19 / 63
第一章
第19話:防御力強化と料理教室
しおりを挟む
日本と異世界の往復は、ネット注文していた商品の配送に応じて行った。
その間の石姫皇女の食欲暴走については、何も言うまい。
言ってもむなしいだけだし、腹も立つ。
ただ異世界氏子衆の食生活が劇的に変化した事だけは言っておきたい。
商品になる強力粉は食べられないが、ライ麦と大麦を卵と一緒に食べている。
以前伝えた卵入り大麦粥と茹卵から、卵を挟んだライ麦サンドイッチに進化した。
毎日最低でも2000個の卵を廃鶏が産むのだ。
刻んだ茹卵をたっぷりライ麦パンにはさみ、ケチケチせずに塩を振って食べる。
氏子衆には御馳走のようで、幸せそうに食べていた。
その程度の料理で幸せそうにしている氏子衆を見ていると、もっと美味しいモノを食べさせてあげたくなるから不思議だ。
バターやサラダ油が使えれば、もっと美味しいパンが作れるし、目玉焼きや玉子焼き、フライドエッグだって作ることができる。
「女神様、配祀神様、親鶏のすき焼きができました」
ライラが俺に変わって鶏すきを作ってくれた。
俺は子供の頃から、牛や豚のすき焼きよりも鶏のすき焼きが好きだった。
特にひね鶏と呼ばれる、卵の産みが悪くなった廃鶏のすき焼きが大好きだった。
廃鶏には独特の硬さはあるが、じっくり煮込んだすき焼きなら関係がない。
塩胡椒で焼くにしても、上手に筋切りしたら全く問題がない。
亡父が鶏肉販売をしていた時期があり、亡父から多少の手ほどきを受けているから、巫女衆に筋切りの技術を教えた。
「私達はこれでもう十分満足した、後は下げ渡すから分けて食べなさい」
「「「「「有難き幸せでございます」」」」」
本当は巫女達と一緒に和気あいあいと食べたいのだが、それでは神としての威厳がなくなるし、俺はともかく石姫皇女が怒り出すかもしれない。
俺の若い女の子達と一緒にご飯が食べたいという欲望のために、石姫皇女を怒らせてしまって、氏子衆の支援ができなくなっては大変だ。
それに俺にも、住宅ローンの支払い分と、一生寝て暮らせるくらいの金を異世界で手に入れたいという欲がある。
その為には石姫皇女を怒らせる事だけは避けたいのだ。
「広志、お前の心に浮かんだ鶏ミンチのハンバーグはそんなに美味しいのか。
鶏つくねと鶏ハンバーグの違いをもっとしっかり調べるのじゃ。
ブロイラーのミンチに比べて廃鶏のミンチはそんなに美味いか。
さっさと調べて作るのじゃ」
石姫皇女には本当に困る。
巫女衆が席を外すと、とたんに身勝手な事を言い出す。
仕方ないからんネットで調べたのだが、つくねは、こねて丸めるという意味をもつ「捏ねる」からきている。
手でしっかりとこねて丸めるめてから、棒や串に刺して形を作って焼いた料理の事を「つくね」と呼ぶべきだと思う。
ハンバーグの起源は、18世紀頃にドイツのハンブルクで労働者が好んで食べていたタルタルステーキという説が濃厚だ。
タルタルステーキは生肉を細かく切り、タマネギ、塩コショウ、香辛料を混ぜたものだったが、それがアメリカに伝わり「ハンブルク風ステーキ(ハンバーグステーキ)」と呼ばれるようになり、今日のハンバーグの形態になったというのが定説だ。
基本的に、ハンバーグは牛肉あるいは牛と豚の合い挽き肉を使用する。
肉、玉ねぎ、パン粉、卵、塩、コショウ、香辛料をよく混ぜ合わせ、楕円形に形成しフライパンやグリルで焼く。
だから鶏を材料にした料理をハンバーグと呼ぶこと自体が間違いだと思う。
話はそれるが「つみれ」という物もある。
「つみれ」の語源は「摘み入れる」からきているから、肉や魚を包丁で叩いたりすり鉢で擦るなどした、ミンチ状よりも肉類を細かく滑らかにして、そこにつなぎの卵や片栗粉、調味料を加え混ぜて「つくね」よりもペースト状に近いタネにしてから、直接だし汁や湯の中に入れて茹で固める料理を呼ぶべきだと思う。
「ええい、もうよい、説や考えなどどうでもよくなった。
ここの巫女衆に作り方を教えるのじゃ。
私が何時ここに来ても同じものが食べられるようにするのじゃ」
本当に石姫皇女は身勝手だ。
その間の石姫皇女の食欲暴走については、何も言うまい。
言ってもむなしいだけだし、腹も立つ。
ただ異世界氏子衆の食生活が劇的に変化した事だけは言っておきたい。
商品になる強力粉は食べられないが、ライ麦と大麦を卵と一緒に食べている。
以前伝えた卵入り大麦粥と茹卵から、卵を挟んだライ麦サンドイッチに進化した。
毎日最低でも2000個の卵を廃鶏が産むのだ。
刻んだ茹卵をたっぷりライ麦パンにはさみ、ケチケチせずに塩を振って食べる。
氏子衆には御馳走のようで、幸せそうに食べていた。
その程度の料理で幸せそうにしている氏子衆を見ていると、もっと美味しいモノを食べさせてあげたくなるから不思議だ。
バターやサラダ油が使えれば、もっと美味しいパンが作れるし、目玉焼きや玉子焼き、フライドエッグだって作ることができる。
「女神様、配祀神様、親鶏のすき焼きができました」
ライラが俺に変わって鶏すきを作ってくれた。
俺は子供の頃から、牛や豚のすき焼きよりも鶏のすき焼きが好きだった。
特にひね鶏と呼ばれる、卵の産みが悪くなった廃鶏のすき焼きが大好きだった。
廃鶏には独特の硬さはあるが、じっくり煮込んだすき焼きなら関係がない。
塩胡椒で焼くにしても、上手に筋切りしたら全く問題がない。
亡父が鶏肉販売をしていた時期があり、亡父から多少の手ほどきを受けているから、巫女衆に筋切りの技術を教えた。
「私達はこれでもう十分満足した、後は下げ渡すから分けて食べなさい」
「「「「「有難き幸せでございます」」」」」
本当は巫女達と一緒に和気あいあいと食べたいのだが、それでは神としての威厳がなくなるし、俺はともかく石姫皇女が怒り出すかもしれない。
俺の若い女の子達と一緒にご飯が食べたいという欲望のために、石姫皇女を怒らせてしまって、氏子衆の支援ができなくなっては大変だ。
それに俺にも、住宅ローンの支払い分と、一生寝て暮らせるくらいの金を異世界で手に入れたいという欲がある。
その為には石姫皇女を怒らせる事だけは避けたいのだ。
「広志、お前の心に浮かんだ鶏ミンチのハンバーグはそんなに美味しいのか。
鶏つくねと鶏ハンバーグの違いをもっとしっかり調べるのじゃ。
ブロイラーのミンチに比べて廃鶏のミンチはそんなに美味いか。
さっさと調べて作るのじゃ」
石姫皇女には本当に困る。
巫女衆が席を外すと、とたんに身勝手な事を言い出す。
仕方ないからんネットで調べたのだが、つくねは、こねて丸めるという意味をもつ「捏ねる」からきている。
手でしっかりとこねて丸めるめてから、棒や串に刺して形を作って焼いた料理の事を「つくね」と呼ぶべきだと思う。
ハンバーグの起源は、18世紀頃にドイツのハンブルクで労働者が好んで食べていたタルタルステーキという説が濃厚だ。
タルタルステーキは生肉を細かく切り、タマネギ、塩コショウ、香辛料を混ぜたものだったが、それがアメリカに伝わり「ハンブルク風ステーキ(ハンバーグステーキ)」と呼ばれるようになり、今日のハンバーグの形態になったというのが定説だ。
基本的に、ハンバーグは牛肉あるいは牛と豚の合い挽き肉を使用する。
肉、玉ねぎ、パン粉、卵、塩、コショウ、香辛料をよく混ぜ合わせ、楕円形に形成しフライパンやグリルで焼く。
だから鶏を材料にした料理をハンバーグと呼ぶこと自体が間違いだと思う。
話はそれるが「つみれ」という物もある。
「つみれ」の語源は「摘み入れる」からきているから、肉や魚を包丁で叩いたりすり鉢で擦るなどした、ミンチ状よりも肉類を細かく滑らかにして、そこにつなぎの卵や片栗粉、調味料を加え混ぜて「つくね」よりもペースト状に近いタネにしてから、直接だし汁や湯の中に入れて茹で固める料理を呼ぶべきだと思う。
「ええい、もうよい、説や考えなどどうでもよくなった。
ここの巫女衆に作り方を教えるのじゃ。
私が何時ここに来ても同じものが食べられるようにするのじゃ」
本当に石姫皇女は身勝手だ。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

