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本編
死闘
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「これを、喰らえ」
デイヴィット筆頭魔導師と一緒にいた近衛騎士達が、次々と魔法を放った。
個人で会得した魔法ではなく、魔法道具による攻撃だ。
「その程度の攻撃が、我に通じると思っているのか」
「通じるか通じないかは、やってみなかれば分からんよ」
中列と後列にいた近衛騎士が、次々と魔道具を使った魔法を放つが、全てが補助魔法であった。
「この程度の補助魔法で、我の動きを押しとどめられると思っているのか」
「王口を叩くのなら、儂の首を刎ねてからにするのだな」
「ならば、そうさせてもらおう」
正妃殿下に憑依した魔族は、魔力で剣を創り出して、デイヴィット筆頭魔導師の首を刎ね飛ばそうとしたが、事前に何重にも重ね掛けしてあった防御魔法と、ドラゴンダンジョン産のドラゴン革鎧の所為で、成し遂げることは出来なかった。
だがそれでも、デイヴィット筆頭魔導師の想定をはるかに超え、全ての防護魔法を切り破り、ドラゴン革鎧のネックガードさえ、魔力でボロボロにされてしまっていた。
「御下がり下さい」
この場で最先任の近衛騎士隊長が、デイヴィット筆頭魔導師を庇って前に出た。
「御前から先に死ね」
魔族は、魔力剣を振るって、近衛騎士隊長を斬り殺そうとしたが、がっちりと受け止められてしまった。
こんなことは、人間界に来て初めての事なので、魔族は内心大きく驚いていた。
アリステラ王国には、多くの魔境やダンジョンが存在し、そこから採取される素材を利用して、各種の魔道具はもちろん、魔剣や魔槍、魔鎧が創り出されていた。
ドラゴンの素材から造られた魔法具と魔法武器の中には、魔族にすら通じるモノがあった。
アンドルー王子と共に殺されたドラゴンダンジョン騎士団員も、万全の体制であったら、あのような殺され方はしなかっただろう。
愛用の鎧を装備出来ていたら、例え相手が魔族であっても、一撃で絶命させられる事はなかっただろう。
だが哀しい事に、ドラゴンダンジョン騎士団は、奇襲を許してしまった。
そしてこの場でも、哀しい現実があった。
近衛騎士団であろうと、貴重なドラゴン素材の武器と防具は、最先任隊長しか装備していなかった。
鍛え抜かれた騎士隊長ではあるが、二カ国を支配下に置くほどの魔族に対抗するには、少々力が足らなかった。
単に正面から戦うだけならば、背後にいる配下や、デイヴィット筆頭魔導師が支援魔法を放ってくれるので、互角に渡り合えただろう。
だが魔族は、そんな戦い方をしてくれなかった。
「正体が露見した以上、魔力の衰えたこの身体よりは、貴男の身体の方が役に立ちそうですね」
事もあろうに、魔族は正妃殿下の身体を捨てて、騎士隊長の身体に憑依しようとしたのだ。
デイヴィット筆頭魔導師と一緒にいた近衛騎士達が、次々と魔法を放った。
個人で会得した魔法ではなく、魔法道具による攻撃だ。
「その程度の攻撃が、我に通じると思っているのか」
「通じるか通じないかは、やってみなかれば分からんよ」
中列と後列にいた近衛騎士が、次々と魔道具を使った魔法を放つが、全てが補助魔法であった。
「この程度の補助魔法で、我の動きを押しとどめられると思っているのか」
「王口を叩くのなら、儂の首を刎ねてからにするのだな」
「ならば、そうさせてもらおう」
正妃殿下に憑依した魔族は、魔力で剣を創り出して、デイヴィット筆頭魔導師の首を刎ね飛ばそうとしたが、事前に何重にも重ね掛けしてあった防御魔法と、ドラゴンダンジョン産のドラゴン革鎧の所為で、成し遂げることは出来なかった。
だがそれでも、デイヴィット筆頭魔導師の想定をはるかに超え、全ての防護魔法を切り破り、ドラゴン革鎧のネックガードさえ、魔力でボロボロにされてしまっていた。
「御下がり下さい」
この場で最先任の近衛騎士隊長が、デイヴィット筆頭魔導師を庇って前に出た。
「御前から先に死ね」
魔族は、魔力剣を振るって、近衛騎士隊長を斬り殺そうとしたが、がっちりと受け止められてしまった。
こんなことは、人間界に来て初めての事なので、魔族は内心大きく驚いていた。
アリステラ王国には、多くの魔境やダンジョンが存在し、そこから採取される素材を利用して、各種の魔道具はもちろん、魔剣や魔槍、魔鎧が創り出されていた。
ドラゴンの素材から造られた魔法具と魔法武器の中には、魔族にすら通じるモノがあった。
アンドルー王子と共に殺されたドラゴンダンジョン騎士団員も、万全の体制であったら、あのような殺され方はしなかっただろう。
愛用の鎧を装備出来ていたら、例え相手が魔族であっても、一撃で絶命させられる事はなかっただろう。
だが哀しい事に、ドラゴンダンジョン騎士団は、奇襲を許してしまった。
そしてこの場でも、哀しい現実があった。
近衛騎士団であろうと、貴重なドラゴン素材の武器と防具は、最先任隊長しか装備していなかった。
鍛え抜かれた騎士隊長ではあるが、二カ国を支配下に置くほどの魔族に対抗するには、少々力が足らなかった。
単に正面から戦うだけならば、背後にいる配下や、デイヴィット筆頭魔導師が支援魔法を放ってくれるので、互角に渡り合えただろう。
だが魔族は、そんな戦い方をしてくれなかった。
「正体が露見した以上、魔力の衰えたこの身体よりは、貴男の身体の方が役に立ちそうですね」
事もあろうに、魔族は正妃殿下の身体を捨てて、騎士隊長の身体に憑依しようとしたのだ。
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