5 / 7
4話
しおりを挟む
「ふん!
死に土産に教えてやろう。
地獄で己の悪行を反省するがいい。
レイドス伯爵家のウルスラ嬢を見習い、今度生まれ変わるときは、彼女のようの高貴な性格に生まれ変わるのだな」
笑ってしまいますね。
レイドス伯爵家のウルスラ嬢が高貴な性格とは、愚かにもほどがあります。
ですがこれで敵がはっきりしました。
ウルスラ嬢は殺すべきですね。
「死ね!」
「なにをなされますか!
それでも王太子ですか?!」
凄いですね。
いつの間にか兄上が間に入ってくれています。
気配は察知していましたが、私達を護るために、これほど素早く間に入ってくれるとは思いませんでした。
ディラン公爵家令息ディエド卿。
このゲーム上では私の兄にあたられる方です。
私アルテシアが悪役令嬢のままならば、王太子にも兄にも殺される設定です。
王太子に殺される流れはそのままですが、王太子とヒロインとの仲は最悪ですね。
王太子は悪役に配役が変わったのでしょうか?
兄ディエドが一番の攻略対象に変わったのでしょうか?
「ディエド!
不敬罪、いや、謀叛人を庇うのか!?
ディラン公爵家全体で謀叛に加担しているのだな!」
「先ほどから聞いておりましたが、これは殿下が間違っておられます」
「なんだと!
お前まで余を愚弄するか?!
許さん。
絶対に許さん!
国軍を動員して、ディラン公爵家を討伐してくれる」
「分かりました。
そこまで申されるのでしたら、ディラン公爵家の誇りをかけて、無実を証明させていただきます。
その代わり無実が証明出来たら、殿下のお命をいただきます。
殿下にその勇気とお覚悟があるのですね」
「ふん!
どうやって無実を証明する。
よほどの証拠がなければ、だれもお前達の言うことなど信じないぞ」
「神明裁判を行います。
この一命を捧げ、神に真実を証明していただきます。
神の審判を否定する者も疑う者もいますまい。
ディラン公爵家の嫡男である私と妹のアルテシア、教会が認定した聖女エルティナを貶め、無実の罪を、事もあろうに謀叛をでっちあげて殺そうとしたのです。
殿下のお命をいただかねば、ディラン公爵家も教会も面目が立ちません。
そのお覚悟があるのですね」
「当たり前だ。
私はこの国の王太子だ。
私の見る眼に間違いはない。
お前達三人は間違いなく謀叛人だ。
神明裁判でもなんでも受けて立ってやろう!」
馬鹿です。
どうしようもない馬鹿です。
ここまで来ても、自分がウルスラに騙され踊らされている事に気がつきません。
これは廃嫡一直線でしょうか?
ここまでシナリオを変更されると全く先が読めませんね。
やり込んだゲームにボーナス設定が隠されていたようで、とてもワクワクします。
死に土産に教えてやろう。
地獄で己の悪行を反省するがいい。
レイドス伯爵家のウルスラ嬢を見習い、今度生まれ変わるときは、彼女のようの高貴な性格に生まれ変わるのだな」
笑ってしまいますね。
レイドス伯爵家のウルスラ嬢が高貴な性格とは、愚かにもほどがあります。
ですがこれで敵がはっきりしました。
ウルスラ嬢は殺すべきですね。
「死ね!」
「なにをなされますか!
それでも王太子ですか?!」
凄いですね。
いつの間にか兄上が間に入ってくれています。
気配は察知していましたが、私達を護るために、これほど素早く間に入ってくれるとは思いませんでした。
ディラン公爵家令息ディエド卿。
このゲーム上では私の兄にあたられる方です。
私アルテシアが悪役令嬢のままならば、王太子にも兄にも殺される設定です。
王太子に殺される流れはそのままですが、王太子とヒロインとの仲は最悪ですね。
王太子は悪役に配役が変わったのでしょうか?
兄ディエドが一番の攻略対象に変わったのでしょうか?
「ディエド!
不敬罪、いや、謀叛人を庇うのか!?
ディラン公爵家全体で謀叛に加担しているのだな!」
「先ほどから聞いておりましたが、これは殿下が間違っておられます」
「なんだと!
お前まで余を愚弄するか?!
許さん。
絶対に許さん!
国軍を動員して、ディラン公爵家を討伐してくれる」
「分かりました。
そこまで申されるのでしたら、ディラン公爵家の誇りをかけて、無実を証明させていただきます。
その代わり無実が証明出来たら、殿下のお命をいただきます。
殿下にその勇気とお覚悟があるのですね」
「ふん!
