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第一章
第33話:大馬鹿者
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「今さら何を考えておるのだ、この大馬鹿者が。
広志がすでに持ち込んだモノだけで、この世界は大きく変貌しておるわ。
今さら火炎瓶の百や二百使ったところで、大した影響などない。
それよりも考えなければいけないのは、何時火炎瓶を使うかじゃ。
今火炎瓶を使う事が最善なのかどうか、しっかりと考えい」
俺はどうしようもない本当の大馬鹿者だ。
確かに石姫皇女の言う通りだった。
もうすでにこの世界に、とんでもない変革をもたらしてしまっているのだ。
燃え尽きればそれまでの火炎瓶程度ではすまない、腐りもなくなりもしない武器や貨幣を、すでに持ち込んでしまっているのだ。
特に5円硬貨はこの世界の通貨に使われようとしている。
今さらウジウジ考えても手遅れなのを、今ようやく気がついた。
石姫皇女は身勝手で喰い意地が張っているだけの腐れ女神だと思っていたが、意外と心根が優しいのかもしれない。
本当に大切な所では、助言を与えてくれる存在なのかもしれない。
確かに火炎瓶の使い時には気をつけた方がいいだろう。
火炎瓶はこの世界では画期的な武器になるだろう。
使うなら敗勢を逆転させるときの切り札にすべきだ。
今回の襲撃がこのまま撃退できるのなら、火炎瓶は使うべきじゃない。
「ウォオオオオオ、やってやる、やってやるぞ」
俺は全身全霊を込めて襲撃してくる盗賊に向けて石を投げた。
一撃で身体を貫通させてぶち殺したいと心から願った。
投げている石に力がこもり、殺傷能力が上がっているような気がした。
敵の姿を見ることができれば狙い撃ちにできるのにと思った。
心から敵の姿を見極めたい、間違っても味方に石を当てたくないと思った。
暗闇の中に敵の姿が浮かんで見えるようになった。
的確に敵を狙って石が投げられるようになった。
「逃げろ、撤退だ、逃げるんだ、全員逃げろおおおお」
敵の頭が叫んでいる声が聞こえてきたが、絶対に逃がしてはいけないと思った。
こいつを逃がせば、また必ず襲ってくる事が何故か分かってしまった。
こいつを殺したいと心から渇望したら、敵の頭の姿が闇の中に浮かんで見えた。
一撃で殺す、そう心に強く思って石を投げたら、その願いはかなえられた。
残虐な描写は止めるが、敵の頭を殺すことができた。
頭を殺された敵が、全面潰走状態になったが、逃がしてはいけないと分かった。
こいつらをここで逃がしたら、他の村が襲われると何故か分かってしまった。
ここで受けた損害を回復して、元の力を取り戻すために他の村を襲う。
大金を得られる村ではなく、貧しくても確実に勝てる村を襲うだろう。
そう分かってしまったら、絶対に逃がしてはいけないと思ったのだ。
俺は持てるだけの石を持って、防壁と濠を乗り越えて盗賊団を追った。
広志がすでに持ち込んだモノだけで、この世界は大きく変貌しておるわ。
今さら火炎瓶の百や二百使ったところで、大した影響などない。
それよりも考えなければいけないのは、何時火炎瓶を使うかじゃ。
今火炎瓶を使う事が最善なのかどうか、しっかりと考えい」
俺はどうしようもない本当の大馬鹿者だ。
確かに石姫皇女の言う通りだった。
もうすでにこの世界に、とんでもない変革をもたらしてしまっているのだ。
燃え尽きればそれまでの火炎瓶程度ではすまない、腐りもなくなりもしない武器や貨幣を、すでに持ち込んでしまっているのだ。
特に5円硬貨はこの世界の通貨に使われようとしている。
今さらウジウジ考えても手遅れなのを、今ようやく気がついた。
石姫皇女は身勝手で喰い意地が張っているだけの腐れ女神だと思っていたが、意外と心根が優しいのかもしれない。
本当に大切な所では、助言を与えてくれる存在なのかもしれない。
確かに火炎瓶の使い時には気をつけた方がいいだろう。
火炎瓶はこの世界では画期的な武器になるだろう。
使うなら敗勢を逆転させるときの切り札にすべきだ。
今回の襲撃がこのまま撃退できるのなら、火炎瓶は使うべきじゃない。
「ウォオオオオオ、やってやる、やってやるぞ」
俺は全身全霊を込めて襲撃してくる盗賊に向けて石を投げた。
一撃で身体を貫通させてぶち殺したいと心から願った。
投げている石に力がこもり、殺傷能力が上がっているような気がした。
敵の姿を見ることができれば狙い撃ちにできるのにと思った。
心から敵の姿を見極めたい、間違っても味方に石を当てたくないと思った。
暗闇の中に敵の姿が浮かんで見えるようになった。
的確に敵を狙って石が投げられるようになった。
「逃げろ、撤退だ、逃げるんだ、全員逃げろおおおお」
敵の頭が叫んでいる声が聞こえてきたが、絶対に逃がしてはいけないと思った。
こいつを逃がせば、また必ず襲ってくる事が何故か分かってしまった。
こいつを殺したいと心から渇望したら、敵の頭の姿が闇の中に浮かんで見えた。
一撃で殺す、そう心に強く思って石を投げたら、その願いはかなえられた。
残虐な描写は止めるが、敵の頭を殺すことができた。
頭を殺された敵が、全面潰走状態になったが、逃がしてはいけないと分かった。
こいつらをここで逃がしたら、他の村が襲われると何故か分かってしまった。
ここで受けた損害を回復して、元の力を取り戻すために他の村を襲う。
大金を得られる村ではなく、貧しくても確実に勝てる村を襲うだろう。
そう分かってしまったら、絶対に逃がしてはいけないと思ったのだ。
俺は持てるだけの石を持って、防壁と濠を乗り越えて盗賊団を追った。
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