4 / 19
3話
しおりを挟む
「モンタギュー公爵、親兄弟で争うのはよくないのではないか?
それに、乳母とかいう者の日記は信用できるのか?
乳母は士族でしかないではないか。
それよりは、伯爵家の生まれで息子の妻である、ダーシィの証言を信じるべきではないのか?」
「……王太子殿下は、私の目が曇っていると言いたいのですかな?!」
オリバー王太子殿下を見るお爺様の眼は、まるで汚物を見るようです。
心底蔑んでいるようです。
それもそうでしょう。
噂を信じるのなら、オリバー王太子殿下は母ダーシィと不義密通の仲になっているというのですから。
恐らくその噂は真実でしょう。
死に戻る前も、そして今も、オリバー王太子殿下の評判は最悪です。
未婚の貴族令嬢を誑かして弄び、なんの賠償も身分も与えず捨てるだけでなく、夫のいる貴族婦人を権力と暴力で強姦しているのです。
社交界では、王太子は色情狂だと陰口を叩かれています。
そんな王太子が、証拠も証人も無視して、ダーシィを庇うのです。
どう考えても黒です。
王太子とダーシィは不義密通しています。
よくセオドアが黙っていますね。
伯爵位が惜しくて黙認しているのでしょうか?
それとも何も知らないのでしょうか?
「いや、そのような事はない。
大将軍を務めてくれているモンタギュー公爵の眼力は信じている。
だが少し考えてみてくれ。
モンタギュー公爵家の家督を継ぐ子供がいるのは、マクリント伯爵の方だ。
モンタギュー公爵家に生末を考えているのは、マクリント伯爵の方ではないのか」
あ、これはいけまません!
お爺様の眼が汚物を見るモノから、敵を見る眼に変わりました。
もう止まりません。
王太子相手でも手加減しないでしょう。
「王太子殿下は、モンタギュー公爵家の家督相続に口出しをするという事ですな。
長男を差し置いて、次男に継がせろと言われるのですな?
ならば私も言わせていただいて宜しいのかな?
王家の藩屏たるモンタギュー公爵家の当主として!
王家を守護する大将軍として!
どなたこそが王位に相応しいか口にして宜しいのですな?!
長男であるというだけで、人格も能力も全く弟に及ばない、汚物のようなモノではなく、第二王子こそが王位に相応しいと口にしていいのですな!」
「なんだと?!
私の事を汚物というか!
弟に人格も能力も及ばないともうすか?!
おのれ!
不敬罪で殺してくれる!」
ああ、馬鹿です。
馬鹿以外の何物でもありません。
自分の不行跡で、大半の貴族士族から見放されているのに気がついていません。
今周りのに残っているのは、王国を喰いモノにしようする、奸臣佞臣しかいないのを、全く理解していません。
「まて!
それ以上は許さんぞ!」
それに、乳母とかいう者の日記は信用できるのか?
乳母は士族でしかないではないか。
それよりは、伯爵家の生まれで息子の妻である、ダーシィの証言を信じるべきではないのか?」
「……王太子殿下は、私の目が曇っていると言いたいのですかな?!」
オリバー王太子殿下を見るお爺様の眼は、まるで汚物を見るようです。
心底蔑んでいるようです。
それもそうでしょう。
噂を信じるのなら、オリバー王太子殿下は母ダーシィと不義密通の仲になっているというのですから。
恐らくその噂は真実でしょう。
死に戻る前も、そして今も、オリバー王太子殿下の評判は最悪です。
未婚の貴族令嬢を誑かして弄び、なんの賠償も身分も与えず捨てるだけでなく、夫のいる貴族婦人を権力と暴力で強姦しているのです。
社交界では、王太子は色情狂だと陰口を叩かれています。
そんな王太子が、証拠も証人も無視して、ダーシィを庇うのです。
どう考えても黒です。
王太子とダーシィは不義密通しています。
よくセオドアが黙っていますね。
伯爵位が惜しくて黙認しているのでしょうか?
それとも何も知らないのでしょうか?
「いや、そのような事はない。
大将軍を務めてくれているモンタギュー公爵の眼力は信じている。
だが少し考えてみてくれ。
モンタギュー公爵家の家督を継ぐ子供がいるのは、マクリント伯爵の方だ。
モンタギュー公爵家に生末を考えているのは、マクリント伯爵の方ではないのか」
あ、これはいけまません!
お爺様の眼が汚物を見るモノから、敵を見る眼に変わりました。
もう止まりません。
王太子相手でも手加減しないでしょう。
「王太子殿下は、モンタギュー公爵家の家督相続に口出しをするという事ですな。
長男を差し置いて、次男に継がせろと言われるのですな?
ならば私も言わせていただいて宜しいのかな?
王家の藩屏たるモンタギュー公爵家の当主として!
王家を守護する大将軍として!
どなたこそが王位に相応しいか口にして宜しいのですな?!
長男であるというだけで、人格も能力も全く弟に及ばない、汚物のようなモノではなく、第二王子こそが王位に相応しいと口にしていいのですな!」
「なんだと?!
私の事を汚物というか!
弟に人格も能力も及ばないともうすか?!
おのれ!
不敬罪で殺してくれる!」
ああ、馬鹿です。
馬鹿以外の何物でもありません。
自分の不行跡で、大半の貴族士族から見放されているのに気がついていません。
今周りのに残っているのは、王国を喰いモノにしようする、奸臣佞臣しかいないのを、全く理解していません。
「まて!
それ以上は許さんぞ!」
51
お気に入りに追加
801
あなたにおすすめの小説
甘すぎ旦那様の溺愛の理由(※ただし旦那様は、冷酷陛下です!?)
夕立悠理
恋愛
伯爵令嬢ミレシアは、恐れ多すぎる婚約に震えていた。
父が結んできた婚約の相手は、なんと冷酷と謳われている隣国の皇帝陛下だったのだ。
何かやらかして、殺されてしまう未来しか見えない……。
不安に思いながらも、隣国へ嫁ぐミレシア。
そこで待っていたのは、麗しの冷酷皇帝陛下。
ぞっとするほど美しい顔で、彼はミレシアに言った。
「あなたをずっと待っていました」
「……え?」
「だって、下僕が主を待つのは当然でしょう?」
下僕。誰が、誰の。
「過去も未来も。永久に俺の主はあなただけ」
「!?!?!?!?!?!?」
そういって、本当にミレシアの前では冷酷どころか、甘すぎるふるまいをする皇帝ルクシナード。
果たして、ルクシナードがミレシアを溺愛する理由は――。
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
婚約も結婚も計画的に。
cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。
忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。
原因はスピカという一人の女学生。
少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。
「あ、もういい。無理だわ」
ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。
ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。
ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。
「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。
もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。
そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。
ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。
しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~)
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
妹にすべてを奪われましたが、最愛の人を見つけました
桜月雪兎
恋愛
リーシェン・ルージュは父親に無視され、母親に虐待を受け、一歳しか変わらない妹サーシャにも蔑まされる生活をしていた。
その為、リーシェンは諦め癖と周りを信じず、頼らない癖が付いてしまっていた。
そんなある日、サーシャに婚約者であるグレンタス王国の王太子アーノルド・グレンタスを奪われた。
その結果としてリーシェンは『国外追放』を受けた。
名目は他国に嫁ぐというものだったが、相手の国は決して仲が良好とは言えない隣国オリフィア皇国としか決まっていなかった。
リーシェンがオリフィアに着くと、一応の歓迎会が開かれ、そこでオリフィア皇国皇太子ユリウス・オリフィアに見初められた。
これは自らの境遇故に人を信じることが出来ない令嬢が溺愛され、少しずつ心を癒し、開かれ、人らしくなっていく。
そして、本人の預かり知らないところで貶めた者たちが『ざまぁ』をされるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる