけすぎては、素材としての価値が下がってしますので、本当なら絶対にやってはいけない事です。
 ですが今回はストレス発散のためなので、これでいのです。
 岩や木に剣を叩きつけるのではなく、魔獣でも最強ランクのアースドラゴンを思いっきり斬りつけるのが、憂さ晴らしにはちょうどいいのです。

「そろそろいい、発散できたのなら殺してしまうわよ」

 前世でたくさんのラノベを読みアニメを鑑賞していたので、ドラゴンを狩る方法を色々と知っているのです。
 ただ全部がこの世界で私に実行できるわけではありませんでした。
 
「十分発散させてもらえました」

 ブレンダがもう殺してもいいと返事をくれます。

「私もスッキリしました」

 ミリアムも満足してくれたようです。

「最初に首の鱗と鱗の間に圧縮した風魔術を叩きつけて血管を切るわ。
 できるだけ心臓の動いている間に血をださせて素材の鮮度を保つわよ。
 失血で死ななければ、とどめに風魔術を圧縮して後頭部から脳を破壊するからね」

「「「「おう」」」」

 さて、十メートル級のアースドラゴンをほぼ無傷で狩れたら、もう宝石を創って売る必要などないのですが、表に出すと色々と騒がしくなりますよね。
 しばらくは魔法袋の中に死蔵するしかなないでしょうね。
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