どうやって無実を証明する。
よほどの証拠がなければ、だれもお前達の言うことなど信じないぞ」
「神明裁判を行います。
この一命を捧げ、神に真実を証明していただきます。
神の審判を否定する者も疑う者もいますまい。
ディラン公爵家の嫡男である私と妹のアルテシア、教会が認定した聖女エルティナを貶め、無実の罪を、事もあろうに謀叛をでっちあげて殺そうとしたのです。
殿下のお命をいただかねば、ディラン公爵家も教会も面目が立ちません。
そのお覚悟があるのですね」
「当たり前だ。
私はこの国の王太子だ。
私の見る眼に間違いはない。
お前達三人は間違いなく謀叛人だ。
神明裁判でもなんでも受けて立ってやろう!」
馬鹿です。
どうしようもない馬鹿です。
ここまで来ても、自分がウルスラに騙され踊らされている事に気がつきません。
これは廃嫡一直線でしょうか?
ここまでシナリオを変更されると全く先が読めませんね。
やり込んだゲームにボーナス設定が隠されていたようで、とてもワクワクします。
0
お気に入りに追加
112
あなたにおすすめの小説
シナリオではヒロインと第一王子が引っ付くことになっているので、脇役の私はーー。
ちょこ
恋愛
婚約者はヒロインさんであるアリスを溺愛しているようです。
そもそもなぜゲームの悪役令嬢である私を婚約破棄したかというと、その原因はヒロインさんにあるようです。
詳しくは知りませんが、殿下たちの会話を盗み聞きした結果、そのように解釈できました。
では私がヒロインさんへ嫌がらせをしなければいいのではないでしょうか? ですが、彼女は事あるごとに私に噛みついてきています。
出会いがしらに「ちょっと顔がいいからって調子に乗るな」と怒鳴ったり、私への悪口を書いた紙をばら撒いていたりします。
当然ながらすべて回収、処分しております。
しかも彼女は自分が嫌がらせを受けていると吹聴して回っているようで、私への悪評はとどまるところを知りません。
まったく……困ったものですわ。
「アリス様っ」
私が登校していると、ヒロインさんが駆け寄ってきます。
「おはようございます」と私は挨拶をしましたが、彼女は私に恨みがましい視線を向けます。
「何の用ですか?」
「あんたって本当に性格悪いのね」
「意味が分かりませんわ」
何を根拠に私が性格が悪いと言っているのでしょうか。
「あんた、殿下たちに色目を使っているって本当なの?」
「色目も何も、私は王太子妃を目指しています。王太子殿下と親しくなるのは当然のことですわ」
「そんなものは愛じゃないわ! 男の愛っていうのはね、もっと情熱的なものなのよ!」
彼女の言葉に対して私は心の底から思います。
……何を言っているのでしょう?
「それはあなたの妄想でしょう?」
「違うわ! 本当はあんただって分かっているんでしょ!? 好きな人に振り向いて欲しくて意地悪をする。それが女の子なの! それを愛っていうのよ!」
「違いますわ」
「っ……!」
私は彼女を見つめます。
「あなたは人を愛するという言葉の意味をはき違えていますわ」
「……違うもん……あたしは間違ってないもん……」
ヒロインさんは涙を流し、走り去っていきました。
まったく……面倒な人だこと。
そんな面倒な人とは反対に、もう一人の攻略対象であるフレッド殿下は私にとても優しくしてくれます。
今日も学園への通学路を歩いていると、フレッド殿下が私を見つけて駆け寄ってきます。
「おはようアリス」
「おはようございます殿下」
フレッド殿下は私に手を伸ばします。
「学園までエスコートするよ」
「ありがとうございますわ」
私は彼の手を取り歩き出します。
こんな普通の女の子の日常を疑似体験できるなんて夢にも思いませんでしたわ。
このままずっと続けばいいのですが……どうやらそうはいかないみたいですわ。
私はある女子生徒を見ました。
彼女は私と目が合うと、逃げるように走り去ってしまいました。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!
杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。
彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。
さあ、私どうしよう?
とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。
小説家になろう、カクヨムにも投稿中。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
10日後に婚約破棄される公爵令嬢
雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。
「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」
これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。
完 さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
水鳥楓椛
恋愛
わたくし、エリザベート・ラ・ツェリーナは今日愛しの婚約者である王太子レオンハルト・フォン・アイゼンハーツに婚約破棄をされる。
なんでそんなことが分かるかって?
それはわたくしに前世の記憶があるから。
婚約破棄されるって分かっているならば逃げればいいって思うでしょう?
でも、わたくしは愛しの婚約者さまの役に立ちたい。
だから、どんなに惨めなめに遭うとしても、わたくしは彼の前に立つ。
さぁ、悪役令嬢のお役目の時間よ。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる