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第一章
第4話:襲撃
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転移1日目:山本光司(ミーツ)視点
「バカ天使、俺はどんな攻撃魔術が使えるのだ?」
色々と調べている時間がない。
バカでドジで信用できないが、今はそんな事を言っていられない。
使える魔術を聞くだけなら実害はないだろう。
「光司様が使える魔術は数多くあります。
光司様は全ての属性魔術が使え……」
「そんな話はどうでもいい!
今襲ってきているモンスターに効果の有る魔術を教えろ!」
「今襲ってきているのはゴブリンです。
ビッグゴブリン1頭とホブゴブリン5頭に指揮された54頭です。
並のゴブリンが相手なら、ボール級の魔術で瞬殺できます。
ホブゴブリンが相手なら、アロー級の魔術で瞬殺できます。
ビッグゴブリンが相手だと、ソード級の魔術が2発必要でしょう。
問題は光司様にそれだけの魔力があるがどうかです」
「ボール級、アロー級、ソード級の魔術にどれだけの魔力が必要なのだ?」
「ボール級で魔力2、アロー級で魔力3、ソード級で魔力4です」
今の魔力を確認した方が良いな。
「ステータスオープン」
「個人情報」
名前:ミーツ・ヤーマ(山本光司)
情報:ヒューマン・男・20歳・レベル11
職業:治療家・魔術師・小説家・料理人・商人・解体職人
:採取家・武闘家・剣士・木地師・革職人・
HP:200
MP:137/200
筋力:130
耐久:125
魔力:120
俊敏:125
器用:135
魅力:200
幸運:200
「職業」
治療家:レベル11(鍼灸柔道整復師だったから)
魔術師:レベル11(ライトノベルなどを読みふけり創造力が桁外れだから)
小説家:レベル11(受賞経験のあるネット小説家だったから)
商人 :レベル11(実家の商売を手伝い、独立開業し確定申告もしていたから)
料理人:レベル8 (30年以上ずっと自炊をしていたから)
従魔師:レベル7 (長年犬猫を飼い躾けた経験があったから)
解体師:レベル6 (12年間実家の鶏肉店を手伝い鶏の解体をしていたから)
採取家:レベル5 (田舎の出身で、幼い頃から野草採取をしていたから)
武闘家:レベル4 (柔道初段だったから)
剣士 :レベル3 (段持ちではないが剣道を学んだことがあったから)
木地師:レベル2 (とても不器用だが、工作経験があるから)
革職人:レベル1 (とても不器用だが、クラフトワーク経験があるから)
「アクティブスキル」
診断:レベル11
治療:レベル11
創造:レベル11
作家:レベル11
魔術:レベル11
商人:レベル11
料理:レベル8
従魔:レベル7
解体:レベル6
採取:レベル5
武術:レベル4
剣術:レベル3
木地:レベル2
皮革:レベル1
「パッシブスキル」
鑑定:レベル6(これまで培ってきた生活の知恵)
診断:レベル11(29年間鍼灸柔道整復師として診察を行ってきたから)
「魔法スキル」
亜空間術:レベル11(ストレージ)
「ユニークスキル」
異世界間スーパー:レベル1
:所持金・4億9167万1561円
:奉天市場レベル1
異世界間競売 :レベル1
「犯罪歴」
なし
魔力がかなり減っているのは子供を診療施術したからだろう。
この魔力量でゴブリンを全て斃すのは難しいだろう。
「バカ天使、魔力が回復するのにどれくらいかかる?」
「魔力回復薬があれば、効能分だけ直ぐに回復するのですが……」
「言い訳を聞いているのではない、どれくらいの時間でどれだけ回復する?!
俺とこの子の命がかかっているのだぞ!
四の五の言わずにはっきりと言え!」
「はぃいいい、1時間に20%回復します。」
「3分で1パーセント回復するのだな?!」
「えぇえええと、それは……」
このバカ天使に正確な答えを求めた俺がバカだった。
確実に言えるのは、1時間で20%回復すると言う事だ。
だったら不確実な事には頼らずに、自分の創造力を試すしかない。
「バカ天使、ゴブリンが開けた場所、ここから見える場所に来たら教えろ。
できるだけ遠くにいるうちに魔術で狙撃する」
「光司様、魔術には射程というものがございまして……」
「そんな事は分かっている、射程に入ったらお前が教えろ!
四の五の言っていないでさっさと偵察に行ってこい!」
バカ天使を追い出して、魔力を強制的に回復させる技を試す。
魔力回復薬があると言う事は、そう言う方法あると言う事だ。
俺が小説で使ったそういうネタは、消化吸収を強制的に働かせる事だった。
まずは栄養補給だが、固形栄養食品は食べるのに時間がかかる。
それよりは一気飲みできる介護飲料の方が良い。
さっき買った物がまだ残っているが、もう1セット購入する。
24本5284円の内、125ミリリットル5本を一気飲みする。
水分が余分に必要かもしれないので、大量に買ったスポーツ飲料も飲む。
甘いからカロリーもそれなりにある。
「使い失われた魔力を回復させろ、マジック・リカバリー」
俺は飲んだ介護飲料が胃腸で消化吸収され、魔力になって蓄えられるとイメージした。
「ステータスオープン」
魔力が200/200に回復している。
タプタプしていたお腹がすっきりしているから、飲んだ分が消費されている。
どれだけ食べたらどれくらいの魔力が回復するのかの検証は後で良い。
今は全回復した魔力を使ってゴブリンを殲滅する事だけを考える。
また魔力が不足してはけないので、少々腹は張るが、残りの介護飲料を飲む。
まだ多少満腹感があるから、5本も飲んでおけば十分だろう。
「光司様、ゴブリン達が近づいてきます」
丁度良い所にバカ天使が戻ってきた。
「バカ天使、できるだけ早くゴブリン達を殲滅したい。
魔力の問題は解決した。
俺が使える最大の魔術は何だ?」
「光司様ならレベル10までの魔術全てを使う事ができます。
普通なら苦しい修練を重ね、下級魔術の熟練度を上げなければいけないのです。
それを全てなしにして、この世界で広まっている全魔術を使えるようにしました」
「……誰がそんな説明をしろと言った!
誰がそんな事をしてくれと言った?!
頼んでいない事ばかり先にやって、俺を殺した代わりに与えると約束した保証を後回しにして全くやっていない!
お前はそんな事を繰り返しているから腐れ神にまで見捨てられて追放されたのだ!
余計な事を言っていないで使える魔術の呪文を教えろ!」
「はぃいいい、申し訳ございません、申し訳ございません、申し訳ございません」
「謝れと言っているのではない!
使える魔術の呪文を教えろと言っているのだ!」
「はぃいいい、各属性の後に、ボール、アロー、ソード、ランス、スネーク、ストームと唱えるだけです」
「マジック、ウッド、ファイア、ソイル、メタル、ウォーターで良いのか?」
「はい、他に風ならウィンド、砂ならサンドでございます」
「風と砂を一緒に使いたい時には、サンド・ウィンド・アローでいいのか?」
「それは……」
こいつは、本当にバカだ、俺に与えた魔術の呪文すら調べていない。
だが、俺がレベル10までの魔術を完全に習熟しているのなら話しは簡単だ。
最大の魔術のストームを使っても、魔力を7しか使わない。
「バカ天使に難しい事を聞いた俺がバカだった。
それで、ゴブリンはどこまで近づいて来ているのだ?」
ストームという事は嵐だから、単体ではなく周辺にも被害を与えられるだろう。
ビッグやホブと一緒にザコゴブリンを2頭斃せるのなら、アロー1とボール2を使う魔力7と同じだから、3頭以上のゴブリンをまとめて殺せれば魔力効率がいい。
「もう直ぐ森を抜けて、村の周囲にある畑跡に現れます。
この村の事を知っているのか、門の正面から現れそうです」
「ザコのゴブリンをいちいち斃していても始まらない。
ボスであるビッグゴブリンを斃せば、生き残っている奴が逃げるかもしれない。
それでダメなら、5頭いると言うホブゴブリンを全て斃せばいい」
「それが良いと思います。
基本ゴブリンはとても憶病ですから、勝てないと思ったら逃げて行きます」
だったら最初からそう言え!
「バカ天使、マジックストームの射程距離にビッグとホブが入ったら教えろ」
「光司様、私にはアリエルという名前があるのですが……」
「これまでお前がやらかしてきた失敗を上回る貢献をしたら、アリエル様でも天使様でも好きな呼び方で敬ってやる。
だが、今の俺から見たら、お前を敬って名を呼ぶ気にはなれん!」
「……私は一生バカ天使と言われてしまうのでしょうね……」
「ここは奮起して貢献すると言う所だろう!
いや、ダメだ、お前が余計な事をしたら、失敗する未来しか浮かばない。
絶対に俺が命じた事以外やるな、絶対だぞ!」
「そこまで厳しく言わなくてもいいではありませんか!
私は何1つ言われたこと以外はしていません!」
危険なモンスターを探せと言ったのに、死にかけの子供を見つけてきたと言いたいが、流石にこれだけは口にできない。
他人の命などと言う、とんでもなく重いモノなど背負いたくない!
バカ天使が余計な事をしなければ、ゴブリンを迎え討つ必要などなかった。
罪悪感を持つ事もなく逃げられた、と言いたいが……。
「分かったから、さっさと敵が射程距離に入るのを確かめて来い!」
「それくらいの事ならここに居ても分かります」
「だったら射程距離に入ったら教えろ」
じりじりとした時間が流れる。
1時間も2時間も待っていた気がするが、実際にはもっと短いのだろう。
「射程に入りました」
「ビッグゴブリンを中心にマジック・ストームをMP7」
「バカ天使、俺はどんな攻撃魔術が使えるのだ?」
色々と調べている時間がない。
バカでドジで信用できないが、今はそんな事を言っていられない。
使える魔術を聞くだけなら実害はないだろう。
「光司様が使える魔術は数多くあります。
光司様は全ての属性魔術が使え……」
「そんな話はどうでもいい!
今襲ってきているモンスターに効果の有る魔術を教えろ!」
「今襲ってきているのはゴブリンです。
ビッグゴブリン1頭とホブゴブリン5頭に指揮された54頭です。
並のゴブリンが相手なら、ボール級の魔術で瞬殺できます。
ホブゴブリンが相手なら、アロー級の魔術で瞬殺できます。
ビッグゴブリンが相手だと、ソード級の魔術が2発必要でしょう。
問題は光司様にそれだけの魔力があるがどうかです」
「ボール級、アロー級、ソード級の魔術にどれだけの魔力が必要なのだ?」
「ボール級で魔力2、アロー級で魔力3、ソード級で魔力4です」
今の魔力を確認した方が良いな。
「ステータスオープン」
「個人情報」
名前:ミーツ・ヤーマ(山本光司)
情報:ヒューマン・男・20歳・レベル11
職業:治療家・魔術師・小説家・料理人・商人・解体職人
:採取家・武闘家・剣士・木地師・革職人・
HP:200
MP:137/200
筋力:130
耐久:125
魔力:120
俊敏:125
器用:135
魅力:200
幸運:200
「職業」
治療家:レベル11(鍼灸柔道整復師だったから)
魔術師:レベル11(ライトノベルなどを読みふけり創造力が桁外れだから)
小説家:レベル11(受賞経験のあるネット小説家だったから)
商人 :レベル11(実家の商売を手伝い、独立開業し確定申告もしていたから)
料理人:レベル8 (30年以上ずっと自炊をしていたから)
従魔師:レベル7 (長年犬猫を飼い躾けた経験があったから)
解体師:レベル6 (12年間実家の鶏肉店を手伝い鶏の解体をしていたから)
採取家:レベル5 (田舎の出身で、幼い頃から野草採取をしていたから)
武闘家:レベル4 (柔道初段だったから)
剣士 :レベル3 (段持ちではないが剣道を学んだことがあったから)
木地師:レベル2 (とても不器用だが、工作経験があるから)
革職人:レベル1 (とても不器用だが、クラフトワーク経験があるから)
「アクティブスキル」
診断:レベル11
治療:レベル11
創造:レベル11
作家:レベル11
魔術:レベル11
商人:レベル11
料理:レベル8
従魔:レベル7
解体:レベル6
採取:レベル5
武術:レベル4
剣術:レベル3
木地:レベル2
皮革:レベル1
「パッシブスキル」
鑑定:レベル6(これまで培ってきた生活の知恵)
診断:レベル11(29年間鍼灸柔道整復師として診察を行ってきたから)
「魔法スキル」
亜空間術:レベル11(ストレージ)
「ユニークスキル」
異世界間スーパー:レベル1
:所持金・4億9167万1561円
:奉天市場レベル1
異世界間競売 :レベル1
「犯罪歴」
なし
魔力がかなり減っているのは子供を診療施術したからだろう。
この魔力量でゴブリンを全て斃すのは難しいだろう。
「バカ天使、魔力が回復するのにどれくらいかかる?」
「魔力回復薬があれば、効能分だけ直ぐに回復するのですが……」
「言い訳を聞いているのではない、どれくらいの時間でどれだけ回復する?!
俺とこの子の命がかかっているのだぞ!
四の五の言わずにはっきりと言え!」
「はぃいいい、1時間に20%回復します。」
「3分で1パーセント回復するのだな?!」
「えぇえええと、それは……」
このバカ天使に正確な答えを求めた俺がバカだった。
確実に言えるのは、1時間で20%回復すると言う事だ。
だったら不確実な事には頼らずに、自分の創造力を試すしかない。
「バカ天使、ゴブリンが開けた場所、ここから見える場所に来たら教えろ。
できるだけ遠くにいるうちに魔術で狙撃する」
「光司様、魔術には射程というものがございまして……」
「そんな事は分かっている、射程に入ったらお前が教えろ!
四の五の言っていないでさっさと偵察に行ってこい!」
バカ天使を追い出して、魔力を強制的に回復させる技を試す。
魔力回復薬があると言う事は、そう言う方法あると言う事だ。
俺が小説で使ったそういうネタは、消化吸収を強制的に働かせる事だった。
まずは栄養補給だが、固形栄養食品は食べるのに時間がかかる。
それよりは一気飲みできる介護飲料の方が良い。
さっき買った物がまだ残っているが、もう1セット購入する。
24本5284円の内、125ミリリットル5本を一気飲みする。
水分が余分に必要かもしれないので、大量に買ったスポーツ飲料も飲む。
甘いからカロリーもそれなりにある。
「使い失われた魔力を回復させろ、マジック・リカバリー」
俺は飲んだ介護飲料が胃腸で消化吸収され、魔力になって蓄えられるとイメージした。
「ステータスオープン」
魔力が200/200に回復している。
タプタプしていたお腹がすっきりしているから、飲んだ分が消費されている。
どれだけ食べたらどれくらいの魔力が回復するのかの検証は後で良い。
今は全回復した魔力を使ってゴブリンを殲滅する事だけを考える。
また魔力が不足してはけないので、少々腹は張るが、残りの介護飲料を飲む。
まだ多少満腹感があるから、5本も飲んでおけば十分だろう。
「光司様、ゴブリン達が近づいてきます」
丁度良い所にバカ天使が戻ってきた。
「バカ天使、できるだけ早くゴブリン達を殲滅したい。
魔力の問題は解決した。
俺が使える最大の魔術は何だ?」
「光司様ならレベル10までの魔術全てを使う事ができます。
普通なら苦しい修練を重ね、下級魔術の熟練度を上げなければいけないのです。
それを全てなしにして、この世界で広まっている全魔術を使えるようにしました」
「……誰がそんな説明をしろと言った!