【毎日投稿】力に覚醒した村人に嵌められて処刑された元最強勇者ですが転生したので隠しダンジョンでパワーアップし最強の座に返り咲こうと思います
キヌギヌノフミ
ファンタジー
ハルデンベルグは無双を誇った勇者であった。
その力は、比類するものすらいない正に無敵。
しかし、彼はあまりにも長く最強の座に居ることに飽いていた。
人柄は独善的かつ高慢になり、振る舞いは腐敗堕落の極致である。
そんな彼に天罰が下された。
散々馬鹿にしてきた、薄汚い血の流れる平民。
底辺を這い回る弱者だと思っていた、彼らに敗北することになる。
勇者に虐げられてきた平民たちは屈辱を味わい、泥をすすってでも復讐を果たすと誓って、それを実行したのだ!
あぁ、なんということだろう。
かつて絶頂を極め、ただ一人の最強勇者として君臨したハルデンベルグ!
彼は自らの愚かさのために身を滅ぼした……。
このとき彼は、生まれて初めて悔しさを知った。
屈辱を知った。
何より敗者の気持ちを知ったのだ。
立場も後ろ盾も失ったハルデンベルグは処刑された。
彼は惨めに首を刎ねられ、その人生を終える。
胸にはただただ後悔を遺して。
「願わくば次があるなら……俺はもう……傲らない……」

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

元万能技術者の冒険者にして釣り人な日々
於田縫紀
ファンタジー
俺は神殿技術者だったが過労死して転生。そして冒険者となった日の夜に記憶や技能・魔法を取り戻した。しかしかつて持っていた能力や魔法の他に、釣りに必要だと神が判断した様々な技能や魔法がおまけされていた。
今世はこれらを利用してのんびり釣り、最小限に仕事をしようと思ったのだが……
(タイトルは異なりますが、カクヨム投稿中の『何でも作れる元神殿技術者の冒険者にして釣り人な日々』と同じお話です。更新が追いつくまでは毎日更新、追いついた後は隔日更新となります)

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる