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援軍2
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「麻痺」
俺はネッツェ王国に略奪に入ろうとした村人を麻痺させた。
イマーン王国の貧民が、飢えを耐えかねて、命懸けで国境を越え、ネッツェ王国の村を襲おうとしたのだ。
一人の兵士に率いられているが、武器はよくて斧、悪ければ手製の木槍だ。
村で待つ女子供に、少しでも食料を持ち帰りたいのだろう。
だが略奪は許されない。
村に火を放ち、殺人を犯して他人の物を奪うなど、絶対に許されない。
イマーン王国にどのような事情があろうと、見過ごすことは出来ない。
ネッツェ王国に入り込む前に取り押さえなければならない。
俺は守備範囲を広げた。
いや、広げさせられた。
ただしイマーン王国に入り込んだ場所だけだ。
つまり、ネッツェ王国イブラヒム王家は、これ以上自国内の土地をアッバース首長家に与える気はないのだ。
他の貴族家や士族家も、全く何の旨味のない戦争に、これ以上戦力や物資を投入する気がないのだ。
だからやる気の見せる俺に、イマーン王国切り取り自由の権利を与えた。
俺に攻勢防御をさせることで、ネッツェ王国内で戦わなくするためだ。
イブラヒム王家も貴族士族家も、出来るだけ早く、増援に派遣した国境警備部隊を引き上げさせたいのだ。
だがこれは俺には好都合だった。
大手を振ってアリステラ王国から戦力を補充できた。
だがここで一つも問題があった。
新たな捕虜をどうするかという事だ。
最初の村人は何の罪も犯していなかったから、アリステラ王国で送ることが出来た。
だがその後に麻痺魔法を使って制圧した村人は、罪を犯していた。
他国に入り込み、他人を傷つけ殺した者を、何の罰も与えず放免するわけにはいかない。
そんな事をすれば、殺された人間の命を蔑ろにすることになる。
だがネッツェ王国に引き渡すのも嫌だった。
見せしめとして、どれほど過酷な罰を与えるか想像もつかない。
だが幸いなことに、戦争捕虜が捕獲者の財産になる事は万国共通なので、俺のモノとして扱えた。
王侯貴族士族に関しては、その身分に応じた待遇を与え、身代金を請求することが出来る。
身代金を払えない者に関しては、俺の奴隷にすることに出来た。
だから全員奴隷にした。
だが奴隷にした者たちは、心から喜んでいた。
命懸けで戦うことなく、毎日二回の食事が支給されたからだ。
しかもその食事内容は、略奪を始める前より美味しく量も多いのだから、文句など出るはずがなかった。
俺からすれば、魔法袋の肥やしになっている銅級と鉄級も不人気食材を放出して、魔法袋の整理整頓をしているに過ぎない。
だが援軍と捕虜が想定より早く増えてしまったので、ネッツェ王国内にある最初の砦・ラボック砦と、イマーン王国内に最初に築いた城・ダラム城を拡張しなければいけなくなった。
だからここで、将来を見据えた布石を打つことにした。
それをイブラヒム王家とアッバース首長家が認めるかどうか、賭けでもあった。
俺はネッツェ王国に略奪に入ろうとした村人を麻痺させた。
イマーン王国の貧民が、飢えを耐えかねて、命懸けで国境を越え、ネッツェ王国の村を襲おうとしたのだ。
一人の兵士に率いられているが、武器はよくて斧、悪ければ手製の木槍だ。
村で待つ女子供に、少しでも食料を持ち帰りたいのだろう。
だが略奪は許されない。
村に火を放ち、殺人を犯して他人の物を奪うなど、絶対に許されない。
イマーン王国にどのような事情があろうと、見過ごすことは出来ない。
ネッツェ王国に入り込む前に取り押さえなければならない。
俺は守備範囲を広げた。
いや、広げさせられた。
ただしイマーン王国に入り込んだ場所だけだ。
つまり、ネッツェ王国イブラヒム王家は、これ以上自国内の土地をアッバース首長家に与える気はないのだ。
他の貴族家や士族家も、全く何の旨味のない戦争に、これ以上戦力や物資を投入する気がないのだ。
だからやる気の見せる俺に、イマーン王国切り取り自由の権利を与えた。
俺に攻勢防御をさせることで、ネッツェ王国内で戦わなくするためだ。
イブラヒム王家も貴族士族家も、出来るだけ早く、増援に派遣した国境警備部隊を引き上げさせたいのだ。
だがこれは俺には好都合だった。
大手を振ってアリステラ王国から戦力を補充できた。
だがここで一つも問題があった。
新たな捕虜をどうするかという事だ。
最初の村人は何の罪も犯していなかったから、アリステラ王国で送ることが出来た。
だがその後に麻痺魔法を使って制圧した村人は、罪を犯していた。
他国に入り込み、他人を傷つけ殺した者を、何の罰も与えず放免するわけにはいかない。
そんな事をすれば、殺された人間の命を蔑ろにすることになる。
だがネッツェ王国に引き渡すのも嫌だった。
見せしめとして、どれほど過酷な罰を与えるか想像もつかない。
だが幸いなことに、戦争捕虜が捕獲者の財産になる事は万国共通なので、俺のモノとして扱えた。
王侯貴族士族に関しては、その身分に応じた待遇を与え、身代金を請求することが出来る。
身代金を払えない者に関しては、俺の奴隷にすることに出来た。
だから全員奴隷にした。
だが奴隷にした者たちは、心から喜んでいた。
命懸けで戦うことなく、毎日二回の食事が支給されたからだ。
しかもその食事内容は、略奪を始める前より美味しく量も多いのだから、文句など出るはずがなかった。
俺からすれば、魔法袋の肥やしになっている銅級と鉄級も不人気食材を放出して、魔法袋の整理整頓をしているに過ぎない。
だが援軍と捕虜が想定より早く増えてしまったので、ネッツェ王国内にある最初の砦・ラボック砦と、イマーン王国内に最初に築いた城・ダラム城を拡張しなければいけなくなった。
だからここで、将来を見据えた布石を打つことにした。
それをイブラヒム王家とアッバース首長家が認めるかどうか、賭けでもあった。
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