誰がそんな事をしてくれと言った?!
頼んでいない事ばかり先にやって、俺を殺した代わりに与えると約束した保証を後回しにして全くやっていない!
お前はそんな事を繰り返しているから腐れ神にまで見捨てられて追放されたのだ!
余計な事を言っていないで使える魔術の呪文を教えろ!」
「はぃいいい、申し訳ございません、申し訳ございません、申し訳ございません」
「謝れと言っているのではない!
使える魔術の呪文を教えろと言っているのだ!」
「はぃいいい、各属性の後に、ボール、アロー、ソード、ランス、スネーク、ストームと唱えるだけです」
「マジック、ウッド、ファイア、ソイル、メタル、ウォーターで良いのか?」
「はい、他に風ならウィンド、砂ならサンドでございます」
「風と砂を一緒に使いたい時には、サンド・ウィンド・アローでいいのか?」
「それは……」
こいつは、本当にバカだ、俺に与えた魔術の呪文すら調べていない。
だが、俺がレベル10までの魔術を完全に習熟しているのなら話しは簡単だ。
最大の魔術のストームを使っても、魔力を7しか使わない。
「バカ天使に難しい事を聞いた俺がバカだった。
それで、ゴブリンはどこまで近づいて来ているのだ?」
ストームという事は嵐だから、単体ではなく周辺にも被害を与えられるだろう。
ビッグやホブと一緒にザコゴブリンを2頭斃せるのなら、アロー1とボール2を使う魔力7と同じだから、3頭以上のゴブリンをまとめて殺せれば魔力効率がいい。
「もう直ぐ森を抜けて、村の周囲にある畑跡に現れます。
この村の事を知っているのか、門の正面から現れそうです」
「ザコのゴブリンをいちいち斃していても始まらない。
ボスであるビッグゴブリンを斃せば、生き残っている奴が逃げるかもしれない。
それでダメなら、5頭いると言うホブゴブリンを全て斃せばいい」
「それが良いと思います。
基本ゴブリンはとても憶病ですから、勝てないと思ったら逃げて行きます」
だったら最初からそう言え!
「バカ天使、マジックストームの射程距離にビッグとホブが入ったら教えろ」
「光司様、私にはアリエルという名前があるのですが……」
「これまでお前がやらかしてきた失敗を上回る貢献をしたら、アリエル様でも天使様でも好きな呼び方で敬ってやる。
だが、今の俺から見たら、お前を敬って名を呼ぶ気にはなれん!」
「……私は一生バカ天使と言われてしまうのでしょうね……」
「ここは奮起して貢献すると言う所だろう!
いや、ダメだ、お前が余計な事をしたら、失敗する未来しか浮かばない。
絶対に俺が命じた事以外やるな、絶対だぞ!」
「そこまで厳しく言わなくてもいいではありませんか!
私は何1つ言われたこと以外はしていません!」
危険なモンスターを探せと言ったのに、死にかけの子供を見つけてきたと言いたいが、流石にこれだけは口にできない。
他人の命などと言う、とんでもなく重いモノなど背負いたくない!
バカ天使が余計な事をしなければ、ゴブリンを迎え討つ必要などなかった。
罪悪感を持つ事もなく逃げられた、と言いたいが……。
「分かったから、さっさと敵が射程距離に入るのを確かめて来い!」
「それくらいの事ならここに居ても分かります」
「だったら射程距離に入ったら教えろ」
じりじりとした時間が流れる。
1時間も2時間も待っていた気がするが、実際にはもっと短いのだろう。
「射程に入りました」
「ビッグゴブリンを中心にマジック・ストームをMP7」
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